■暗譜の仕方 ～ J.レヴィーン『ピアノ奏法の基礎』より

ジョセフ・レヴィーン著 『ピアノ奏法の基礎』（中村菊子訳）より抜粋


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私は大勢の生徒が
暗譜では非常に苦労しているのを知っているので
ここで強調しておくが、要するに、
真面目に努力して丁寧に暗譜することだ。

暗譜に時間をかければかける程、
君の脳裏に焼きつけられる音符の印象は濃くなり、
暗譜はそれだけ確かになるのだ。



暗譜は、一小節ごとでなく、一フレーズごとにするとよい。

フレーズは音楽の一つの単位であり、
小節は、一小節が短い一フレーズを成しているとき以外は、
あくまでも一つのフレーズの一部分にすぎない。

また、おぼえなければならないのは一つ一つの音符でなく、
音楽に書きこまれたアイディアだ。

君が詩を暗唱するとき、
おぼえるのはアイウエオの文字でなく、
詩人の美しい視野と、描かれた思想であろう。

大勢の生徒はただ黒くプリントされた音符だけを拾って
暗譜しようとして時間を無駄にする。
それは馬鹿げたことで意味がない。

君たちはアイディア（思想）をつかむことだ。
作曲者のアイディアこそ
我々の頭の中にしっかりと留まるのだ。



そのようなわけで、
生徒はフレーズごとに暗譜することをおすすめする。

それから生徒は、
暗譜を確かにするために和声法の基礎をしっかり理解することだ。

和音は音楽の言葉であり、
作曲をするときの和音の並べ方は、
文章を作るとき言葉を好きなように並べるのとは違って、
和声法にはきちんとした順序があるのだ。
それを知っていると楽譜を暗記するとき大きな助けとなる。

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