音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆「二音にまたがるスラー」をクラシック音楽作曲家が書くとき

2008年10月04日 | 音楽(一般)
●バッハ 《ロ短調ミサ曲》
を歌いながら、バッハ自身による楽語表記が非常に少ない楽譜を見ていると、
そんな中から時おり、スラーが目に飛び込んでくることがあります。


《Kyrie eleison》


《Christe eleison》

 
《et in terra pax》


《qui tollis peccata mundi》


《dona nobis pacem》


楽譜に書き込む指示が少ないだけに、これらのスラーは
一層目を引くものです。


なんでだろう? なんで、わざわざ書いたのだろう?


こうした疑問は、
自分が《ロ短調ミサ曲》を勉強する前から、
《フルート・ソナタ》においても、思うことがありました。



執拗に繰り返される二音にまたがる
「スラー」「スラー」「スラー」「スラー」の連続・・・


ここには、もしかすると
「感情を込めるべきところに込める」と題した
http://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/db51a41b17cf59be1d4c8c1d5cceea37
前回の記事に通ずるところがあるのではないか、と思うのです。




そして、先ほど、ふと
●ブラームス 《チェロ・ソナタ第1番 op.38》
の楽譜を眺めていたところ、なんと、
ブラームスが、このようなバッハと同じような
楽譜の書き方をしているのを、見つけたのです。



チェロの独奏につづき、
メロディーはピアノに引き継がれます。
そこでチェロは伴奏へと移りながら、しかし、
伴奏となっても、チェロは確実に「印象的な表情」を
失うことはないようです。それは、バッハと同じく、

「二音にまたがるスラー」

によって、
印象深い「掛留音」の美しさ・色気をもって、
うつくしい音楽のラインを奏でるのです。

楽譜面は、バッハのそれと似ている・・・
当然、ドイツ人作曲家としてのブラームスは
バッハの音楽をとことん研究しています。
その影響が無かったとはいえないでしょう。
ここに、
世紀の垣根を越えたバッハ(1685~1750)とブラームス(1833~1897)という
 
二人の大作曲家つながりが浮き彫りになってくるのは
とても興味深く、意味あるものと捉える事ができるのではないでしょうか。



たかがスラー
されどスラー



クラシック音楽の大いなる魅力の秘儀が
ここにも隠されているのかもしれません。




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