音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆「いびつな真珠」とバロック音楽 ~ 名称と内容の一致!?

2009年12月16日 | ◆一言◆
バロック音楽
と呼ばれる西洋クラシック音楽におけるひとまとまり・区分(時代)があります。
代表各として思い出される作曲家は、J.S.バッハといってよいでしょう。

ご承知の通り、
バロックとは「いびつな真珠」という意味なのだそうです。

理想的な真珠の形というのは、真ん丸。
その形が偏りを見せるものが「バロック真珠」と。


ところで、
このような語源を念頭に「バロック音楽」について思いを馳せてみますと・・・

あの古風で(←現代人の我々にとって?)
整然と判り易いあの音楽達に、
「バロック=いびつな」
というイメージは当てはまるでしょうか?
これは僕だけに限らず、多くの人が不可解に思うところではないでしょうか。

しかし今、ふと、
バロック音楽における「いびつ」な魅力というものが、
確かにあるのではないだろうか!?
と思い当たるところを見付けた気がするのです。


それは「和声外音」の多用。


残念ながら私は一ピアノ弾きとして、
バッハ以前の音楽に直接触れ合う機会は滅多に無く、
具体的にあまりよく知るところではありません・・・

とはいえ音楽史の授業等で知る限りのところを思い出してみますと、
西洋音楽史においてグレゴリオ聖歌が多声音楽として発達し、
和声感が確立し、洗練した音の連なりが発展してゆくうちに、
しだいに和声音の中にとどまらない音にまで音楽家達が手を出し始めた時、
それが
「バロック=いびつな」という言葉に重なるのではないか、と思われたのです。

すなわち、
中世の頃から長い年月をかけて磨かれた整然たる和声音楽が「真ん丸な真珠」のようならば、
そうした真珠に飽きたらず、
「真ん丸」からわざと外れた形に魅力を見い出した作曲家達の書いた作品は、
「バロック=いびつな」
といって然るべき音楽と違和感なく思えるような気がしたのです。



和声外音とは、具体的には「倚音」と「掛留音」



これらの音の表現力を大いに研究し、感得することは、
バロック音楽を、更にはその後に続くクラシック音楽と呼ばれる音楽作品達に当たるに際しての
重要なポイントのひとつなのではないだろうかと強く思われるのです。





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