音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

(続き3)◆《さくら横町》に魅せられて

2008年07月21日 | 中田喜直《さくら横丁》
歌曲《さくら横町》(中田喜直作曲)
中間部「B」の後半部分へと続いてみてみましょう。




●「あぁ いつも 花の女王」【4小節】、
ここで注目すべきは、
「花の女王」と歌われながら、
ピアノは「ヘミオラ」のリズムで
流麗に音を奏でるところにあります。

(★ヘミオラhemiolaとは、3拍子のこの曲の場合、「3拍」毎に進んでいた音楽が、突如として「2拍-2拍-2拍」と今までと違う動きをもつ特殊なリズムのことをいいます)


また、楽譜を見てみると分かるとおり、
ピアノには、松葉印のクレッシェンド「 < 」が
書かれているのも、このヘミオラの魅力的な効果を増大させる
絶妙な音楽的指示です。


「花の女王」と呼ばれる美しい女性が
花吹雪のなかに長い髪をたなびかせ凛としている
美しい幻想的な風景・・・


譜例の始めの小節
「あぁ」

という言葉の上に書かれた「強弱記号(mp)」と
「長いデクレッシェンド( > )」もまた、
「あぁ」
という溜め息を音楽として表現するために
それとなく工夫のこらされた指示のようにも思われます。


音楽を通して、溜め息でんばかりの「花の女王」が
ここに姿を現すのです・・・


つづいて、


●「ほほえんだ夢のふるさと」【3小節】
相変わらずの、中途半端な小節周期・・・


「夢のふるさと」は、
現実を離れた、ちょっとさびしげな向こうの世界・・・?


【3小節】で終わってしまうメロディーは、
過去を思い返すことの不毛さを
ふと分かってしまった心境・・・?


言葉にはし難い、幽玄の世界が垣間見られるかのようです・・・




(つづく)




人気ブログランキング【ブログの殿堂】
↑この記事が面白かったら↑クリックお願いします
…………………………………………………………………
この記事に関するコメントやご連絡等ございましたら、
以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
…………………………………………………………………

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (続き2)◆《さくら横町》に... | トップ | (続き4)◆《さくら横町》に... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。