脳とテレパシー あなたの脳には巨大な力が潜んでいる, 濱野恵一, KAWADE夢新書 S-103, 1996年
・わりと常識的な本をずっと読みつづけていると、ふと、こういう怪しげな本に手が伸びてしまいます。わかっちゃいるけどやめられない。
・表紙紹介文「テレパシー、透視、予知、念力……。人間の脳には、既存の科学では説明できない不思議な能力が秘められている。それは、一体どこに、どのように存在しているのか?!人間の脳は宇宙の一部であり、また宇宙全体を内蔵しているという「脳ホログラフィー理論」で、脳の謎に鋭く迫る、新ビジョンの脳科学の書!」
・「天才とよばれた人たち、たとえばあのアインシュタインですら、わずか30パーセントの脳を働かせていただけだという説もあるくらいだ。」p.23 心臓や肺や肝臓などその他の臓器も、普段は30%くらい(?)で、かなり余力を残して動いてるのではないかと思います。脳の働きが30%だとしても何の不思議もない気がするのですが、筆者は不思議に思って、『未知なる力』とかそういう方向に走ってしまうのだなぁ。。。
・「もし現在の地球に人間がいなかったらどうなるか。宇宙は存在するだろうか。 私の答えはノーだ。宇宙に知的生命が存在しなければ、宇宙は誰にも認識されることがない、人間がいなければ宇宙は認識されず、したがって存在しないも同然である。」p.27 『存在しない』ことと『存在しないも同然』は全く異なると思うのですが、筆者の頭の中では"イコール"のようです。
・「つまりわれわれは、頭蓋骨のなかにたった一つ、「人間の脳」という脳をもっているのではない。これまでの進化の過程をあらわす、三つの異なった脳をもっているのである。 その三つの脳とは、2億年前の爬虫類の時代にすでに完成していた爬虫類型の脳と、1億5000年前に完成した原始哺乳類型の脳、そして、われわれ人間においてとくに発達した新哺乳類型の脳だ。」p.29 筆者オリジナルの脳の分類。
・「リンゴをふくめすべての物質はエネルギーの波動からなっている。(中略)このようなプロセスは、ほかの感覚にもあてはまる。匂いや味や音も、それ自体が独立して存在するのではない。すべてはエネルギーの波動であり、それぞれの感覚器官につながっている神経はこの波動をキャッチするだけのことだ。」p.55 また『波動』か。。。この手の筆者は『波動』が大好き。
・「物質の本質とは何か?…それを調べているのが量子力学で、「あらゆる物質は粒子であり、波である」というのがその結論だ。つまり、最先端科学によると、我々の世界は無数の波動で織りなされているのだ…。」p.58 その『波動』の根源は量子力学の誤解・曲解。
・「レオナードはさらに、人間は「情報」からできていると主張する。律動的なエネルギーの波動で表現される「純粋な情報」からできたもの、それが人間だというのである。」p.72
・「更新速度の遅い部分もあるが、結局、5年たつとわれわれはすべての細胞を更新してしまう。つまり、現在のわれわれは5年前には存在していなかったのだ。」p.74 エエエエエ~~。『すべての皮膚細胞』と勘違いしてなかろうか。
・「カメラのフィルムの場合、半分に切って現像すると被写体は半分しかあらわれない。しかしホログラムは、半分にしても、さらに半分にしても、どんなに小さく切ってもその断片に光を照射すると完全な三次元の立体映像があらわれるのだ。」p.82 『ホログラフィー理論』の核となる原理だが、これ以上の説明が一切ない。どういう原理か興味あるのだけど。
・「プリブラムの考えはこうだ。 脳は、外界のエネルギーの波動パターンを一瞬にして分析する。それをホログラムと同じような方式で脳内に組織化する。その結果、組織化された記憶は脳の全体にちょうど干渉縞のように数学的に変換され、符号化される。」p.83 結局、メインテーマも他人の受け売り。さびしい。
・「東洋には胎蔵界曼荼羅というものがある。大日如来を中心にして、その周囲にたくさんの仏や菩薩を配したものだ。それらのすべてがいずれも大日如来の特性をもっている。なおかつ、全体も一つになって大日如来を形成しているのが曼荼羅だ。脳はまさに、この曼荼羅と同じような構造だったのである。」p.89
・「いったいその「秩序」とはどんなものなのか。彼(ボーム)はそのために、しばしばグリセリンを使った簡単な実験を紹介する。」p.94
・「真の「知」の働きは、直観的である。言葉による分析さえ必要としない。 われわれの脳は、物事を分析したり記憶したりするような、消極的な「知」のためにあるのではない。(中略)脳は究極的には、宇宙を創造し揺り動かすエネルギー、すなわち全体性に合一するためにあると見て間違いない。」p.196 力強いお言葉です。
・「われわれは一人一人は独自の存在だが、同時に宇宙と結びつく無数の波動に共振する複合体でもある。この全体性への合一こそが、真の創造性であり、精神的発達の最後の到着点なのだ。」p.197
・同じ怪しげな本でも、こちらはオリジナリティすらほとんど感じられない最悪の部類に入ると思われます。書題にある『テレパシー』についての記述は、わずか10ページ程度。いったい何についての本なんだか。
・こんな科学本には気をつけよう:やたら引用が多い、筆者が文系出身、数式が出てこない、etc.
・わりと常識的な本をずっと読みつづけていると、ふと、こういう怪しげな本に手が伸びてしまいます。わかっちゃいるけどやめられない。
・表紙紹介文「テレパシー、透視、予知、念力……。人間の脳には、既存の科学では説明できない不思議な能力が秘められている。それは、一体どこに、どのように存在しているのか?!人間の脳は宇宙の一部であり、また宇宙全体を内蔵しているという「脳ホログラフィー理論」で、脳の謎に鋭く迫る、新ビジョンの脳科学の書!」
・「天才とよばれた人たち、たとえばあのアインシュタインですら、わずか30パーセントの脳を働かせていただけだという説もあるくらいだ。」p.23 心臓や肺や肝臓などその他の臓器も、普段は30%くらい(?)で、かなり余力を残して動いてるのではないかと思います。脳の働きが30%だとしても何の不思議もない気がするのですが、筆者は不思議に思って、『未知なる力』とかそういう方向に走ってしまうのだなぁ。。。
・「もし現在の地球に人間がいなかったらどうなるか。宇宙は存在するだろうか。 私の答えはノーだ。宇宙に知的生命が存在しなければ、宇宙は誰にも認識されることがない、人間がいなければ宇宙は認識されず、したがって存在しないも同然である。」p.27 『存在しない』ことと『存在しないも同然』は全く異なると思うのですが、筆者の頭の中では"イコール"のようです。
・「つまりわれわれは、頭蓋骨のなかにたった一つ、「人間の脳」という脳をもっているのではない。これまでの進化の過程をあらわす、三つの異なった脳をもっているのである。 その三つの脳とは、2億年前の爬虫類の時代にすでに完成していた爬虫類型の脳と、1億5000年前に完成した原始哺乳類型の脳、そして、われわれ人間においてとくに発達した新哺乳類型の脳だ。」p.29 筆者オリジナルの脳の分類。
・「リンゴをふくめすべての物質はエネルギーの波動からなっている。(中略)このようなプロセスは、ほかの感覚にもあてはまる。匂いや味や音も、それ自体が独立して存在するのではない。すべてはエネルギーの波動であり、それぞれの感覚器官につながっている神経はこの波動をキャッチするだけのことだ。」p.55 また『波動』か。。。この手の筆者は『波動』が大好き。
・「物質の本質とは何か?…それを調べているのが量子力学で、「あらゆる物質は粒子であり、波である」というのがその結論だ。つまり、最先端科学によると、我々の世界は無数の波動で織りなされているのだ…。」p.58 その『波動』の根源は量子力学の誤解・曲解。
・「レオナードはさらに、人間は「情報」からできていると主張する。律動的なエネルギーの波動で表現される「純粋な情報」からできたもの、それが人間だというのである。」p.72
・「更新速度の遅い部分もあるが、結局、5年たつとわれわれはすべての細胞を更新してしまう。つまり、現在のわれわれは5年前には存在していなかったのだ。」p.74 エエエエエ~~。『すべての皮膚細胞』と勘違いしてなかろうか。
・「カメラのフィルムの場合、半分に切って現像すると被写体は半分しかあらわれない。しかしホログラムは、半分にしても、さらに半分にしても、どんなに小さく切ってもその断片に光を照射すると完全な三次元の立体映像があらわれるのだ。」p.82 『ホログラフィー理論』の核となる原理だが、これ以上の説明が一切ない。どういう原理か興味あるのだけど。
・「プリブラムの考えはこうだ。 脳は、外界のエネルギーの波動パターンを一瞬にして分析する。それをホログラムと同じような方式で脳内に組織化する。その結果、組織化された記憶は脳の全体にちょうど干渉縞のように数学的に変換され、符号化される。」p.83 結局、メインテーマも他人の受け売り。さびしい。
・「東洋には胎蔵界曼荼羅というものがある。大日如来を中心にして、その周囲にたくさんの仏や菩薩を配したものだ。それらのすべてがいずれも大日如来の特性をもっている。なおかつ、全体も一つになって大日如来を形成しているのが曼荼羅だ。脳はまさに、この曼荼羅と同じような構造だったのである。」p.89
・「いったいその「秩序」とはどんなものなのか。彼(ボーム)はそのために、しばしばグリセリンを使った簡単な実験を紹介する。」p.94
・「真の「知」の働きは、直観的である。言葉による分析さえ必要としない。 われわれの脳は、物事を分析したり記憶したりするような、消極的な「知」のためにあるのではない。(中略)脳は究極的には、宇宙を創造し揺り動かすエネルギー、すなわち全体性に合一するためにあると見て間違いない。」p.196 力強いお言葉です。
・「われわれは一人一人は独自の存在だが、同時に宇宙と結びつく無数の波動に共振する複合体でもある。この全体性への合一こそが、真の創造性であり、精神的発達の最後の到着点なのだ。」p.197
・同じ怪しげな本でも、こちらはオリジナリティすらほとんど感じられない最悪の部類に入ると思われます。書題にある『テレパシー』についての記述は、わずか10ページ程度。いったい何についての本なんだか。
・こんな科学本には気をつけよう:やたら引用が多い、筆者が文系出身、数式が出てこない、etc.