音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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■演奏・他人の中でよりすぐれた自分を実現する仕事 ~ 吉田秀和著『現代の演奏』より

2011年05月23日 | 吉田秀和
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作曲家も演奏家も、ともに音楽家なのだが、
創るという仕事を軽減され、さらに
ほとんど全くそれから解放された演奏家は、
単によりよく仕上げの美しさに専心できるようになったというだけでなくて、
彼が楽譜を解読し、いわば
他人の中でよりすぐれた自分を実現するという仕事に
―― ベートーヴェンやバッハ、モーツァルトといった音楽家は
本当に稀有の天才を付与されたとびきり上等の音楽家なのであって、
どんな音楽家もみんなあんなふうな音楽がやれるわけでないことは、
断るまでもないだろう ――
跳りこんでよくその行為を通じて、聴衆にも、
作品を自分のものにする仕事を、助け、そこに誘導し、啓発し、より深く、
全面的な展望をもって行わせる上で、
本質的に重要な役を果たしているのではないだろうか?

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吉田秀和著『現代の演奏』より抜粋

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