音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

◆ビッグバン前夜!?《ヴァイオリン・ソナタ“クロイツェル”》第I楽章

2008年10月14日 | ベートーヴェン Beethoven
ずっと以前、こちらにブログを書き始めたばかりの頃、
ベートーヴェンの至高の名作、
《ピアノソナタ第23番 ヘ短調 op.57“熱情”》を
ビッグバンに例えたことがあったと記憶しています。



“熱情ソナタ”を公に演奏したのは、
ベートーヴェン《ピアノソナタ》全曲演奏会の初回、
今からもう2年以上も前のこととなります。


そして今回、“クロイツェル・ソナタ”を勉強しながら、
再び、あの頃の、“熱情ソナタ”に身を焦がしていた頃の
あの感覚が、蘇ってきたような気がしたのです・・・


“クロイツェル”第I楽章の「Presto」の音楽のすさまじさは、
「精神・魂の格闘」と言えるのではないでしょうか。


・・・闘い・・・

音楽を通して人々の心を・精神を・魂を揺さぶる名作・・・
“クロイツェル”に限らず、
“熱情ソナタ”や、《交響曲第5番“運命”》など、
これらの音楽を作曲したこの時期のベートーヴェンの心・精神・魂は、
このようなすさまじい状態にあったことが
思い浮かばれて仕方ありません・・・
(その他方には、自然との共存に目覚めた
平安の兆しも芽生え始めていたようですが)


“クロイツェル”においては、この第I楽章で
「精神の大格闘」がなされた後は、
平安の世界を思いしのばせる緩徐楽章が続き、
終楽章は、超ごっきげんなハイテンションで
音楽はスーパーポジティブに終わります!!

このようなソナタの物語からは、
第I楽章における「魂の格闘」が
どのような結末を迎えるのかは、
巨大な構想の全貌は、当時のベートーヴェンにとって
まだ完全にはおさまっていなかったのかもしれません・・・


そして、
《ピアノソナタ“熱情”》において、
三つの楽章を通して、この「魂の格闘」は
完全な燃焼を初めて遂げるに到ったと
いえるのかもしれません・・・
あの終楽章のCodaコーダ(終結部)を想起するなら、
このことは一層明白になってくるでしょう・・・


思えば、
《ピアノソナタ第14番 cis-moll嬰ハ短調 op27-2“月光”》の
終楽章は、心なしか、“熱情”の終楽章を思わせるような
すさまじい音楽の終わり方をします・・・


“クロイツェル”に“月光”・・・


これらは、
“熱情ソナタ”における「ビッグバン」の
予兆・前夜であったのかもしれないと、
なんだか思いが強くなるのでした・・・

それは、
人間ベートーヴェンの精神的・芸術的境地を進む道を後追いする
面白というか、楽しみというか、手応えというか。

そして、
これらの前夜の作品を知れば知るほど、
大作“熱情ソナタ”の音楽としての凄さ・巨大さが、
より一層深く迫ってくるような気もするのでした。



人気ブログランキング【ブログの殿堂】
↑ブログランキングに↑応援よろしくお願いします
…………………………………………………………………
この記事に関するコメントやご連絡等ございましたら、
以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
…………………………………………………………………

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (つづき)◆《クロイツェル・... | トップ | ◆ステージへのあがり方 ~ ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。