音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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ドビュッシー《燃える炭火に照らされた夕べ》の弾き方

2018年02月23日 | ドビュッシー Claude Debussy
ドビュッシー作曲のピアノ独奏曲
《燃える炭火に照らされた夕べLes soirs illuminés par l'ardeur du charbon》


・・・この曲は、いったいどれほど人々に知られているのでしょうか?


私は数年前(たぶん2012年、ドビュッシー生誕150年の時)
初めてこの曲の存在を知り、そして楽譜に出会いました。



この曲は1917年に書かれた単品ものとのこと。
ドビュッシーは1918年3月25日に亡くなります・・・
すなわち、亡くなるその前年の作であるということ・・・


更に!!この曲の制作時期について興味深いのは、
一般的にドビュッシーの最後の作品と言われている《ヴァイオリン・ソナタ》よりも後に、
このピアノ独奏曲は書かれているというのです!!
すなわち、この曲《Les soirs illuminés...》こそがドビュッシーの最後の作品、
白鳥の歌、ということになるのだそうです・・・


これは、多くの人々の常識を覆す新発見ではないでしょうか・・・


そもそもこの曲が発見されたのは2001年にアメリカにて(つい最近!?)、とのこと。
作曲の経緯は、1914年より続く第一次世界大戦も数年に渡ってきた時期、
深刻な物資不足に見舞われていたパリにて、ドビュッシーに石炭を送ってくれた石炭商より
依頼を受けて書かれたのだそうです。
だからこそ!?題名に「charbon炭」という言葉が使われているのでしょう!(笑)


ちなみに、この長ったらしい題名(苦笑)は、ある詩の一節からとったもの、
それはボードレール『夕べのハーモニーHarmonie du soir』より。


・・・ここで「あれ!?」と思い当たる人はドビュッシー通!?(笑)


そうです、この詩は《前奏曲集1巻》の第4曲
《音と香りは夕べの大気に漂うLes sons et les parfums tournent dans l'air du soir》
と同じ詩から取られた一節であるという、興味深い!共通点を有しています。


音楽的にも、冒頭のメロディーは
ほとんど「同じもの」と言って差し支えないでしょうか・・・


「Mi~La~Si(La)~Mi~・・・」



片方はイ長調A-Durで、
片方は変イ長調As-Dur
という違いはありますが・・・

その「心」、その出所は少なからず同じところに・・・?


ドビュッシー最盛期!?とも思われる《前奏曲集》
(計算したところ、ピアノ独奏曲の全84曲における黄金分割は、
この《前奏曲集1巻》に当たる!?と調べたことがあります。
黄金分割、すなわち最盛期という証拠になるかしら!?)


それを思い浮かべつつ、
最晩年、死を前にした病身の作者は・・・いったいどのような気持ちで
同じ旋律を用いつつ、この短い小曲を書いたというのでしょうか・・・


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以下、
この曲《燃える炭火に照らされた夕べLes soirs illuminés par l'ardeur du charbon》の
具体的な演奏方法・注意点等を書いてゆきたいと思います。

















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