カフカ君のお通夜に入ってきた。ついこの前
まで元気にしていた人間が、いきなり物と化
す。こういう対面はあまりしたくない。しか
し非日常的な出来事ではあるが、これは不可
避でもあること。考えてみれば、これも日常
の中に普通に起こることで、普段は考えない
ようにしているだけのことで本当は常に隣り
合わせ。いつ誰に起こっても不思議ではない
のだ。この点だけは、平等に出来ている。こ
ういう体験から自然に無常観というものが出
来上がる。そして、暫くすると、それも忘れ
てしまい、不変と思い込んでいる日常の世界
に埋没していく。