ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

今週の細々したこと 2008.10.19(日)~10.25(土)

2008年10月25日 23時31分16秒 | 日記2005-10
皆様こんばんは。中国から戻ってまず食べたのはラーメンだったぴかりんです。

●10/19(日)
・中国旅行二日目
 朝から夕方まで秦皇島市内観光。老龍頭・天下第一関ほかを見学。夜は苫小牧・秦皇島市民交流パーティー。
  

●10/20(月)
・中国旅行三日目
 秦皇島にて、朝から夕方まで交流記念演奏会のリハーサル。夜に本番。
 

●10/21(火)
・中国旅行四日目
 早朝に秦皇島を出発し昼前に北京着。午後は、天安門広場・故宮博物院・万里の長城見学。夜は北京の繁華街を探検。
  

●10/22(水)
・中国旅行五日目
 早朝にホテルを出発し、昼には千歳空港に無事帰着。北海道は空気が美味しい。
 

・消えたキャップ
 苫小牧から室蘭への帰り道、いつもの白老のオカモトで給油しようとすると、「あれっ!?」 ガソリンタンクの内蓋がついてない。ガソリンスタンド以外で給油口を開けることはないので、ガソリンスタンドに忘れていったのではと店のおじさんに聞いてみると、倉庫からなにやらビニール袋を出してきた。中にはキャップがいっぱい。整備工場からもらったとかで、好きなのもってっていいよとのことなので、ありがたくいただく。しかし、元あったキャップはどこに行ってしまったのか。

●10/23(木)
・旅疲れ
 帰ってきた当日は何ともなかったが、一夜明けるとめまいがしてフラフラ。単なる飲みすぎ?

●10/24(金)
・論文推敲
 先日投稿した論文が整形されてメールで届き、原稿の最終確認。名前の間違いだけは直してもらわないと。しかし、メールには「24時間以内に返信のこと」の但し書きがあり、これが中国に行っている間に届いていたらと考えるとゾッとする。

●10/25(土)
・幻のタイヤ交換
 タイヤ交換のため、札幌の車販売店へ向かう。もう着くかというときに重大なことに気がついた。「冬タイヤのナット忘れた……」 という訳でタイヤ交換はまた後日。これが命取りにならなきゃよいのですが。論文の名前の綴り間違い然り、車のガソリンキャップ紛失然り、これまでに無かったミスが最近続出。危険な兆候。

・バイオリン修理完了
 なかなか取りにいく暇が無かった、修理に出していたバイオリンをようやく取りに行った。ネック部分に構造的な欠陥があるとのこと。弓一本毛換えと合わせて修理代金15500円ナリ。

・中国土産
 両親には中国土産は一切買わず終い。母親には撮った写真を見せつつ土産話をすること約2時間。とりあえず、満足してくれたらしい。

・本日の実家のツマミ
 手前より、刺身、肉じゃが、カブの酢漬けとホワイトアスパラにホタテ&ワサビ風味マヨネーズをかけたもの。

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【本】人間そっくり

2008年10月25日 11時14分27秒 | 読書記録2008
人間そっくり, 安部公房, 新潮文庫 あ-4-12(2329), 1976年
・「火星人は一体誰なのか?」 登場人物は二組の夫婦の四名のみ。物語は、ほぼ冒頭の命題について交わされる会話のみによって進行し、手に汗握る心理戦が展開される。
・"面白い小説" ってこういう作品のことを言うんだよなぁ……と唸ってしまいました。カバー裏では「SF長編」と紹介されていますが200ページ弱でそれほど長くはありません。また、初出は1967年で、約40年前の作ですが全く古さを感じさせない内容で、やや星新一や筒井康隆と似た雰囲気も有ります。
・「その奇妙な男は、ある晴れた五月の昼さがり、ミシンのセールスマンかなんぞのような、のどかな足取であらわれた。」p.5 書き出し。
・「まったく、誤解されたユーモアほど、みじめで無残なものはない。笑ってもらえなかった道化に残されている道は、ただ死か復讐あるのみだと、誰かが書いているのを読んだ記憶があるが……」p.15
・「何が飛び出してくるか分らない、そのトポロジー空間の出口のような受話器の口に、しばし気をうばわれたまま立ちつくしていたものである。」p.30
・「でも、そんなことより、この大きすぎる引力……引力なんて、慣れてしまえば、空気みたいなものだけど、わずか391ダインの世界から来た身にとっては、まるで、年中急上昇しつづけているエレベーターの中で暮しているようなものでしょう。それで、よく、エレベーターごと、ビルの天井をつきぬけて、宇宙の果にほうり出されてしまう夢を見たりするんです。あの感じ、もうれつに孤独なんだなあ。火星人は、地球で暮していると、どうしてもノイローゼにかかってしまうんですよ。」p.39
・「ほらまた嘘! 先生、おねがいですから、ぼくをこれ以上苛立たせないで下さいな。ベッドの下に薮蚊が巣をつくったみたいな、嫌な気分になってきた。」p.48
・「真剣な対話というものは、すばらしい精神の体操みたいなものですね……」p.62
・「そんなこと、出来っこないじゃありませんか。公理が証明不可能なことは、初等幾何学の第一課に書いてあることですよ。証明できるのは、事実の関係だけで、事実そのものの証明なんて、犬は犬なり、というのと同じことじゃないですか。」p.63
・「臆病な犬ほどよく吠えるというが、その臆病さのおかげで、犬はしばしば、身の安全を保つことが出来るのだ。」p.69
・「べつに面倒なことはいらないんです、ぼくをモデルにして、今日体験なさったことをそのまま書けば、それで一丁あがりですよ。けっこう、しゃれた、現代風の短篇になると思うな。結末だって、適度にワサビのきいた、風刺的な味をもっているし……」p.80
・「ついでに、ほら、先生のペンネームも考えておいたんですけど……甲田申由(こうださるよし)……いかがです?」p.83
・「神経の被覆が、全体にわたっていぶりだす。味がするような皮膚の火照りが、地図になって拡がりはじめ、掻けば、掻くほど、相手の領分を拡大してやるだけのことだと、百も承知していながら、しかも掻かずにはいられないのだ。」p.141
・「と、いつの間にやら、また元の場所に戻って来てしまっている。同じところばかりを繰り返す、古レコードのような執念深さに、今度は僕の方が、殺虫剤に酔った虫のような気分になってしまっていた。そして、つぶしたはずの虫の方は、むっくりと事もなげに起上がり、顎を鳴らして詰めよってくるのだ。」p.149
・「大きな嘘を隠すには、小さな無数の嘘で、そのまわりをくるんでやるのが一番だという。」p.159
・解説(福島正実)より「安部さんは、繰り返し、私に、SFを、動物園の檻の中の猛獣にしてしまうことの愚を説いた。」p.182
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【食】うまいもんや やまさ [居酒屋@札幌]

2008年10月24日 22時16分16秒 | 外食記録2008
うまいもんや やまさ [居酒屋@札幌][HomePage][Yahoo!グルメ]
2008.9.14(日)16:30入店(2~3回目)
注文 ラム ロース ジンギスカンコース + 飲み放題 会費3500円

・札幌西区オーケストラのファミリーコンサートの打ち上げにて。100名近い人数を収容する宴会場があるのはここくらいということからか、西区オケの打ち上げでよく使われるお店。通称 "やまさ会館"。

・西区民センターから見て丁度裏側の、車通りの多い道沿いにあります。
・広い宴会場は階段を登って二階。
  
・この日のメインはジンギスカン。山盛りのもやしがステキです。鍋は4~6人に一つの割合。車なのでビールが飲めずツライ。
 
・何故かジンギスカンのタレは置いてませんでした。「肉は味付きなんだからそのままでOK」ということなのでしょうか。しかし、肉しか食べないならそれでも良いかもしれませんが、野菜は無味です。やはりタレがほしい。。。

・サラダ。
 
・ナスとピーマンの中華風炒め物、挽き肉あんかけ。辛すぎ。おそらくこの味のアンバランスさは味見せずに調理のため。

・型に詰めて作ったおにぎり。何だか味気無い。「味や雰囲気よりも効率優先」というお店の方針を象徴する一品。

・鳥串と豚串。

・次の用事(札幌市民オケ練習)があったので途中で失礼しました。まだこの後料理が出ているかもしれません。部屋を出ると、ジンギスカンの煙で廊下が白く霞んでいました。
・今回、メニューは撮れず終い。
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【写】チャラツナイ展望所(室蘭)

2008年10月24日 08時02分30秒 | 撮影記録2008
●チャラツナイ展望所(室蘭) 撮影日 2008.8.8(金) [Yahoo!地図]

・有名な地球岬への入口より更に1kmほど奥に進んだ場所にある観光スポット。ちょっとした駐車場と、ちょっとした展望台があります。
 
・展望台までは階段をちょっと登るだけ。

・『地名由来板』
  
・展望所と言いつつ、周りには木が生い茂り、崖下の奇岩群は木の葉の合間から覗き見る格好になっています。
 
・展望所を降り、そばにあるチャラツナイ橋へ。橋の向こうには下の北大の室蘭臨海実験所へ降りる道がついています。
  
・橋からの眺め。むしろ展望所からより、こちらからの方が見晴らしが良いです。
   
・奇岩群のアップ。
 
・中央の奇岩群は、まるでオットセイかアザラシの家族が寄り添っているように見えます。
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▲閉店【食】さっぽろラーメン 桑名 本店 [ラーメン@札幌]

2008年10月23日 22時10分46秒 | 外食記録2008
▲閉店 建物老朽化のため閉店 [2013.4.23記]
さっぽろラーメン 桑名 本店(くわな ほんてん)[ラーメン@札幌][HomePage][食べログ]
2008.9.14(日)11:45入店(初)
注文 とんこつ 840円

 
・オケ練習の合間にブラブラ歩いてたまたま見つけたお店。琴似の裏通りの目立たぬ場所にあります。西区民センターからだと、歩道橋を向こう岸に渡り神社とカレー店『ぱお』の間の道を直進、突き当たったところを左に折れてすぐ。因みに隣には『室蘭やきとり』のお店が入っていました。
 
・店内はイス席2卓とカウンター8席で、それほど広くはありません。

・普段あまり口にすることのない、とんこつラーメンを注文。特にとんこつが嫌いと云うわけではないのですが。
 
・出てきたラーメンを見てギョ!? 謎の黒い粒子が浮いています。ゴマかな?? 特に味がするでもなく正体不明。具はチャーシュー、長ネギ、メンマ、おそらくキノコと思われる謎の物体など。

・特注品(自家製麺?)と思われる麺も独特の風味。量はやや少なめ。
・スープのキメが細かくて口当たりがよくとっても上品な味です。無理なく全て飲み干しました。メニューを見て「高い!」と感じるかもしれませんが、価格相応の美味しさだと思います。ラーメンを本当に "美味しく" 作ると、これくらいのコストはかかってしまうのかもしれません。後で調べてみるとわりと有名なお店のようです。

 
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無事帰着

2008年10月22日 13時18分29秒 | 日記2005-10
皆様こんにちは。朝昼晩・三食中華料理の旅から無事戻ったぴかりんです。

とりあえず生存のご報告。
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[追記]
自宅に帰り着き、中国で撮った写真を眺めつつ(写真の)反省会。4泊5日の間に撮った写真は1800枚ちょい。紫禁城や万里の長城なんかでは、「おっ!?」という写真がいくつか。公開は来年になってしまうかもしれませんが、気長にお待ちください。
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更新お休み

2008年10月18日 13時11分41秒 | 日記2005-10
中国行きに伴いブログ更新しばらく止まります。
もしかしてホテルにインターネット設備があったりすれば更新の可能性もありますが、あまり期待できません。基本的に音信不通です。
これから14時千歳空港発。10月22日(水)の昼に帰着予定。

千歳空港にていきなり中国出張の研究室ボス一行と鉢合わせるハプニング。遊びになんか行ってる場合じゃないところ、気まずさ満点。
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今週の細々したこと 2008.10.12(日)~10.18(土)

2008年10月18日 09時10分12秒 | 日記2005-10
皆様こんにちは。中国みやげを何にしようか頭を悩ませているぴかりんです。食べ物はイメージ悪すぎるし。。。

●10/12(日)
【練】苫小牧定演本番前日練習
 苫オケの練習で一日つぶれる。

●10/13(月)
・告別式参列
 苫小牧に向かう前に、先日無くなった知人の告別式に参列。

・カメラマン ~苫オケ定演
 演奏会打ち上げのシメの集合写真撮影をまかされた。失敗の許されない状況ですが、冷静さを失ってしまい、後で確認すると酷い写りっぷりでした。帰りの車中では演奏会より写真の反省しきり。

●10/14(火)

●10/15(水)
・雪虫
 近所で雪虫発見。そろそろ車のタイヤを替えないと。

・時計の電池切れ
 自宅の壁掛け時計の電池が切れた。替えが無かったので時計を外しておいたところ、その何もない壁をチラッと確認することの何と多いことか。

【練】中国カルテット練習
 中国へ渡る苫オケ有志のカルテットの練習、三回目(最終回)。私はビオラで参加。交流パーティーと記念演奏会でロビーコンサートを行う予定。

●10/16(木)
・プログラムのミス
 何故だかプログラムが動かない。シンプルな記述でどう見ても間違っていないのに、計算機はがんとして受け付けず。結局原因は、行列の記述を a[i][j] と書くべきところを a[i, j] と書いていた、つまりは c なのに R の書式で書いていたという考えられない凡ミス。たったこれだけのことで数時間悩んでしまった。

●10/17(金)
・論文のミス
 先日投稿した論文に驚愕のミスを発見。なんと自分の名前のつづりを間違えていた。何度見返したか分からない文章なのに……ありえな~い。まだ修正利くんだろうか。

・雷
 寝ようとすると、地響きのするようなすごい雷が数回発生。

●10/18(土)
・いざ中国(北京・秦皇島)へ
 いろんな事が降りかかり、てんやわんやな今日この頃。ちょっと海外逃亡してきます。では皆様お元気で。
 
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【食】御膳蕎麦 美濃屋 [和食@札幌]

2008年10月17日 22時25分20秒 | 外食記録2008
御膳蕎麦 美濃屋(ごぜんそば みのや)[和食@札幌][食べログ]
2008.9.13(日)18:05入店(初)
注文 もりそば 560円

 
・札幌の南区から小林峠や盤渓を抜けて西区(福井)に抜けた下り坂にあるお店。左隣にはセブンイレブンがあります。
 
・店内はイス6卓に座敷2卓。客の姿は無し。

・あまりお腹が空いていなかったのでもりそばを注文。
  
・白くて細くて長い麺。そうめんのようにチュルチュルすする。温かいそばもこの麺なのでしょうか。半分ほど食べたところで飽きが来て、おかずが欲しくなりました。

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【本】東京ゲノム・ベイ計画

2008年10月17日 08時06分16秒 | 読書記録2008
東京ゲノム・ベイ計画 日本に託された人類の未来, 新井賢一, 講談社+α新書 102-1C, 2002年
・『東京大学医科学研究所所長』の肩書きを持つ著者の、「遺伝子産業を核に、日本を世界最高の技術立国にしよう!」という力強い提言。遺伝子の仕組みなど科学的な記述はほとんど無く、『科学書』というよりは『ビジネス書』の傾向が強い。本書の出版当時はまだ具体的な計画やスケジュールがあるでもなく、「こんな風になったらなぁ」という個人の希望の段階です。その後数年経っていますが、この計画がどうなったのかはよく分かりません。
・「本書において著者が強調したいことは、「東京ゲノム・ベイ」の形成を通して「価値の消費から価値の創造へ、目標追跡から目標創造へ、国内向けから世界を相手に」、教育・研究・開発の歴史的転換を成し遂げ、研究成果を付加価値の高いゲノム産業の創出に効率良く結び付けることである。」p.6
・「日本は模倣が得意だといわれるが、独創性はもっと優れている。過去にも優秀な人材を輩出し、独創性とベンチャー精神を発揮させる土壌があった。その中から生まれた革新的な科学技術が、世界レベルで健康分野に大きく貢献してきたことは、多くの人が知るところだ。」p.20
・「明治の世界的な研究と業績は、こういった背景があればこそ成し遂げられたことだ。そして、21世紀のゲノムの新時代も、世界から頭脳を受け入れ、力を合わせて研究・開発を進めていってこそ、世界を引っぱっていけるだけのポジションに立つことができるのだ。  そのために、今から始めなければいけないのが、国内から世界に視野を広げたアジア・環太平洋地域の国際分子生物ネットワークであり、世界の頭脳を集結させる「東京ゲノム・ベイ計画」なのだ。」p.22
・「すなわち東京の問題は、「一極集中」自体が原因であるというよりも、集中しても有効に機能しない縦割り行政が問題なのであり、これこそ日本の抱える問題の象徴なのである。」p.25
・「国は細かく規制をするのではなく、開発がフェアに行なわれる土俵さえ提供していればいい。(中略)オリンピックにたとえるなら、競技場は国が作るが、ここで競技を行う選手は官僚ではない。選手は個々の研究者であり、ベンチャー企業であるといった考え方だ。」p.28
・「これまでの薬の開発の過程を見ると、画期的と評価される新薬は、長期間の研究開発と膨大な費用を必要とした。かつては10年、100億円といわれたものだが、今では日本においては300億円もの投資が必要となっている。これだけの投資を行っても、実際に新薬が生み出される確率は、候補となる化学物質の2%ほどでしかない。それが短期間で、安価に、しかも高い確率で開発できるようにもなるのだ。」p.35
・「ポスト・ゲノムの基礎となるのはゲノム解析によって得られたデータだが、知識をベースにして産業を興していく立場にとってラッキーだったのは、この基礎データに特許が認められなかったことだ。」p.38
・「個人の特性に対応するオーダー・メイド医療は、医科学研究の中で、常に強く求められてきたことだ。  たとえば、抗がん剤は、末期の段階では、どの患者にも必ず効果があるというものは、まだ存在していない。」p.53
・「生命科学と情報科学は、1940年代まではかけ離れた学問であった。それが50年代に入って遺伝子の研究が進み、遺伝子という鋳型の生化学が入ることで、生命科学もデジタルな直線的な情報の時代へと移り、学問として情報科学と結びついた。情報科学と生命科学が結びついたことで、それまでアナログ的な説明が多かった生命系の現象について、鋳型概念から遺伝暗号、タンパク質合成の翻訳の場としてのリボソームと研究が進む中で普遍的に説明できる可能性が生まれてきたのだ。」p.58
・「私たちが科学を認識できるのは、脳の働きによるものだ。人間の脳も細胞の集まりであり、遺伝子により制御されている。その遺伝子により制御される細胞集団が、なぜものを考えることができるのか、はたして遺伝子の違いによって考え方に違いが生まれるのか、遺伝子の集まりである細胞が認識した知識とは何なのか、という疑問が生まれている。」p.59
・「日本が重要な貢献をできるかどうかは、ITとバイオ・テクノロジー(BT)と融合させたBIT、さらにはナノテクノロジー(NT)を融合させたBINTともいうべき新領域の進展にかかっているといえるのだ。」p.62
・「「ポスト・ゲノム」の研究は生活に直結する実用研究を含むが、その研究の柱の一つは、解析されたゲノム・データから有用な遺伝子を見つけ出すことであり、もう一つの柱は医薬品の開発に直結する疾患遺伝子の解析と、タンパク質の立体構造の解析だ。」p.69
・「ゲノム・データから遺伝子を見つけ出すには、バイオ・インフォマティクス(生命情報工学)と呼ばれる高度な情報処理技術が必要となる。バイオ・インフォマティクスは、約30億文字からなる膨大なヒト・ゲノムをコンピュータを駆使して読み解いていく、新たな研究分野だ。つまり、BT(バイオ・テクノロジー)とITが結合した新分野というわけだ。」p.70
・「このようにゲノム医科学は、生命科学と技術開発の進展にともなって、その対象を拡大しつつあり、バイオ・ベンチャーもそれに対応して「機能遺伝子発見型(第一世代)」から、「創造技術開発型(第二世代)」、「情報集約型(第三世代)」などに変化してきた。」p.86
・「縦型社会の日本から、横型社会の外国に出た場合、初めこそカルチャー・ショックを受けるだろうが、自分が主体となっていけばいいことなので、時間の経過とともに慣れていく。ところが、いったん横型社会に慣れた研究者が縦型社会に戻るとなると、これが難しい。世界で学んだ日本の頭脳が、海外にとどまったまま戻ろうとしない大きな理由が、ここにある。」p.104
・「日本でベンチャーが育たないのは、承認手続きに時間がかかりすぎることが、大きな理由として指摘されている。」p.119
・「アメリカではNIHが開発側で、FDAが規制側という役割分担がしっかりしているが、日本の各省庁は開発側に資金を提供しつつ、安全性の規制も行っている。前にも、たとえとして示したことがあるが、「開発側=競技選手」「規制側=審判」であり、日本の仕組みは、相撲とりが行事を兼ね、審判が野球選手に変身するようなものだ。  多くの省庁が審判とプレーヤーの両方を行っているから、ゲームのルールが極めてわかりにくい。」p.130
・「日本の製薬会社の中で最もゲノム創薬の研究がすすんでいるのは、最大手の武田薬品工業だ。20年前から生物工学研究所を設立してバイオ関連研究に取り組み、これまでに取得した遺伝子関連の特許も日本で最も多い。」p.164
・「それは遺伝子工学の父であり、ノーベル賞受賞者であるアーサー・コーンバーグ博士の「必要が発明の母であることは滅多にない。むしろ真の発明が必要を生むのである」という言葉だ。」p.210
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