モーリス・ラヴェル、最後のピアノ・ソロ曲《クープランの墓》の、
終わりから2番目の曲がこの《メヌエット》です。
曲のどこをとっても美しいのですが!(中間部「ff」だって、
壮大なオーケストラの音が聴こえてくるよう)
特筆すべきは・・・この曲の終わり方かなと思いました。
Codaから・・・かな・・・。このCodaを弾きながら、
しょっちゅう目頭が熱くなってしまうのですが・・・
「pp expressif」に始まる最後の唄は、
精巧な時計のように緻密に作曲された、
「高まる想い」を的確に音楽にしようと試みる
音楽家ラヴェルの姿勢なのだと思います。
決して、ストラヴィンスキーがラヴェルを例えた
「彼はスイスの時計職人のような」という言葉を、
機械的な、非人間的なものには解釈したくない!・・・のですが。
「高まる想い」は、
una corda Pedal(弱音ペダル?)を踏んだ「pp」から
tre corda(弱音ペダルを放す) 「p」へ、
「poco cresc.」「mf」さらに大きくなって「f」へ
「ゆめ・・・ゆめ・・・ゆめ・・・
・・・夢 醒・・め・・た・・」みたいな・・・
過去の大事な人と、再び出会えたかのようなこの曲の物語は、
夢の出来事だったのかもしれません・・・しかし、それでもいい。
遥か天井までそよ風のように昇り、ひらひらとテーマが降りてくる
落ち葉を想像したっていいかもしれません。ああ!!
『良寛さんのうた』を思い出した!!
うらをみせ
おもてを見せて
散るもみじ
・・・江戸時代の禅僧 良寛、74歳のとき、辞世の句だそうです・・・
・・・メヌエットの最後に戻りますと、
ひらり舞い降りたもみじは、「Ralentir beaucoup - - -」いっぱい遅くなって
左手ひとりぽっちになって、ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・・
そして、「Tres lent」とっても遅く、和音となって、
「よかっ・・・・た~~~~~・・・・・」って・・・・。
何がよかったんだろう?でも、
この和音は美しい。ほんとうにきれい・・・。
和音だけじゃない、和音が弾かれたあとの、内声に両手で静かに静かに弾かれるトリルが、
この和音の美しさに花を添える
こんなピアノの奏法が、今まであったでしょうか?ラヴェルの天才は、
ピアノの響きの新たな美しさをも発見した・・・もしかして、
発見しちゃったから、もうピアノ・ソロ曲は書かなくなっちゃったのかな・・・
でも、
晩年の作品《ピアノ協奏曲》のII楽章では、これと同じような世界を、
オーケストラも一緒になって・・・!!!描き出しました。
《Valse nobles et sentimentales (高雅で感傷的なワルツ)》をも書いたこの作曲家・・・
僕は、好きです。(あらら・・・告白しちゃいました・・・)
終わりから2番目の曲がこの《メヌエット》です。
曲のどこをとっても美しいのですが!(中間部「ff」だって、
壮大なオーケストラの音が聴こえてくるよう)
特筆すべきは・・・この曲の終わり方かなと思いました。
Codaから・・・かな・・・。このCodaを弾きながら、
しょっちゅう目頭が熱くなってしまうのですが・・・
「pp expressif」に始まる最後の唄は、
精巧な時計のように緻密に作曲された、
「高まる想い」を的確に音楽にしようと試みる
音楽家ラヴェルの姿勢なのだと思います。
決して、ストラヴィンスキーがラヴェルを例えた
「彼はスイスの時計職人のような」という言葉を、
機械的な、非人間的なものには解釈したくない!・・・のですが。
「高まる想い」は、
una corda Pedal(弱音ペダル?)を踏んだ「pp」から
tre corda(弱音ペダルを放す) 「p」へ、
「poco cresc.」「mf」さらに大きくなって「f」へ
「ゆめ・・・ゆめ・・・ゆめ・・・
・・・夢 醒・・め・・た・・」みたいな・・・
過去の大事な人と、再び出会えたかのようなこの曲の物語は、
夢の出来事だったのかもしれません・・・しかし、それでもいい。
遥か天井までそよ風のように昇り、ひらひらとテーマが降りてくる
落ち葉を想像したっていいかもしれません。ああ!!
『良寛さんのうた』を思い出した!!
うらをみせ
おもてを見せて
散るもみじ
・・・江戸時代の禅僧 良寛、74歳のとき、辞世の句だそうです・・・
・・・メヌエットの最後に戻りますと、
ひらり舞い降りたもみじは、「Ralentir beaucoup - - -」いっぱい遅くなって
左手ひとりぽっちになって、ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・・
そして、「Tres lent」とっても遅く、和音となって、
「よかっ・・・・た~~~~~・・・・・」って・・・・。
何がよかったんだろう?でも、
この和音は美しい。ほんとうにきれい・・・。
和音だけじゃない、和音が弾かれたあとの、内声に両手で静かに静かに弾かれるトリルが、
この和音の美しさに花を添える
こんなピアノの奏法が、今まであったでしょうか?ラヴェルの天才は、
ピアノの響きの新たな美しさをも発見した・・・もしかして、
発見しちゃったから、もうピアノ・ソロ曲は書かなくなっちゃったのかな・・・
でも、
晩年の作品《ピアノ協奏曲》のII楽章では、これと同じような世界を、
オーケストラも一緒になって・・・!!!描き出しました。
《Valse nobles et sentimentales (高雅で感傷的なワルツ)》をも書いたこの作曲家・・・
僕は、好きです。(あらら・・・告白しちゃいました・・・)