音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

◆詩と音楽 ~ ラヴェル《オンディーヌ》 (詩全文翻訳)

2010年01月10日 | ラヴェル Maurice Ravel

フランス印象派の作曲家、M.ラヴェルの傑作のひとつ

ピアノ曲《夜のガスパール》

全部で三つの曲からなるこの曲集、それぞれの曲の楽譜の冒頭には
ラヴェルの当時、多くの芸術家達に影響を与えた詩人
A.ベルトランドの詩が添えられています。



1月24日の横浜県立音楽堂におけるコンサートにて、
第1曲《オンディーヌ》を演奏することになっているのですが、
演奏会に向け準備を進めながら、ことさら強く、
ラヴェルの書いたこの音楽と、彼が出版に際して添えた詩とが


ぴたり


重なるようにより強く思えてきました。



今回のコンサートでは、大型スクリーンを使って、この詩を会場に映し出しながら
演奏を進めてみようと考えているのですが・・・

どうかうまくいきますように(祈)









水の精"Ondine"

・・・私は眠っている間に、
朧ろげに音楽を聞いているように思った
私のそばで、やさしく悲しげな声が囁くように歌っていた
 --- シャルル ブルニュ「ふたつの聖霊」より

------------------------------------------

「ねえ、きいて!わたしよ、オンディーヌよ
淡い月の光に照らされた菱形の窓を
夜露のようにそっとたたくのは私


私こそは白絹のようなしぶきに身を包む水のお城のお姫様
美しい星空を映した静かな湖をじっと見つめるの


たち騒ぐ波は水の精
すべての流れは私の王宮への径
私の王宮は火と土と風のはざま湖底にかくされた秘密


きいて!きいて!
私の父は榛の若木の枝で水を従えるのよ
姉さまたちは白泡の腕で
水蓮やグラジオラスが咲きみだれる緑の小島をやさしく包み
釣人のように枝を垂れた柳じいさんをからかったりしているわ」


彼女は私に歌い求めた、
指輪を受け取り、オンディーヌの夫となるよう
そして彼女とともに水の宮殿を訪れ、湖の王となるよう


しかし私は
限りある命を持つ人間の乙女を愛していることを告げた
彼女は機嫌をそこね、幾しずくかの涙を流したかと思うと
とつじょ甲高い笑い声をあげ、
青い窓ガラスに白々と流れる水滴を残して水のなかへと帰っていった





ONDINE

Je croyais entendre
Une vague harmonie enchanter mon sommeil,
Et près de moi s'épandre un murmure pareil
Aux chants entrecoupés d'une voix triste et tendre.
CH. BRUGNOT - _Les deux Génies_

- << &amp;Eacute;coute! - &amp;Eacute;coute! - C'est moi, c'est Ondine
qui fr&amp;ocirc;le de ces gouttes d'eau les losanges sonores de ta fen&amp;ecirc;tre
illumin&amp;eacute;e par les mornes rayons de la lune;
et voici, en robe de moire, la dame ch&amp;acirc;telaine qui
contemple &amp;aacute; son balcon la belle nuit &amp;eacute;toil&amp;eacute;e et le beau lac endormi.

<< Chaque flot est un ondin qui nage dans le courant,
chaque courant est un sentier qui serpente vers mon palais,
et mon palais est b&amp;acirc;ti fluide, au fond du lac,
dans le triangle du feu, de la terre et de l'air.


boudeuse et d&amp;eacute;pit&amp;eacute;e, elle pleura quelques larmes,
poussa un &amp;eacute;clat de rire,
et s'&amp;eacute;vanouit en giboul&amp;eacute;es qui ruissel&amp;egrave;rent blanches le long de mes vitraux bleus.




(翻訳:瀬川玄編集)
参考HP
<a href="http://hw001.spaaqs.ne.jp/leavesoftales/leave/leavexc9.htm"target="blank45">http://hw001.spaaqs.ne.jp/leavesoftales/leave/leavexc9.htm
http://www.jsdi.or.jp/~fumipon/ravel_piano.htm
http://42528.diarynote.jp/m/200409012151270000/?guid=ON

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆何がそんなに悲しいの・・・? | トップ | ◆ジャズピアノとバロック音楽... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (eri)
2017-03-03 12:24:43
初めまして。オンディーヌのことを調べていましたら、こちらのページを見つけ読ませていただきました。
翻訳とてもわかりやすく興味を持ちました。もし、良ければ翻訳された言葉をお借りしたいのですが…。
私自身のピアノ演奏の画面に流せたら幸せだな…と思っていまして。無様な演奏なんで失礼になってしまうかなと思ったりもしていまして。
無理であれば、また他の訳を使ってみようかなと思っています。
twitterのほうフォローさせて頂きました。
また、宜しければお返事頂けるとありがたいです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。