■ 何だか似てきた北朝鮮とギリシャ ■
洋の東西で何だか似た国があります。
共に半島国家です。
一方の国は、破綻しそうで、
なかなか破綻しません。
もう一方の国は、破綻しているのに、
破綻しません。
両方の国とも、時々騒いで世界から支援をもらいます。
支援をもらうと、すぐに騒ぎを起します。
どちらの国も、可愛そうなのは国民です。
破綻してやり直す事が許されないのですから・・・。
■ ギリシャ国債、50%の損失ならば悪くない ■
3月20日危機説はどうやらガセだった様です。
危機説の原因の一つともなっていたギリシャ国債のCDSの入札も順調だった様です。
「ギリシャCDS清算入札、市場の不安根強く」(2012.03.20 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPTJE82I01620120319
1) ギリシャのCDSの支払い総額はは25億ドル
2) 1ユーロ当たり、21.5セントの支払い
ギリシャ救済に当たっては民間銀行も実質75%の債権を放棄しています。
25%程度をCDSでカバー出来れば、満足の行く結果となるのでしょう。
「損はしたけれども半分は取り戻した」といった所でしょう。
先進国における国債で損失が発生したので大きく取り上げられていますが、
金融の世界で50%の損失で済んだのだから、上出来という見方も出来ます。
AIJなんて、根こそぎ持って行かれましたから・・・。
■ ギリシャ危機は縮小している? ■
最新のギリシャ国債の利回りは17%を越えています。
結局、3月20日の償還はどうにか乗り切りましたが、
5月の償還に向けて、危機は依然として継続中です。
ギリシャは財政に余裕がありませんから(当然です、大赤字なのですから)
償還資金は新規国債の発行に頼るか、
ECBやIMFなどの支援に頼るしかありません。
今更ギリシャの国債を買う民間金融機関は余程のギャンブラーか、
「ギリシャは破綻しない」という確実な裏情報を持った勢力しか居ないので、
ギリシャは5月の償還時に、3月と同様に又、世界中を冷や冷やさせます。
但し、今回の3月危機でCDSを無効化した様に、
時間が経つにつれて、危機の規模を縮小している様にも見えます。
■ ギリシャは金を返せない ■
ギリシャは自力で財政を均衡させる事は出来ません。
緊縮財政が経済を後退させる事は明らかであり、
給与を減らされた国民が、消費に走るとは到底思えません。
ギリシャのGDPの推移(世界経済のネタ帳より)
ギリシャの経済予測(ロイター参照)
上のグラフは2011年までのギリシャのGDP推移です。
リーマンショック以降、低下傾向にあります。
下の表はロイターが入手したギリシャの経済予測です。
2013年にはGDPの縮小に歯止めが掛かり、
2014年にはGDP成長率はプラスに転じています。
・・・・予測ですから・・・
こうならなければギリシャは破綻するのです。
こんな夢の様な未来は、当のギリシャ人だった信じていません。
こんな数字を見せられて、ギリシャは破綻しないと言われても
誰も信用する訳がありません。
ですからギリシャのデフォルトは確定的ですが、
ECBやIMFやその他の機関が、
ギリシャの国債償還分を貸し続ける限りデフォルトは先延ばしされるのです。
その間、ギリシャ国民はハゲタカに内臓を喰われながらも生き続けるプロメテウス宜しく、
永遠の苦しみを味わい続けるのです。
プロメテウスの罪は人間に「火」を与えた事。
ギリシャの罪は、ユーロ危機に「火」を着けた事。