ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

味の画一化

2009年11月14日 | 食べ物


松本にある「デリカテッセンマルク」の鶏の
燻製は、薫煙の香りが強く力強い燻製なのだ
が、その香りの強さゆえ、何かの材料として
使うには個性が強い分適さない。単独で食べ
るのが一番美味いというのが最近の結論だ。
そうやって考えると、一般に売られている燻
製製品が如何に食べやすく出来ているかがよ
く分かる。しかし、間違っても、食べやすい
イコール美味いではない。むしろ画一的な味
という意味である。一方は個性的な味、或い
は本格的な味と言える。

この画一的な味というのは、いろんな人の最
大公約数的味といった感じで、多くの人に受
けいられる味であるが、決して美味いもので
はない、と思っているのだが、実際はそうで
もないということも分かっている。しかし問
題はこの最大公約数的味というのは、基本的
に低い方に引っ張られるということである。
アメリカを見てみるとよく分かる。いろんな
味覚の持ち主の実験場として、過去のいろん
な経験を積んだ結果がこれだ。想像を絶する
ような味の食品が平気で存在するアメリカを
見ると、結局どこの国もいずれこうなるのか
と恐ろしくなる。実際、Mドナルドの世界的
隆盛振りを見ると、着々と進んでいると納得
するしかない。それに抵抗するのは、それそ
れの国固有の食文化だと思うが、それも今や
風前の灯火だ。この流れにはもう逆らえない
のかもしれない。
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