音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆本番前に調整すべきこと、「テンポ」

2007年07月17日 | 音楽(一般)
本番前になってくると、暗譜も固まってきて、
音楽の全体を把握できるよう練習を進めていく中で
陥り易い落とし穴があります。
(きっと、いくつもあります。)
そんな中のひとつを、先ほどふと確認することができました。


テンポ(曲の速さ)


テンポの速い曲ほど特に、
必要以上にテンポが速くなっていってしまうのが
多くの場合に見られる傾向のようです。

例えば、
ベートーヴェン《悲愴ソナタ》
第I楽章の「Allegro di molto」(後に続く「e con brio」は
テンポではなく発想表示と解釈できましょうか)ですが、
先ほど自分の演奏をメトロノームでテンポを調べてみたら、

「160」


そして、
ベートーヴェンの直弟子、チェルニーの指示する
テンポを確認してみると、(チェルニーは、ベートーヴェンの
全ピアノ作品に関する解釈本を執筆していて、これは
ベートーヴェン自身の彼の作品に関する最も近い
参考文献として、非常に価値の高いもので、
師匠シルデ先生は、ベートーヴェンのレッスンの際には
これを必ず横に携え、アルバイテンを進めます)


「144」


あ・・・・「160」じゃ速過ぎた・・・

「144」にメトロノームを設定して、試してみる。
うん、いいテンポです。まさに
「Allegro di molto」
という感じです。
「160」では、「Presto」という感じになってしまうのでしょうか、
しかし、ベートーヴェン先生が思い描いたものは、Prestoではない、
あくまでも「Allegro di molto」なのです。
これがベートーヴェンという時代と国境を越えた天才音楽家の
音楽的感性を言葉に現したものだとするならば・・・
これは非常に大きな情報を有していると考えざるを得ないでしょう。



人間、本番が近くなったり、あるいは
本番当日の舞台の上では、緊張するのは当たり前で、
自然とテンポは速くなってきてしまうものです・・・しかし!!
真に理想の演奏を心がけようとするのならば、
この悲しい人間の「緊張すると速くなってしまう」法則に
のっとられてはならないのかもしれません。


ぐっとこらえる。


はぁ・・・・そう上手くいければよいのですが。
なかなか理想どおりには行きませんよね (^^;)



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