音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

【ゆっくり練習】の功罪 ~ 理想は【ゆっくり部分練習】!?

2019年08月11日 | 【母の小ネタ】
「あなたはゆっくり練習しないで通してばっかり!
だから上手にならない!」


・・・と叱られた亡き母の言葉が
時々思い出されます(苦笑)


しかしだからといって、
当時の私は、その言付けに従って
【ゆっくり練習】をすることは・・・出来なかった・・・
苦痛で仕方なくて!(苦笑)


そこで考えたい、
●【ゆっくり練習】とは、何なのか?
●なぜ【ゆっくり練習】が、苦痛と感じるのか?


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単純に【ゆっくり練習】という言葉から思えるのは、
その練習している音楽・曲を、ゆっくり練習するということ。
すなわち、それが暗示するのは
●「全体をゆっくり」することになりましょうか。

それが、私には苦痛だったのです、そして今なお(笑)



なぜ苦痛なのか?

それは、思うに、
音楽的感覚ある・歌心ある人間にとって、
せっかくの魅力的な音楽を、
本来の姿ではないゆっくりしたテンポでずっと通すことは、
とっても苦痛であろうことは・・・皆さま想像していただけましょうか?


(↑上記文章からは、自分のことを「音楽的感覚ある・歌心ある人間」であるよう
自負・自慢しているような印象が現れてしまっているよう思われ恐いのですが・・・
しかし、自分は音楽しながら「抑揚ある音楽を歌いたい♪」
という意識と感覚を持っているのは、まぎれもない事実であることは
勇気をもって公言したく思います♪
それが巧くいかなかったり失敗したりすることがあったとしても・・・
良い音楽を奏でたい・歌いたいという心掛けは、確かに、あるのです♪)


(↑そんな生半可な気持ちで、しっかりと「全体をゆっくり練習」しないから
上達が乏しいのではないか!?
全体を辛抱強く【ゆっくり練習】できるようでなければ、
表現者としての資格は無い!!?
・・・というご批判も想像されるのですが、(←まさに母に言われそう!(笑))
ストイックでスパルタ的な忍耐と根性がもたらす強固な人間性・人間力、
それに基づく表現の凄まじい力を否定するつもりはありません・・・しかし、
ここで問題にしたいのは、「人間力」ではなく、
ただ単に「練習の仕方」♪
人間力の強さを磨くのではなくて、音楽が上手になることを磨く、
そのやり方についての【ゆっくり練習】を、
考えてみたい次第なのです♪)


↑脇道に逸れてしまった話はさておき、
というわけで、
せっかくの音楽は、なるべく理想と思われるテンポで奏でたいものです。

しかし!!!
そうは問屋が卸さない(笑)


うまく出来ていない箇所が、あったりするものです。
それは、その音楽の魅力や愉しみを、阻害するもの・・・
なので、無くしたいものです。


その時、【ゆっくり練習】は、
やはり効果あるものなのだと思われます。


しかし、音楽を楽しくやりたい、なのに
【ゆっくり練習】なんて苦痛・・・


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ここが分かれ目の重要ポイント!?

問題は、
出来ていない箇所であって、
ある程度出来ている箇所もあるはず、という
事実があることに目を向けると・・・!?

分かってくることは、おそらく、
「出来ていない所を【ゆっくり練習】すべし」
ということ。


すなわち、
【ゆっくり部分練習】
という言葉こそが、まさに理に適った
練習方法なのではないか!?と・・・

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出来ない箇所を、
出来ないテンポでいくらやってもダメ、
出来るテンポまで、落とす。
それを【ゆっくり部分練習】で。


★ここで重要と思われますコツは、
いきなり極度にテンポを落とすのではなく、
テンポは「ちょっと落とす」くらいにしておくこと。

いきなり、とっても遅いテンポにしてしまうと、
安に出来やすく、何が難しいのか認識し難い、
という危険が、考えられるのです。

【ゆっくり部分練習】のコツは、
出来ていないテンポから「少しだけテンポを落とすこと」
そして、
それでも出来なかったら、更に少し落とす・・・

その繰り返しによって、
いつか「出来るテンポ」に遭遇するはずです。


その時が上達のチャンス!?


自分で、今出来たことを認識し、
その成功体験を元に、それを今度は、
少しずつテンポを上げていってみる♪

そしてまた出来なかったら、
どうして出来なかったのか、その理由を考えるなりしてみて、
テンポの「ゆっくり・はやく」を試行錯誤する。

最終的には、
理想のテンポでその箇所が弾けるようになる、
そこで、
【ゆっくり部分練習】の成果あり、
と、なるのではないでしょうか。

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要するに、
【ゆっくり練習】ではなく、
【ゆっくり部分練習】こそが
音楽の上達に役立つ、練習方法のコツなのでは!?と、
言葉の重箱の隅をつつくよう・・・考えてみた次第です(笑)

しかし、
この微妙な言葉の違いは、軽んずるものではないと思われます。

まさに「言葉尻を掴む」とはいえ・・・
その言葉の持っている力は、人に直接影響力をもたらすもの!?

【ゆっくり練習】という言葉からは、
全体をゆっくりすべし、という印象が起こっている・・・でしょう?
そこに、「出来ない部分をゆっくり練習しなさい」という意味は、
欠如している・・・

正しくは、
【ゆっくり部分練習】と言った時、
なるほど、【出来ていない部分を、ゆっくり練習】すればいいんだな、
という確かな理解につながるのではないでしょうか。


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・・・もしも母が幼かりし私に、
「出来ていないところを【ゆっくり部分練習】しなさい!」
と叱ってくれたら、
私はもっともっと上手になっていたのではないか!?
という、惨めな仮想の話はさて置き(苦笑)


全国の【ゆっくり練習】に苦しむ皆様!?に向けて、
【ゆっくり部分練習】するのが良いのかもしれません♪
という考えを、ここに文章に書きまとめてみたく、
愚見を述べさせていただきます。








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