音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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■暗譜の必要性・不必要性 ~ J.レヴィーン『ピアノ奏法の基礎』より

2011年09月11日 | ジョセフ・レヴィーン『ピアノ奏法の基礎』
ジョセフ・レヴィーン著 『ピアノ奏法の基礎』(中村菊子訳)より抜粋


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ここで、ちょっとの間、
とても重要な暗譜についてお話したい。

実は、音楽会で楽曲を暗譜してひく風習は
音楽史上、比較的新しく紹介されたことで、
モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンの時代には
暗譜が必要であると考える音楽家は非常に少なかった。

近年、あるオーケストラの指揮者たちが
スコアを使わないでオーケストラの指揮をすることを習慣にし始めたように、
ピアニストたちの間でも暗譜でひく習慣がだんだんと広まってきた。

考えて見ると、過去二十五年の間に(注:1924年現在)、
演奏会で楽譜を見ながらひいたピアニストは、
ほんの少数のごく著名なピアニストだけだ。

私は、フランスのピアニスト、ピニョは
アメリカで演奏するときに限り、譜面を使用したときいている。

確かに、大きなコンサート・ホールの二千人・三千人の聴衆の視線の中で
譜面をめくる動作は、音楽会の雰囲気をこわす。
従って、暗譜して演奏することは余儀なくされてきたのだ。

そして、生徒の中には、
ピアノの曲を片はしから全部暗譜しようと試みる者がいるが、
誰しも莫大なピアノの曲を全部暗譜しなければならないということはない。

君たちは、必要な曲と使える曲を暗譜しておけばよいのだ。
我々の記憶力に余計な荷を負わせるのは無駄だ。

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