ふと、
面白いことを思い出しました。
以前、草津音楽祭にて
日本古来の文化芸能「お能」と西洋クラシック音楽を融合した
催し物(たしかオペラ「高山右近」という演目だったか)が
上演されたのですが、その際、
能役者さんの舞台の出入り口となる幕の上げ下げを
勤めさせていただいたことがありました。
難しくないものだから、誰でもよかったのだそうです。
貴重な経験をさせていただきました。
今、ふと思い出したことは、
その際いわれた「ふたつの」指示のことです。
幕をあげるタイミングは、
能役者さんが
「おまく」
と一言いったのに合わせてあげるというもので、
面白いのは、
その言い方によって
幕を上げるタイミングを変えて欲しいということでした。
●ゆっくりと・・・静かに・・・「おまく・・・」
と言われるときは、
ゆっくりと・・・静かに・・・幕を上げて、
役者さんが去ったら、同じように戻すと・・・
それに対し、
●速く、ちょっと鋭く「おまく!」と言われた際には、
素早く幕を上げるように、
という、
たったふたつのシンプルな指示だったのでした。
これらの違いは、
当然、それから舞台に上がる
物語の上でのシチュエーション・場面に沿ったもので
あることは当然でしょう。
しかし、この「当然」であること、
舞台のシチュエーション・場面によって、
舞台の出入りまで変化してくるという事実を、
「おまく」
という合図の言い方で「具体的に」使い分けているということを、
なんだか今日は、
非常に面白く・奥深く・大事なことと思ったのです。
「シンプルな合図」とはいえ、
よくよく考えてみると、これは
非常に奥深いものでもありましょう。
「たったふたつ」という言葉は、
間違いなのかもしれません・・・
千差万別の「ゆっくり」と「はやい」の可能性が、
ここには宿っているはずです・・・
しかし、難しく考えすぎる必要もないのかもしれない、
シンプルでありながら、深い奥行きがある・・・
これが世の中の「真」なのかもしれませんが・・・・
私の携わっている分野は
西洋クラシック音楽ではありますが、
音楽は音楽、舞台は舞台で、
その意味において、
「クラシック音楽」と「お能」に、
どれほどの差があるというのでしょうか!?

大いに、
日本古来の伝統芸能の奥義を
自分の携わる音楽芸術にも反映させたいと
つくづく思ったのでした。
そして、
あの時から数年経った今、
そのような貴重な経験をさせていただいた若者が、
それを思い出し、
自身の音楽芸術活動と結びつくというのは、
なんともありがたい事とも思われるのでした。
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以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
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日本古来の文化芸能「お能」と西洋クラシック音楽を融合した
催し物(たしかオペラ「高山右近」という演目だったか)が
上演されたのですが、その際、
能役者さんの舞台の出入り口となる幕の上げ下げを
勤めさせていただいたことがありました。
難しくないものだから、誰でもよかったのだそうです。
貴重な経験をさせていただきました。
今、ふと思い出したことは、
その際いわれた「ふたつの」指示のことです。
幕をあげるタイミングは、
能役者さんが
「おまく」
と一言いったのに合わせてあげるというもので、
面白いのは、
その言い方によって
幕を上げるタイミングを変えて欲しいということでした。
●ゆっくりと・・・静かに・・・「おまく・・・」
と言われるときは、
ゆっくりと・・・静かに・・・幕を上げて、
役者さんが去ったら、同じように戻すと・・・
それに対し、
●速く、ちょっと鋭く「おまく!」と言われた際には、
素早く幕を上げるように、
という、
たったふたつのシンプルな指示だったのでした。
これらの違いは、
当然、それから舞台に上がる
物語の上でのシチュエーション・場面に沿ったもので
あることは当然でしょう。
しかし、この「当然」であること、
舞台のシチュエーション・場面によって、
舞台の出入りまで変化してくるという事実を、
「おまく」
という合図の言い方で「具体的に」使い分けているということを、
なんだか今日は、
非常に面白く・奥深く・大事なことと思ったのです。
「シンプルな合図」とはいえ、
よくよく考えてみると、これは
非常に奥深いものでもありましょう。
「たったふたつ」という言葉は、
間違いなのかもしれません・・・
千差万別の「ゆっくり」と「はやい」の可能性が、
ここには宿っているはずです・・・
しかし、難しく考えすぎる必要もないのかもしれない、
シンプルでありながら、深い奥行きがある・・・
これが世の中の「真」なのかもしれませんが・・・・
私の携わっている分野は
西洋クラシック音楽ではありますが、
音楽は音楽、舞台は舞台で、
その意味において、
「クラシック音楽」と「お能」に、
どれほどの差があるというのでしょうか!?

大いに、
日本古来の伝統芸能の奥義を
自分の携わる音楽芸術にも反映させたいと
つくづく思ったのでした。
そして、
あの時から数年経った今、
そのような貴重な経験をさせていただいた若者が、
それを思い出し、
自身の音楽芸術活動と結びつくというのは、
なんともありがたい事とも思われるのでした。


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