音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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悲劇性で勝負!?ベートーヴェンV.S.モーツァルト

2006年08月01日 | 音楽(一般)
先日の日記にてご紹介いたしました、モーツァルトの後期ソナタ
とも言える《ピアノソナタ14番c-moll K.457》

この曲は、悲劇性の強い音楽で、それはc-moll(ハ短調)という調性
とも密接に結びついていると考えることができるかもしれません。
ちなみに、
c-mollの例をベートーヴェンから挙げれば、
《ピアノソナタ“悲愴”》最後のソナタ《op.111》、
そして有名な《第5交響曲“運命”》などがそうです。

モーツァルトの音楽は、多く言われるような軽やかで繊細な美しいもの
ばかりということは決してなく、
母親がパリで亡くなったときに悲観のうちに書いたと言われる
《ピアノソナタ9番a-moll K.310》や、
このモーツァルト後期の《ソナタ14番K.457》なぞは、悲痛なまでの
魂の叫びの音楽のようにも聴こえてきます。

ドラマティックな激しい音楽性をもそこに介在し、例を挙げるならば
オペラ《ドン・ジョヴァンニ》における主人公の最期のような(石像に
連れられ地獄へと堕ちていく)切迫感ある音楽性は、まさに
大悲劇の音楽であるといえましょう。


こういった悲劇性を、前世紀のピアニストE.Fischerは
「ベートーヴェン的ではなく
モーツァルト的であると言ってもらいたい」
という言葉を残しています。

これを真に受けるのであれば、
クラシック古典音楽において、悲劇の代表は
「♪!じゃじゃじゃじゃ~~ん♪(《第5交響曲“運命”》のつもり)」の
ベートーヴェンではなく、モーツァルトと・・・!?



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