メンデルスゾーン《無言歌「春の歌」》
曲の冒頭、
内声の装飾的和音は、曲のはじめの方は基本的に
右手3音、左手4音
となっているようです。
ところが曲の終わり(Coda)になると、
左右、両手とも3音の装飾的和音
となるようで・・・
作者は和音の数を変えることで、
何か表現されることを考えていたのでしょう、・・・か!?
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メンデルスゾーン《無言歌「春の歌」》
2小節目の内声、装飾的和音は、
右手3音と、左手4音。
ところがなんと!!・・・ほとんど同じ音型の
10小節目では、装飾的和音は、
右手4音に増えている・・・
なぜ作者は、こんな微妙なことを書き分けているのか!?
・・・画像にはありませんが、
9小節目の前にはアウフタクトがひとつ
メロディーについています。
1小節目は、アウフタクト無しで曲は始まっている。
ここにも、微妙な差はある・・・
ゆえに、
アウフタクトのある9小節目では、
次の10小節目、1拍目の裏に入る前、
装飾的和音の数も多くなっていることから、ほんの少しルバートして、
2小節目よりも時間をかけようかしら・・・
差を表現してみようかと考え中です・・・
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そして、もしかするとここから裏付けされる
この曲の絶妙なルバートが見つかるのかも!?
3音の装飾的和音はそのままテンポで過ぎ去り、
4音の場合は・・・その音数の多さゆえに、
本当にちょびっとだけ!!時間を多く取る!?
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まぁ・・・更に考えてみたところ、
右手は上声部でメロディーの1音を弾いているから
残りの装飾的伴奏和音は3音で、
合わせたら4音になる(場合によっては
メロディー1音+伴奏4音で、計5音となることも)
だから、右手の伴奏和音は3音が基本となる、という
指の都合もありましょうが・・・
しかしそれでも、
その伴奏和音を弾いている1拍目裏のその瞬間においては、
確かに3つの音しか奏でない、そこが
4音になる場合との差は確かに生じます!!
なので、「音数の多少によるルバートの有無」は、
採用したく、今は思いました。
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この論理で行くと、曲の終わりに向かうあたり
画像の右上の小節、
主旋律ですが、伴奏が〔属7〕の和音となり
(こういう和声進行、[V]から[I]へ行くと思いきや、
[V]から[IV度調のV度]へ行くことを〔代理終止〕というのだそうです!!
珍語!?私は数年前に初めて知りました(笑))
この特別な終止形とともに、伴奏和音は、4音に増えていて、
ゆえに微妙に時間をかけてルバートすることで、
この和音を味わうことが出来るようになります・・・
画像の2段目になると、
伴奏和音は左右とも、ころころ数が変わっています!!
その都度、ルバートの有無を弾き分けたとき、なんだか・・・
絶妙な音楽性が表現される!?!?
ような気がしました・・・
メンデルスゾーンの天才の現れ!?(笑)
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