■ この人が出てくると応援したくなる ■
「頑張れベアーズ」ではありません、
前連邦預金保険公社FDIC総裁、シーラ・ベアーであります。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20090811/mr_bailoutより引用
<引用開始>
「シーラ・ベアは最低だ。まあ、それは今に始まったことではないが、それでもウェッセルの本は、ベアが本当に不愉快な規制当局者であることを改めて納得させてくれる。彼女はバーナンキ、ガイトナー、そしてポールソンの金融システムを救おうとする努力を、あらゆる機会を捉えて駄目にしようとした。それ以前に彼女は、ワシントンミューチュアルの債券保有者にパニックの真っ最中に巨額の損失を蒙ることを強いるという途轍もないミスをしでかした。他の規制当局者が、すべての救済計画から彼女を締め出そうと躍起になったのも無理はない。彼女の銀行での業務経験はなんと合計0年であり、彼女は一つのことしか気にしていない:彼女のイメージだ。この歩く列車事故がFDICから去るのは早ければ早いほど良い。」
<引用終わり>
前連邦預金保険公社FDIC総裁であたシーラ・ベアー氏は、
どうやら大変「煙たい」存在の様です。
リーマンショックで破綻する地方銀行を、
粛々と処理していった彼女には強い意志の様な物を感じました。
ブッシュ政権からオバマ政権と、彼女はFDICを率いて孤軍奮闘しました。
そして彼女の頑な姿勢は、多分金融業界を甘やかす勢力からは邪魔に写るのでしょう。
一方で彼女を賞賛する声もありました。
<上記ブログより引用>
「シーラ・ベアはウェルズからワコビア買収のより良い提案を引き出したが、その前にはシティと有利な交渉を進めていた。
彼女はワコビアとワシントンミューチュアルの債券保有者に損させることを厭わなかった。
彼女はガイトナー/ポールソンの救済の努力に反対し、PPIPを葬った。
彼女は銀行での業務経験が0年である。
私に言わせれば、神よ彼女を祝福したまえ、それはまさに我々が規制当局者に必要とする資質だ。米国民よりは債券保有者に損を負わせる意志。米国の銀行業界を助成するのではなく、規制しようとする意志。気骨。>」
<引用終わり>
という事で何が言いたいかと言うと、
私は彼女の勇ましいお姿が大好きなんです。
・・・ただそれだけ。
■ ゴールドマンサックスに噛み付いたベアー ■
FDIC総裁を退いた後、あまり噂を聞かないな・・そう思っていたらこんな記事が。
「米ゴールドマンの資本還元拡大は禁止を-前FDIC総裁」(Bloomberg 2012.03.16)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M0YRHH6JTSE901.html
<引用開始>
3月16日(ブルームバーグ):米投資銀行ゴールドマン・サックス・グループは米連邦準備制度理事会(FRB)のストレステスト(健全性審査)でレバレッジが過剰であることが示されたため、増配や自社株買い戻しを禁止されるべきだと、ベアー前連邦預金保険公社(FDIC)総裁は指摘した。
FRBが今週発表したストレステストの結果によれば、ストレステストのシナリオでは金融機関4社のレバレッジ・レシオが4%を下回った。そのうちシティグループとメットライフの2社はFRBから増配や自社株買い戻しを禁じられたが、残りの2社であるゴールドマンとモルガン・スタンレーは資本計画の承認を受けた。
ベアー氏は15日のインタビューで「レバレッジ比率を4%割れの水準に押し下げるような配分は承認されるべきではない」と述べ、「レバレッジが1対25なら、危機に陥れば、これらの銀行は取り付け騒ぎに見舞われるだろう」と語った。
同氏は昨年7月のFDIC総裁退任前に、レバレッジ比率が国内外の銀行規制でより重視されるよう働き掛けていた。同氏の主張は当初はバーゼル銀行監督委員会に受け入れられたものの、欧州連合(EU)がその後難色を示してきた。
レバレッジが高いと資産価格の少しの変化でも資本が吹き飛び支払い不能になる恐れがある。FRBはストレステストでレバレッジ比率の基準を米国の法律で最低限とされる3%とした。ゴールドマンとモルガン・スタンレー、シティグループは3%のグループに入っていた。
2008年のベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻の際に両行の単純なレバレッジは1対33強(レバレッジ比率で3%未満)だった。ベアー氏によると、市場の混乱時に投資家が注目するのはリスクベースの資本指標ではなく、レバレッジ比率だと指摘した。
<引用終わり>
良くぞ言ってくれました。
スカっとします。
■ ゴールドマン帝国に立ち込める暗雲 ■
最近ゴールドマンの旗色が悪いようです。
業績も振るわないようですが、
要職の社員が次々に退社しているという噂です。
そして昨日はワシントンポスト紙が、元ゴールドマン社員の投稿を掲載しました。
「米ゴールドマン退社社員が経営陣を批判、NYT紙に寄稿」(ロイター 2012.03.15)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE82E00220120315?feedType=RSS&feedName=topNews
<引用開始>
[ロンドン/ニューヨーク 14日 ロイター] 米金融大手ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)を退社する社員が、14日付のニューヨーク・タイムズ紙に経営陣を批判する手記を寄稿した。同社の社員が新聞紙上で経営陣を批判するのは極めて異例。
寄稿したのは同社の株式デリバティブ部門に勤務していたグレッグ・スミス氏。
同氏は手記のなかで、ゴールドマンが「かつてないほど有害で破壊的になっている」と指摘。「容赦なく顧客を食い物にする姿を見て気分が悪くなる。この1年で5人のマネジングディレクターが自分の顧客を『muppet(操り人形、英国では「愚か者」を意味する俗語)』呼ばわりしていた」と批判した。
ゴールドマンは短い声明を発表し「今回表明された見解は、当社の経営手法を反映したものではなく、同意できない。顧客が成功しなければ当社の成功もないというのが当社の見解だ。当社の行動の根幹にはこの根本的な事実がある」と反論した。
金融規制改革法の成立に尽力したバーニー・フランク下院議員はロイターに対し、金融規制改革に反対している金融業界に「大きな影響」があるだろうと指摘。「ゴールドマン・サックスなどは、顧客と経済全体にどのような貢献をしているのか説明する責任がある」と述べた。
この日のゴールドマン株は3.3%安で終了した。
スミス氏のゴールドマンでの肩書きはエグゼクティブ・ディレクターだったが、同社には約1万2000人のバイスプレジデント、エグゼクティブ・ディレクターがおり、従業員約3万3000人の36%がスミス氏と同様の肩書きを持っている。
スミス氏のコメントは取れていない。
<引用終わり>
この記事は世界中で注目されています。
リーマンショック後も一人勝状態にあったゴールドマンに対て
急に風当たりが強くなってきた様に思えます。
この事が何を意味するのか?
シティーバンクもストレステストに不合格だった様ですし、
アメリカの金融界で何か大きな変化が起きているのでしょうか?
JPモルガンあたりへの非難が高まれば、
何となく傾向が見えそうです。
そして、アメリカの国民銀行のバンカメが擁護され、
バンカメにメリルリンチやカントリーワイドを押し付けた
ガイトナーやバーナンキの責任追求が始まれば、
ちょっと面白い事になるかも知れません。
この様な事態に発展すれば、一部で噂される
デービット・ロックフェラー(シティーバンク)や
ジェイ・ロックフェラー(ゴールドマンサックス)の失脚の情報も
信じられる様になるかも知れません。
真相は闇の中ですが、ゴールドマンの動向に要注意です。
<追記>2012.03.18
出ましたね。
今度はJPモルガンの現役社員から
米国商品先物取引委員会(CFTC)へ、内部告発!
但し、CFTCのホームページからは直ぐに削除された様です。
http://americankabuki.blogspot.jp/2012/03/jp-morgan-chase-whistleblower-tells.html
「ゴールドマンサックス同様詐欺的な手法が行なわれている」
「1兆ドル以上のデリバティブを隠し、ギリシャ危機による金融崩壊を恐れている」
「バランスシート上の負債が調査対象になっていないのはおかしい」
「私は正直に全従業員に上記の内容を告発し、弁護士と連絡を取ります」
ってな内容の様です。
・・・なんだかなー。
何かが起きていそうだけれど、フェラ組の悪あがきという線もあるし・・・。