音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆両リサイタルを終えて、舞台の上で僕は一人ではなかった

2008年05月24日 | 音楽(一般)
昨日をもって、
5月14日のひまわりの郷ホール、そして
5月23日の津田ホールにおけるリサイタルを
お陰様で終了することができました。

ご来場の皆々さま、お越しいただき
本当にどうもありがとうございました。

「お陰様で」という言葉は、ウソ偽りの全く無いことと
こうして書きながら実感するのですが、
皆様がいらしく下さるおかげで、昨日のコンサートは
成り立つことができたと、心から思うのです。

単なるおべっかではありません(笑)

ホールを包む緊張感は、
あの場に鳴り響く音楽とともに、我々皆が作り出した
ものであったと思うのです。


昨日は舞台に立つ前、
ある心構えを持って備えました、それは
なかなか間違っていなかったものだったのかもしれません。


ピアノ・ソロ・リサイタルとなりますと、
普通に考えてみれば、舞台に立つのは
ピアニストただ一人なのです。
しかし、
ただ一人で、数百人の人々の前に立ち、
その重圧を乗り切るのは並大抵のことではないでしょう・・・


だから、一人じゃなくすればいいのです。


誰と一緒なのか?


あの素晴らしい音楽を書いてくれた作曲家と一緒と考え
舞台に上がるのは、なんとも心強いものだったのかもしれません。


どうすれば作曲家と一緒になれるのか?


彼らは、しっかりと楽譜に沢山の指示を書いてくれています。
ラヴェルRavelなぞは、記譜に関しては特に有名で、
同時代の巨匠作曲家ストラヴィンスキーに、
「ラヴェルはスイスの時計職人のように精巧に音楽を創る」
と言わしめたほどです。
見事な音楽を創り、それを事細かに楽譜に書き残してくれたのです。


ここに寄りそわない手は無いでしょう、
ラヴェルは、演奏をしながら、すぐそこにいてくれている、
すぐそこから指示を出してくれている、
(時々夢中で指示を忘れてしまうことがあるかもしれませんが(自爆))
演奏しながら教えてくれるのです、


さぁ、次はこうだよ、
盛り上げて!・・・下げて・・・
さぁ・・・綺麗だぞ・・・
おっと気を付けて!
そう、もっともっと!!


などなど・・・


ムソルグスキーの《展覧会の絵》とて同じこと、
時にこの作曲家は、楽譜にしっかりと書いてくれなかった、
未熟な記譜法であり、それを後世の人が補筆してより良いものになった
と言われることがありますが、とんでもない!!
いや、もちろん、他の素晴らしい音楽家や、
ムソルグスキー自身の同僚達の手によって、
作品が完成されたものも少なからずあるのは事実ですが、
ここ数ヶ月かけて自分が付き合ってきた《展覧会の絵》に書き込まれた
ムソルグスキーの数多くの指示は、
今日の演奏者をがっちりと後から支えてくれる
有意義なチカラを持っているものと確信するに至りました。


 
ムソルグスキーが隣にいてくれた、ラヴェルもいてくれた、


さらには、
今までお世話になった多くの先生方の指導も
活き活きと甦ることがあるのです、となると、
その先生方もすぐそばにいてくれていたということになります・・・

ドイツでの師匠クラウス・シルデ先生はもとより、
最近ではコーラスとして一緒に舞台を踏ませていただいた
指揮者のハンス・マルティン・シュナイト先生の姿も
なんだか見えてくるようでした。

さらには、スヴィアトスラフ・リヒテル先生の有名な
「ソフィア・ライヴ」と呼ばれる《展覧会の絵》存在だって
少なからず、自分の中に刻まれているものだったのかもしれない・・・


本当に、多くの、多くの人のチカラが
ピアニストとして舞台に立つ一人の人間を
支えてくれているとしたら、
こんな素晴らしく、心強いことはありません!!


一人だったけれど、一人ではない、
ここに
「感謝」という想いが
ふつふつと沸いて出てくるような気がするのです。


そして、演奏会をうしろからしっかりと支えてくださった
多くの関係者・スタッフの方々、
そして、ご来場の皆々様、
本当に、本当にどうもありがとうございました。

今後ともご支援・ご声援・ご指導・ご鞭撻のほど、
よろしくお願いいたします。



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