音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆バッハやベートーヴェンの音楽の誤解!?

2011年12月02日 | ◆一言◆
バッハやベートーヴェンに代表されるドイツ・クラシック音楽は、
堅固な建造物のように見事に出来上がっているもの、
と言われることがありましょう。

これは、もちろん間違いではないと思います。

規則正しい楽節・フレーズ感や、整然とした和声の流れは、
叡智と洗練された感性の賜物と言ってよいでしょう、
落ち度のない、見事に出来上がった音楽作品達です。

しかし、ふと思ったのです。

これらドイツ・クラシック音楽が、
「堅固な」というイメージが
必要以上に世間に浸透し過ぎていないだろうか!?と・・・

ベートーヴェンやバッハの音楽は、決して、
ガチガチに堅固な音楽ばかりではありません。

いや、それどころか作曲者自身は、
隙のないガチガチな音楽を書こうとは
考えていなかったのではないでしょうか。

その証拠に、
彼らの音楽には、要所要所、いたるところに不協和音が使われています。

メロディーや、時に内声にも現れ、
人の心をくすぐる絶妙な音楽的効果を宿した不協和音である
「倚音」や「掛留音」が少なからず使われていることは、
バッハやベートーヴェンが、ただ単に
堅固な・堅物(かたぶつ)のような音楽を求めていたのではない証しです。

奏者は、これを知らずして、
これらの素晴らしい作品達の魅力を引き出すことは出来ないでしょう。

先日、ベートーヴェンの《ピアノ協奏曲 第5番》を弾いてみた際に、
「皇帝」ではなく「飛翔」と言ったほうがしっくりくる、
とtwitterしましたが、
この協奏曲も、荘重な皇帝然としているだけではない
ファンタジー溢れる、自由な精神の飛翔を感じさせる
生き生きとした音楽であると、
私は強く思い、感じています。



ドイツ・クラシック音楽は、
ただ単に堅固な音楽であるだけではないこと、
これを、もっと世に広げてゆくべきなのではないだろうか、
なぞとも思い、ひとつ書いてみた次第です。










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