【楽曲解説・和声分析】
L.v.Beethoven《Klaviersonate Nr.1 f-moll op.2-1》〈I. Allegro〉
全32曲あるベートーヴェンの《ピアノソナタ》、
その、当たり前ですが、《第1番》は冒頭に位置する作品、
その始まりにして、
ベートーヴェンその人が…正に表現されていると
いえるでしょうか…
我々のよく知る、あの強面の男…
実際に、あらゆる面において怒りを露わにした人間でしょう!
人生に、難聴に、
恋愛に、結婚願望に、
政治に、社会に、
そんなベートーヴェンの姿を、
しっかりと隅々にわたって目の当たりにする音楽ではないでしょうか。
【楽曲解説・和声分析】 ベートーヴェン《ピアノソナタ第1番 op.2-1 ヘ短調 f-moll》〈第1楽章 Allegro〉
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0:00~ 2020年10月30日撮影、コロナ禍のベートーヴェン生誕250年・・・
1:14~ クラシック音楽道場にて《ピアノソナタ》全曲解析をスタート、記録動画を公開中・・・もう一度YouTube用に再撮影します
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2:44~ 調性はf-mollヘ短調、《op.57「appassionata熱情ソナタ」》と同じ、この曲は「小熱情」!?(余談:《ソナタ8番op.13》が「悲愴」なら、同じc-mollの《ソナタ5番op.10-1》は「小悲愴」!?)
4:45~ 1小節、アウフタクトはスタッカート無し(お手元の楽譜でも確認してみて下さい)
5:40~ 『ウィーン原典版』を参照、9小節の左手のアウフタクトはスタッカート有り
6:13~ 『ヘンレ版』も同じ、展開部49小節の右手のアウフタクトは無し、再現部109小節の左手は有り
7:21~ 『ペータース(Claudio Arrau)版』も参照、ちょっと差あり・・・1973年のもの
8:32~ 2019年『ベーレンライター版(全集)』発売、原典版としての研究が進む
10:28~ 【文法の問題】、2小節~、〔全終止〕、f-mollの悲しさが表現、3小節の左手は〔半終止〕
12:03~ 4小節は〔半終止〕「何故だろう?【疑問文】」のようなニュアンス
12:38~ 5小節は〔全終止〕、6小節は〔半終止〕、8小節は〔半終止〕、ここまで〔短調トニカ、t〕〔属七、D7〕ばかり
13:49~ 7小節②拍目、初めての〔サブドミナント〕、【II,IV,VI和声解析法】により、II,IV,VIの音に盛り上がりを見出す
14:41~ 7小節でいきなり「ffフォルティシモ」!、テンションをいきなり上げる修行・・・ベートーヴェンの人間性(癇癪もち、幼い時にDVを受けていた影響?)
17:23~ 人間的な問題性は指摘されつつも、ベートーヴェンの音楽に我々は今日なお心動かされる、音楽の存在価値
18:12~ 2小節、左手はスタッカートではない、なるべく四分音符分の長さを伸ばして(ペダルは使わない?)
19:18~ 3小節、左手の最後の音を四分音符分しっかり伸ばす【音価休符】←気を付けると演奏の質が高まる
20:00~ 5小節、左手の休符の瞬間に、右手の〔前打音〕を弾く、【前打音の問題】
21:31~ 〔前打音〕を前の小節の和音の最中に弾いてしまったら失敗
21:50~ C.Ph.E.バッハ著『正しいクラヴィーア奏法』に〔装飾音の弾き方〕説明多々あり
23:15~ 〔前打音〕に歌詞を付けてみた・・・「津軽海峡冬景色」、演歌歌手の〔小節(こぶし)〕のよう
25:36~ C.チェルニー著『全ピアノ作品の正しい奏法』より裏情報あり(子弟関係から協力者・理解者へ)
28:04~ 「厳粛・激情・興奮・力強さに満ち」「あまり速過ぎないアラ・ブレーヴェ(2拍子)」
28:43~ 「4小節から8小節のフェルマータに向かってクレッシェンドと若干リタルダンド気味にして盛り上げる」
30:05~ 9小節、いきなりc-mollハ短調に転調(再現部109小節ではf-moll、主調のまま)
30:36~ 再現部において、左手の音が違う、ffのまま
31:18~ 105小節、〔前打音〕を和音と一緒に、(左手の和音をバラすことも出来る)
33:44~ 短調の音楽は〔平行調〕へ転調する、As-Dur変イ長調で提示部は終わっている、9小節でいきなりc-mollは斬新
34:49~ 11小節、Re♭でAs-Dur変イ長調に転調
35:51~ La♭第VI音にタイがついて、伸びた先で不協和音となる大事な〔繫留音〕、J.S.バッハからの伝統あるパッション情感豊かな音楽性
36:36~ 17小節も〔繫留音〕、15小節は〔倚音〕
39:05~ 12, 14小節、『ベーレンライター版』において、スタッカートが括弧になっている(直筆譜は消失、初版等を参考に編纂されているとのこと)
40:47~ 11小節Sop.はスタッカート、12小節Altは長めの落ち着き有るAs-Durの音?と解釈、14小節で落ち着く
41:48~ 『ベーレンライター版』における【スタッカートの有無の問題】はセンセーショナル!?
43:03~ 校訂者Jonatha Del Mar氏に銀座ヤマハ店のレクチャーで会い「使用者も自分で考えてこの楽譜を使ってください」とのこと
43:48~ As-Dur変イ長調は「愛」を表す!?、《ソナタ31番op.110》の調性、不滅の恋人(?)が亡くなった年に書かれた曲
45:19~ ベートーヴェンは結婚したかったけど、できなかった人生
47:11~ 19小節、オクターヴの「ユニゾン」の旋律は「男女の歌」と解釈できる
47:46~ 15小節、左手Re♭は第IV音〔サブドミナント〕で盛り上がり、〔倚音〕もあり情感豊か
47:59~ ヘアピン・アクセントはespressivoと同義、その辺りを大事と解釈できる
50:04~ 20小節、Fa♭は第VI↓音、短調っぽい危険な雰囲気(恋愛観!?)
53:20~ 26小節、〔半終止〕
53:38~ 27小節~、甘美な〔刺繡音〕
54:47~ 〔半終止、全終止〕の繰返し、「花びら占い」のよう
56:11~ ベートーヴェンの情感豊かな人間性、聞こえない耳で壊れたピアノを恍惚の表情で弾いていたエピソード
57:31~ 27小節、〔ドッペルドミナント〕からの28小節〔半終止〕、ヘアピン・アクセントは情感豊かに
59:15~ 29小節、〔根音省略D79↓〕、低いFa♭第VI↓音
1:00:28~ 33小節、Fa♮第VI↑音ゆえに明るいAs-Dur
1:01:58~ ベートーヴェン唯一のオペラ《フィデリオ(エレオノーレ)》の結末は「素晴らしい女性と結婚できた男は幸せである」
1:03:35~ 31小節~ クレッシェンドの階段(p)(mp)(mv)(mf)
1:03:59~ 〔mezza voce〕は「中くらいの声(音量)」、《ソナタ30番op.109、3楽章》に実例あり
1:06:39~ 34小節、〔IIの和音、サブドミナント〕、弱拍の第II音は大事にしない【II,IV,VI和声解析法】
1:07:47~ 35小節、pピアノだけど〔D46〕は大事
1:09:08~ 33小節~、音階が左手とぶつかる数々の不協和音になっている
1:10:11~ 〔第2テーマ〕が、20小節~なのか、33小節~なのか、確定的なことは言えない…〔第2テーマ〕という概念が無い!?〔平行調に転調〕が目的!?
1:12:22~ 『ベーレンライター版』において35小節に「sf」無し、〔D46〕をsubito pにする「内緒」効果を大事にした!? 39小節は「sf」有り
1:15:16~ 41小節、〔反復音〕のために【ペダル使用】
1:15:55~ 18小節、右手オクターヴのレガートには【ペダル不可欠】
1:17:19~ 17小節、〔反復音〕のために【ペダル不可欠】
1:18:42~ 11小節~、〔反復音〕はあるけど、全音符ゆえにペダル無しでも大丈夫な場合もあり
1:19:56~ 41小節~、〔提示部〕の〔コーダ〕
1:20:12~ 45小節、『ベーレンライター版』と『ヘンレ版』において「sf」無し
1:21:41~ 43小節、「sf」の強い〔全終止〕
1:22:30~ チェルニー曰く「41小節からリタルダンド、45小節後半でテンポをもどす」
1:23:44~ 41小節「con espressione」、《ソナタ30番op.109、第2楽章》に「espressivo」の後「a tempo」とベートーヴェンが書いている、すなわちテンポが遅くなる証拠、(一般相対性理論)
1:26:33~ 展開部 1:0:0~ 55小節、〔半終止〕はb-mollの、転調は53小節において、Mi♮はb-mollの〔ドッペルドミナント〕
1:27:33~ 54小節、Sol♭は下方変位された音、Mi♮と〔増6度、ジャーマン・シックス〕
1:29:12~ 62小節、Fa♯はc-moll転調の〔ドッペルドミナント〕、La♭と〔増6度〕、Re♭は〔ナポリ〕、同時使用はとても珍らしい
1:32:40~ 69小節でb-moll、71小節でc-mollに転調
1:33:18~ チェルニー曰く「68小節~のバスの下降旋律を大事にレガートで力強く、表情豊かに」
1:34:30~ 73小節~、ゼクエンツ〔5度の滝〕、シャンソン〔枯葉〕に代表されるロマンティックな和声進行
1:36:12~ 79小節、〔滝〕が終わるからSopとBassが休符
1:36:56~ 73小節、『ベーレンライター版』、最後の左手は「fフォルテ」、〔滝〕だから!?
1:37:25~ 76小節、この曲の主調f-mollに戻る
1:39:36~ 84小節、〔全終止〕の音にスタッカート無し!?「諦念」
1:41:17~ 92小節①拍目裏、スタッカート無し!?「後ろ髪引かれるような」
1:42:23~ 93小節~、〔ポルタ―ト〕にペダル使用、特別な音
1:42:44~ 95小節~、左手は冒頭と同じように、ペダル無しの四分音符伴奏
1:43:30~ 95小節、Re♭第VI音、Sol♭は〔ナポリ〕
1:44:11~ 101小節~、再現部
1:44:51~ 111小節、Sol♭〔ナポリ〕と主音Faが一緒、《交響曲3番》と同じ
1:45:30~ 112小節~、②拍目裏にスタッカート無し、提示部との違いに注意
1:46:39~ 112小節はb-mollへ転調、ショパン《葬送行進曲》の調性、ロミオの死を思わせる!?
1:49:05~ 117小節、ヘアピンはespressivo、メトロノームで弾けない
1:51:08~ 126小節、ヘアピン無し
1:52:23~ 132小節~、ffが3小節続く、提示部と違う
1:54:07~ 142小節、「sf」無し、144小節にあり、提示部と違う
1:55:29~ 146小節、〔代理終止〕
1:56:45~ 148小節、As-Dur
1:57:16~ 150小節、Mi♮でf-moll
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▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list=PL8FTK8c0NoEhrnP5arfRUU3nOC_q9qQ63
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