若草物語, オールコット (訳)松本恵子, 新潮文庫 オ-1-3(3739), 1986年
(LITTLE WOMEN, Louisa May Alcott, 1868)
・『題名はよく聞くけど今まで手をつけていなかった世界名作シリーズ』です。当時の『少女向きの健全な家庭小説』として書かれただけあって、登場人物のやりとりを見ていると心が洗われるようです。
・しっかし、『LITTLE WOMEN』を『若草物語』と訳した訳者のセンスには脱帽。
・「虚栄心はあるが温順で信心深い長女メグ、独立心が強く活発な次女ジョー、心やさしくはにかみやのベス、無邪気でおしゃれな四女エミイ――ニューイングランドに住むマーチ家の四人姉妹は、南北戦争に従軍した父の留守宅で、母を助け貧しいながらも誠実さと希望をもって、懸命に暮らす。著者の少女時代を題材に、人間として成長していく四人姉妹の複雑で微妙な心の動きを捉えた感動作。」カバー紹介文
・「そこで娘たちは魔法使のおばあさんに、どういうおまじないをしたら幸福になるか尋ねたのです。すると魔法使がいうには、――あなた方が不満を感じ始めたら、自分たちの受けている恩恵について考え感謝の念をお持ちなされ――と答えました」p.89
・「人間は本のみにて生くるに能わずですよ」p.103
・「この図書館にいればわたし、こおろぎのように幸福だわ」p.104 おもしろい言い回し。
・「メグはいつでも気ままに温室の中を歩き、花束をいくらでも勝手に作ることができた。ジョーは新しい図書室の蔵書をむさぼり読み、独特の批評をしては老紳士をいきのつまるほど笑わせた。エミイは絵画を模写して心ゆくばかり美を楽しんだ。そしてローリイはこの上もなく愉快な様式で殿様の役割を演ずるのであった。 しかしベスだけはピアノに憧れているにもかかわらず、どうしてもメグのよぶ「至福の館」へゆく勇気がなかった。」p.116
・「最近わざわざ調律したと見えて、アップルパイのように調子がよかった。」p.125
・「そしてすべての能力の中で一番魅力のあるのは謙遜です」と母がこたえた。」p.138
・「「あなた方それが良いかどうか、一週間試しにやってごらんなさい。土曜日の晩にはきっと遊びばかりで仕事のないのは、働くばかりでなんの遊びもないのと同様におもしろくないことを発見するでしょうよ」 と母が答えた。」p.217
・「けれどもわたしの経験では、質素な小さい家で、毎日の糧を働き得てゆく、多少不足勝ちの生活の方が、わずかな楽しみを多く味わうことができると思うのです。」p.398
・「わたしたちがアイロンでも頭にのせていれば大きくならないのだといいわね。」p.399
?モスリン(英muslin) 毛織物の一つ。梳毛糸で平織りにした薄地で柔らかい風合のもの。また、それを模した布地。特に、綿糸で織られたものは綿モスリンという。唐縮緬(とうちりめん)。メリンス。モス。
?きょうかたびら【経帷子】 仏教の葬式で、死者に着せる衣。白麻などで作り、縫い目の糸はとめないでおき、衽(おくみ)や背には名号、題目などを書く。寿衣(じゅい)。経衣(きょうえ)。
?とき【鬨・時・鯨波】 1 合戦で、開戦に際し、士気を鼓舞し、敵に対して戦闘の開始を告げるために発する叫び声。大将が「えいえい」と発声し全軍が「おう」と声をあげて和し、これを三度繰り返すのが通例。また、戦勝の喜びの表現としても発した。鬨の声。 2 多人数の者が、一同にあげる声。
(LITTLE WOMEN, Louisa May Alcott, 1868)
・『題名はよく聞くけど今まで手をつけていなかった世界名作シリーズ』です。当時の『少女向きの健全な家庭小説』として書かれただけあって、登場人物のやりとりを見ていると心が洗われるようです。
・しっかし、『LITTLE WOMEN』を『若草物語』と訳した訳者のセンスには脱帽。
・「虚栄心はあるが温順で信心深い長女メグ、独立心が強く活発な次女ジョー、心やさしくはにかみやのベス、無邪気でおしゃれな四女エミイ――ニューイングランドに住むマーチ家の四人姉妹は、南北戦争に従軍した父の留守宅で、母を助け貧しいながらも誠実さと希望をもって、懸命に暮らす。著者の少女時代を題材に、人間として成長していく四人姉妹の複雑で微妙な心の動きを捉えた感動作。」カバー紹介文
・「そこで娘たちは魔法使のおばあさんに、どういうおまじないをしたら幸福になるか尋ねたのです。すると魔法使がいうには、――あなた方が不満を感じ始めたら、自分たちの受けている恩恵について考え感謝の念をお持ちなされ――と答えました」p.89
・「人間は本のみにて生くるに能わずですよ」p.103
・「この図書館にいればわたし、こおろぎのように幸福だわ」p.104 おもしろい言い回し。
・「メグはいつでも気ままに温室の中を歩き、花束をいくらでも勝手に作ることができた。ジョーは新しい図書室の蔵書をむさぼり読み、独特の批評をしては老紳士をいきのつまるほど笑わせた。エミイは絵画を模写して心ゆくばかり美を楽しんだ。そしてローリイはこの上もなく愉快な様式で殿様の役割を演ずるのであった。 しかしベスだけはピアノに憧れているにもかかわらず、どうしてもメグのよぶ「至福の館」へゆく勇気がなかった。」p.116
・「最近わざわざ調律したと見えて、アップルパイのように調子がよかった。」p.125
・「そしてすべての能力の中で一番魅力のあるのは謙遜です」と母がこたえた。」p.138
・「「あなた方それが良いかどうか、一週間試しにやってごらんなさい。土曜日の晩にはきっと遊びばかりで仕事のないのは、働くばかりでなんの遊びもないのと同様におもしろくないことを発見するでしょうよ」 と母が答えた。」p.217
・「けれどもわたしの経験では、質素な小さい家で、毎日の糧を働き得てゆく、多少不足勝ちの生活の方が、わずかな楽しみを多く味わうことができると思うのです。」p.398
・「わたしたちがアイロンでも頭にのせていれば大きくならないのだといいわね。」p.399
?モスリン(英muslin) 毛織物の一つ。梳毛糸で平織りにした薄地で柔らかい風合のもの。また、それを模した布地。特に、綿糸で織られたものは綿モスリンという。唐縮緬(とうちりめん)。メリンス。モス。
?きょうかたびら【経帷子】 仏教の葬式で、死者に着せる衣。白麻などで作り、縫い目の糸はとめないでおき、衽(おくみ)や背には名号、題目などを書く。寿衣(じゅい)。経衣(きょうえ)。
?とき【鬨・時・鯨波】 1 合戦で、開戦に際し、士気を鼓舞し、敵に対して戦闘の開始を告げるために発する叫び声。大将が「えいえい」と発声し全軍が「おう」と声をあげて和し、これを三度繰り返すのが通例。また、戦勝の喜びの表現としても発した。鬨の声。 2 多人数の者が、一同にあげる声。