■ 柏市など東葛地区の乳幼児16人中8人から「末梢血リンパ球異常」。検査医師は子どもの避難を勧告 ■
阿修羅を見ていたらこんな記事を見つけました。
誤解の無い様に全文引用させていただきます。
柏市など東葛地区の乳幼児16人中8人から「末梢血リンパ球異常」。検査医師は子どもの避難を勧告
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/558.html
<引用開始>
柏市など東葛地区の乳幼児16人中8人から「末梢血リンパ異常」。検査医師は子どもの避難を勧告
【ただちに危険だ! 原発通信】№43
2012.3.11「100万人デモ」でただちに全原発廃炉だ!
これを書いているぼくの身体中に悪寒と鳥肌がたっている。こうなるのでは、と危惧していたことではある。だが、いざこういった厳然としたデータが明らかとなると、つまり現実のものとなると、その恐怖心は「危惧」と比較にならないほど大きい。しかもその「恐怖の現実」は始まったばかりなのだ。
チェルノブイリ周辺の子どもたちに起きたことが、フクシマで起こらないわけがない。柏市など東葛地域は高濃度汚染地帯だ。この辺りは日本のベラルーシであり、ウクライナではないか。
この検査結果を発表したのは、「放射能健康相談.com」で、ホームページには3名の監修医と賛同人として肥田舜太郎(被爆医師)氏の名が掲載されている。
末梢血リンパ球異常が見つかったのは、放射能被曝を心配して来院した人のうち61名の血液検査結果によるもの。そのなかの高線量地域である東葛地域の人は26名で、この地域のなかから零歳児から幼児16名のうち8名、小学生2名のうち1名が「異常」だった。なお中学生から大人8名は異常はなく、その他の地域35名からも異常は出ていない。
その「異常」の子ども8名は「柏4歳 柏2歳 三郷2歳 柏2歳 草加4歳(骨髄球も+) 江戸川1歳 台東7歳 野田2歳(異型リンパは無いがリンパ球数10000以上)」となっており、放射線被曝との関連はきわめて濃厚である。
また、「東京近郊の高汚染地域に住み続ける子供たちから、将来健康被害が高率に出る事を心配しています」「親に意見を求められた時には、避難を進めています」と、同ホームページには記されている。
なお、被曝の医療検査のなかで、末梢血リンパ球の分析は細胞遺伝学的に最も有効な手段である。
●放射能健康相談.com 診察室より
▶詳細は「秋場龍一のねごと」をご覧ください。
http://akiba1.blogspot.com/2012/03/8.html
<引用終わり>
■ リンパ球数の正常値は,成人で1000〜4800/μL;2歳未満の小児で3000〜9500/μLである ■
「リンパ球数の異常」が問題なのですから、
正常値がどの位なのか気になる所です。
リンパ球数の正常値は,
成人で1000〜4800/μL;
2歳未満の小児で3000〜9500/μL
6歳で正常値の下限は1500/μL
記事では「異常」の数値を「10000以上」としている様です。
■ リンパ球は風邪などをひくと増える ■
リンパ球は風邪など感染症に掛かると増えます。
大人でも風邪をひいた時に病院で(不必要な)血液検査をしますが、
その時、白血球やリンパ球の数が増えていて驚きます。
「ウァー、俺って白血病じゃないか」と不安にありますが、
白血球数やリンパ級数(白血球数のうちの20~40%)が増えるのは
ウィルスの侵入に対する体の正常な免疫反応です。
個人差はありませすが2歳児以下ではリンパ球数の基準値は3000~9500であり、
10000を超えたからといって、別に心配には及びません。
風邪を引いたりしてリンパ級数が増大している可能性が高いのです。
又、アレルギーを持っているとリンパ球数は高めになります。
■ このデータの信憑性はどの程度あるのだろうか? ■
今回の記事の出所がは検査医師の方の様です。
放射能健康相談.com 診察室より No.12012年3月4日 発行
http://www.houshanousoudan.com/extra/no1
サンプル数は60と少ないのですが、
このデータだけを見ると、ホットスポットで幼児のリンパ球数が
優位に上昇している様に見えます。
しかし、このデータでは「異常」とされた幼児のリンパ球数が
どの位の値を示していたのか不明です。
(訂正)
このデータからはホットスポットと呼ばれる地域での
「異型リンパ球」が、他の地域に比べ有意に多い事が分かります。
「異型リンパ球」は感染症やアレルギー、自己免疫疾患によって増大います。
(訂正終わり)
「首都圏で放射能の被曝を心配され、来院した」方のお子さんが完全に健康だったのか、
それとも体調に不安を訴えたので親が病院に連れて行ったのかが不明です。
「結膜炎、副鼻腔炎、皮膚炎で悩んでいる人がやや多く」と書かれているので、
アレルギー疾患を持った子供達が多いように思われます。
アレルギーを持っていれば、当然リンパ球数は高くなります。
この様に元になるデータのサンプルが少なく、
その選択がランダムなのか、不調を訴えての来院なのかも判断出来ない資料で
「放射線によりリンパ球数異常」が発生したとは判断しがたいものがあります。
仮にも医療に携わる方が、こういった「不安を煽る」情報をたれ流すのは
如何なものかと私は疑問も思います。
■ 放射線は免疫を活性化するので、リンパ球が増えてもおかしくない ■
今回は大人の異常者が見当たらないので、
幼児に対して10000を基準として「異常」とした事に問題がありそうです。
柏や葛飾付近の所謂「ホットスポット」程度の放射線が
人体に影響を与えるとも想像し難いのですが、
低線量率の放射線は免疫系を活性化しますので、
ある程度の量を超える放射線を浴びると、リンパ球などが増加します。
しかしこれは正常な免疫反応であり、
活性酸素の増加によって増加するDNA異常細胞を除去する反応です。
多分、放射線でなくてもジョギングなどで活性酸素が増えても
リンパ球は増大します。
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/3045/1/p135.pdf
要は低線量率の放射線は、ジョギングと同様に活性酸素を増大させ、
その結果、NK細胞など免疫系を刺激して、健康を促進するのです。
但し、その結果、アレルギー反応が高まる事も否定は出来ません。
■ 「無知な善意」は「暴力」に繋がる ■
ネットで無責任な情報をたれ流している私が言うのも何ですが、
「無知な善意」は「暴力」にも等しい事を理解する必要があります。
今回の記事をネットで拡散させている多くの「善良」な人々が、
ちょっと調べれば分かる、「リンパ球数の正常値」すら調べない事を腹立たしく思います。
彼らは「自分たちは専門でないから」言うのでしょうが、
それによって「不安を覚える人」が大勢居る事に思い及ばないのでしょう。
■ ネットを疑え ■
本日の記事は不確実な情報で「金融危機が来る」と煽っている
自分自身への戒めでもあります。
ネットの情報はかくも「いい加減」なものであり、
基本的に「疑いの目」を持って、その情報を見る事が重要です。
そして、自分なりに幾つかの情報に目を通す事が大事なのだと思います。
ですから、皆さん、私のブログも十分に疑って読んで下さい。
<追記>
ご指摘を頂いたので追記いたします。
阿修羅が引用する記事では「リンパ球異常」が「異型リンパ球」とい判別できませんが、
「放射能健康相談.com 」さんのページでは1人を除いて
「異型リンパ球」であると読み取る事が出来ます。
他人の批判をしておいて、自分が間違えていました。
「異型リンパ球」も、感染症やアレルギー、自己免疫疾患などで発生します。
ですから、「異型リンパ球」が認められるからといって、
即、「放射線の影響」と断言する事は出来ません。
60人などという少ないサンプルでは無く、
無差別に抽出した、もっと数の多いサンプルでの結果を知りたくなります。
さらに、感染症の影響を排除する為には、
一回の計測では無く。複数化の計測が必要かと思います・
いずれにしても、ホットスポットと言われる柏などの放射線レベルで、
免疫系に変化が現れるとも思えないのですが・・・。
(これは主観です)