・・・他人の言葉を拝借してブログを更新するのも
少々気が引けますので、丸山眞男氏のクラシック音楽についての言及は
今回をもってひとまずの一区切りとしたいと思います。
前回の『調性(トナリティー)』と
前々回の『形式(フォルム)』について
まとまった文章が丸山氏ご自身の言葉でありますことを、
ここにご紹介させていただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『調性』の歴史は、
『形式』の完成とその崩壊、
属音(ドミナント)から主音(トニカ)への
解決の仕方の複雑化と方向感覚喪失の歴史と
みていいと思う・・・(中略)・・・
属音(ドミナント)が続くと、
弾く側も、緊張感が持続します。
主音(トニカ)になって安心する。
フルトヴェングラー(20世紀ドイツを代表する大指揮者)は、
音楽の重要な要素として
『緊張と弛緩』を挙げていますが、
両者のバランスがベートーヴェンの場合、
最高なんですね。
バランスとタイミングが絶妙・・・・。
フルトウェングラーはその『造り』を完全に読み切って、
〈音〉にしています。だから演奏に説得力があるわけです。
彼のベートーヴェンを聴くと、
演奏の凄さと同時に、
ベートーヴェンという作曲家の偉大さ=曲の良さ=を感じるでしょう。
楽譜を完全に読み切っていたんですね、
フルトヴェングラーという指揮者は・・・・
(中野雄著『丸山眞男 音楽の対話』より)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・「楽譜を完全に読み切る」という極意があるとしたら、
これは、クラシック音楽に携わる者であれば、
きっと誰しも興味を抱くものではないでしょうか?
21世紀となった今日、
原典版の出版が広まり、我々は
我々の良く知る多くのクラシック大作曲家の直の仕事に
それらの誠意ある楽譜を通じて近づくことができるようになってきました。
このことは、フルトウェングラーの同僚、
ピアニストのエドウィン・フィッシャーが
「本来のテクストを再現しようとする出版社などの努力は、
どれほど歓迎されてもいいものである。」
と言っています。(E.フィッシャー著『音楽観想』より)
そのフィッシャーとて20世紀の人・・・
我々は、幸運なことに!!多くの人々の尽力により
さらに正確な作曲家本人の仕事を垣間見ることのできる
質の高い原典版を手に取ることができるのであります。
そのような信頼の置ける楽譜を通して、
音楽を読み切らんとする、すなわち、
大作曲家達の書いた『調性』の魅力的な推移と
楽曲全体のもつ『形式』の姿が現れるよう、
その楽曲の魅力を存分に発揮されるような演奏ができるよう、
私もこの道を究めてゆきたい、そう思って
毎日の音楽をがんばってゆく今日この頃であります。
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この記事に関するコメントやご連絡等ございましたら、
以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
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今回をもってひとまずの一区切りとしたいと思います。
前回の『調性(トナリティー)』と
前々回の『形式(フォルム)』について
まとまった文章が丸山氏ご自身の言葉でありますことを、
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『調性』の歴史は、
『形式』の完成とその崩壊、
属音(ドミナント)から主音(トニカ)への
解決の仕方の複雑化と方向感覚喪失の歴史と
みていいと思う・・・(中略)・・・
属音(ドミナント)が続くと、
弾く側も、緊張感が持続します。
主音(トニカ)になって安心する。
フルトヴェングラー(20世紀ドイツを代表する大指揮者)は、
音楽の重要な要素として
『緊張と弛緩』を挙げていますが、
両者のバランスがベートーヴェンの場合、
最高なんですね。
バランスとタイミングが絶妙・・・・。
フルトウェングラーはその『造り』を完全に読み切って、
〈音〉にしています。だから演奏に説得力があるわけです。
彼のベートーヴェンを聴くと、
演奏の凄さと同時に、
ベートーヴェンという作曲家の偉大さ=曲の良さ=を感じるでしょう。
楽譜を完全に読み切っていたんですね、
フルトヴェングラーという指揮者は・・・・
(中野雄著『丸山眞男 音楽の対話』より)
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・・・「楽譜を完全に読み切る」という極意があるとしたら、
これは、クラシック音楽に携わる者であれば、
きっと誰しも興味を抱くものではないでしょうか?
21世紀となった今日、
原典版の出版が広まり、我々は
我々の良く知る多くのクラシック大作曲家の直の仕事に
それらの誠意ある楽譜を通じて近づくことができるようになってきました。
このことは、フルトウェングラーの同僚、
ピアニストのエドウィン・フィッシャーが
「本来のテクストを再現しようとする出版社などの努力は、
どれほど歓迎されてもいいものである。」
と言っています。(E.フィッシャー著『音楽観想』より)
そのフィッシャーとて20世紀の人・・・
我々は、幸運なことに!!多くの人々の尽力により
さらに正確な作曲家本人の仕事を垣間見ることのできる
質の高い原典版を手に取ることができるのであります。
そのような信頼の置ける楽譜を通して、
音楽を読み切らんとする、すなわち、
大作曲家達の書いた『調性』の魅力的な推移と
楽曲全体のもつ『形式』の姿が現れるよう、
その楽曲の魅力を存分に発揮されるような演奏ができるよう、
私もこの道を究めてゆきたい、そう思って
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