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シリーズ3作目…♪

2019-11-11 09:51:34 | Weblog
シリーズ3作目です。

               

『九紋龍 羽州ぼろ鳶組 今村翔吾著 祥伝社文庫
相変わらず源吾さんはじめぼろ鳶組の面々は縦横無尽の大活躍です。
本作では、池波正太郎作『鬼平犯科帖』でいうところの“畜生働き”の盗賊の動きが背景にあります。
今回の主役はに組の頭辰一
巨漢怪力凶暴でかなり特異な人物ですが、火消しとしての腕は折り紙つき。
辰一の大活躍により火を消し止めることが出来るのです。
源吾さんは火事場での戦い、盗賊との戦いに加えて今回は藩の上層部とも戦わねばなりません。
家老の北条氏が国元で病に倒れたため、代理として藩主の御一門が出府します。
戸沢正親殿十七歳、藩主の従兄にあたる人物でご連枝様と呼ばれます。
逼迫した藩財政を建て直すべく、火消しの経費を削減するとか、人数を減らすとか、方角火消のお役目を返上するとか言いだして…
源吾さんは当然抵抗しますが、ご連枝様の方も幾分考えを変えつつあるような…。
ともあれこのご連枝様、決してバカ若殿ではありません。
そして終盤、源吾さんの奥方深雪さまの面目躍如というところです
藩財政再建のため新庄藩では商品作物や工芸品に力をいれています。
それらの品を商人たちに披露し買い取らせるお披露目会を予定しているのに、肝心の家老は国元で病の床にある。
そこで白羽の矢が立ったのが深雪さま。
メーカーとバイヤーとの商談の場と言うべき座を取り仕切ります。
結果、すべての品が相場の倍という高値である商人に買い取られるのですが、それに一役買ったのがご連枝様で大したお方です
このお方と源吾さんとの今後の関わりがどうなっていくのかも楽しみです。
さて、3作読んだところで整理してみると…。
老中田沼意次、元火付盗賊改め方長官長谷川平蔵、一橋治斉の三人が重要人物です。
シリーズ1作目から黒幕は一ツ橋で、我が子を将軍にしたいという野望を抱いています。
それを妨げる田沼を陥れようと一橋の手の者が暗躍し、また田沼が信頼する長谷川平蔵を京に赴任させて遠ざけたりしています。
黒幕一橋との闘いが通底しているし、長谷川さまは京にいるしで、想像以上に舞台が大きいようですよ。
あ、この長谷川さま、池波正太郎作『鬼平犯科帖』の主人公長谷川平蔵さまのお父上だそうです。
犯科帖の平蔵さまは長谷川宣、こちらは長谷川宣ですもんね。
コメント
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