音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆死後の世界を描いた音楽

2006年11月10日 | ショパン Frederic Chopin
ショパン《幻想ポロネーズop.61》を弾いていて思いました。

以前にも書いたことがあります、この後期のショパンの作品に
ベートーヴェンの後期の作品群とそのアイディアが垣間見れることは、
以前から考えていたことでした。それが、さらに一歩、
具体的に目の前に迫ったような感があるのでした。


ショパン、晩年の作《幻想ポロネーズ》に
ベートーヴェン、最後のピアノソナタ《32番op.111》II楽章“Arietta”


ともに「死後の世界」を描いた音楽であるように思われるのです。


描き方は、それぞれ違うようです。しかし、
どちらも曲の途中から現世を離れ、あの世へと旅立つ、
あまり多くは書きませんが、
そんな音楽が見えるような気がするのです。


そんな音楽を通して、我々は深い「感動」へといたるのはなぜなのだろう。死後の世界に対する憧れなのか、畏怖の念なのか、理由は定かではない、しかしおそらくは我々皆に通ずる普遍的な「感動」をもたらすことはまぎれもない事実のようなのです。感動?ふと、紀元前の哲学者アリストテレスのいった「カタルシス」という言葉が思い起こされました。2000年以上の時を越えて、今を生きる人間にもこのような感覚が生きていることを確信する瞬間がここにはあるのかもしれない、そんなことを考たのでした。時代は流れ、世界は変わった、それでも変わらない何かがある、それが我々人間なのではないかと。


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