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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

今期アニメベスト5・・・「有終の美」を飾る3作品

2012-07-01 06:40:00 | アニメ
 



■ 最終回が一番難しい ■

今期アニメもほぼ全て終了しました。

期待を裏切らない作品。
期待を裏切って途中で失速した作品。
期待の斜め上を行く作品。

傑作、良作、色々ありましたが、
それぞれの作品にスタッフの熱意が感じられ
今期のアニメはまさに豊作でした。

ただ、いつも感じる事ではありますが、
アニメに限らず、最終回は難しい。
この最終回が上手くまとまらなかったせいで、
傑作を逃す作品が多いのも事実です。

ところが、今期アニメのベスト3は最終回で見事に傑作を確定しています。

■ 2クールをソツなくまとめて、さらに劇場版まで勝ち取った「モーレツ宇宙海賊」 ■



今期アニメのベスト1はやはり「モーレツ宇宙海賊」。
2クールの作品で、最終話に繋がるオリジナルストーリーで
少し荒さが目立ち、キャラクターに依存し過ぎかなとも思いましたが、
最終回にスピード感と緊張感で見事に挽回しての1位獲得。

終わり方としては、高校生海賊船長が何を決断したかを
あえて語らぬ事で、視聴者それぞれの最終話を獲得する手法が取られています。
まあ、視聴者の答えは概ね一緒なのでしょうが。
そう、彼女は高校を卒業したら、さらなる広い宇宙に漕ぎ出して行く!!

しかし、その全てのお膳立てを
彼女の両親や、弁天丸のクルーがしている訳で、
加藤茉莉香は結局大人達の手の上で踊っていただけとも言えますが、
彼女は大人達の庇護に元に、しっかり成長しているし、
そして、その庇護を利用してさらに成長を目指すシタタカさも持っています。

大人に反発するだけの子供っぽい高校生が多い中で、
己が実力を把握しながらも、
現実的な飛躍を目指す姿勢は、
高校生の諸君には、是非参考にして欲しい。

シリーズスタート直後は地味で目立たないアニメでしたが、
主題歌を歌う「ももいろクローバーZ」も何故か注目され、
中盤以降はコアなファンをがっちり掴んだこの作品。
期待を裏切らない、最終回も見事でしたが、
何と、劇場版を公開するというオマケ付き。

この劇場版が本編の後日譚であるならば、
思わず、娘と劇場に行ってしまいそう・・・。

ちなみに、全シリーズの中で圧巻のエピソードは
「黄金の幽霊船」のエピソードでしょう。
地味だけど、緻密に積み上げられたストーリーを、
緩急の変化を付けながらじっくりと見せる演出に脱帽。
ひさしぶりに、SF的感動に打ち震えました。

佐藤竜男、恐るべし。

■ 「変態アニメ」の爽やかなエンディング。「謎の彼女X」はいつも期待の斜め上を行く ■



「よだれ」を舐めあうという「ど変態」な内容ながら、
何故か80年代的な爽やかさが視聴者の感動を誘う「謎の彼女X」

この「変態カップル」はいったい何処まで行ってしまうのだろうか?
という心配と共に見守ってきましたが、
なんと、キスすらしない清純アニメでした。
(でも、ヨダレは舐めるけどね)

最終回はオリジナルストーリー。
彼氏の母親のお墓の前で互いのヨダレを舐め合うという
シュールな演出ながら、
これが、なんとも清清しい感動を誘う。

「こんな事あるかーーーぁーー」って、
ショッキングなネタで毎回引っ張っておいて、
その実、至極真面目で、良識的な所に落ち着くという、
何だか、オチているのかオチていないのか
判断の難しい作品ですが、
この「変態ストーリー」がこんなに爽やかな感動を誘うのですから、
人間の脳はまだまだ未知の領域が沢山あるのでしょう。

もともと小ネタ中心の作品で、
感動の嵐とは無縁ですが、
今後二度と現れないであろう作品として、
第2位を進呈いたします。

ちなみに、この作品、家内のお気に入り。
口では「変態、私こんなの見ないからね」と言いながら、
横目でちら見して、さらに問題シーンでは大笑い。
「こんなの、あり得ないーーー」って、
お前大うけじゃん?

■ 圧倒的な安定感。「坂道のアポロン」は良作止まりだった ■



渡辺信一郎と管野よう子という
カウボーイ・ビーバップコンビが
ジャズをテーマにした作品を作るだけで成功は確定していました。

1960年代の佐世保の高校生達の
甘すっぱい青春ストイーリーを
圧倒的な演出力でしっかりと描ききったと言えます。

ハイライトはジャズの演奏。

最終話は、原作組に言わせればダイジェストみたいで
はしょり過ぎだそうですが、
これはこれで、お約束の良い結末でした。
8年後の再開。
安心しました。

しかし、全話を通じて、あまりにも安定し過ぎていて、
破綻が無い事が、不満と言えば唯一の不満。

サプライズが無いという意味での今期の第三位。
世間的にはこの作品がベストなのかも知れませんが・・・。

■ 4位、5位は欠番。  佳作は「這いよれニャル子さん」 ■



「アクセルワールド」と「サンカレア」を4位、5位にしようかと思いましがが、
この2作品、作品世界の広がり感を欠き、
途中から失速気味だったので、4位、5位は空位とします。

ただ、思わぬ拾い物だったのが「這いよれニャル子さん」。



宇宙保護機構から覇権された
ニャルラトホテプ星人のニャル子さんは、
地球人の男子の八坂 真尋(やさか まひろ)にゾッコン。
彼の家に住み込んで、彼を異星人から守るとは口実で、
あの手、この手で真尋のハートをゲットすべく
毎回、大騒ぎを引き起こします。

まあ、本当にどうしようも無いオタクアニメなのですが、
とにかく、毎回、痛快なパロディーのオンパレード。
メタ構造をサラっと笑いに変革しながら、
アクセル全開で突っ走る快感はなかなかのもの。

これを「くだらない」と切り捨てるのか、
それとも「オタクアニメの現在の到達点」とするのかで
評価は二分されるでしょう。

私としては、こんなハチャメチャな作品でも、
視聴者をホロっとさせたりする演出を評価したい。
誰も評価しそうに無い作品なので、
とりあえず、敢闘賞を進呈します。

「これはゾンビですか」も似た路線ですが、
こちらは、少々、演出がウェットになり勝ち。
突き抜けた感じとスピード感は
「ニャル子さん」の圧勝では無いでしょうか?



■ 実はベスト1は「ヨルムンガンド」 ■



実は今期ベスト1は「ヨルムンガンド」だったりします。
ただ、第2期がある様なので、作品自体が完結していません。

若き武器商人、ココ・ヘクマティアルと
彼女を守る傭兵部隊のストーリー。

武器と世界平和というヘビーな内容を
スタイリッシュで軽快な演出で
スピーディーに見せる手腕は惚れ惚れします。

群像劇ですが、それぞれのキャラクターの過去を
さらりと見せる事で、キャラクターに陰影を与え、
さらには、敵も見方も抜群の個性が際立っています。

岩崎啄によるサントラもカッコイイです。
4つ打ちのヘビーなリズムから、
エスニック調の曲まで幅広くこなします。

管野よう子の様な、オールマイティーな才能を感じますが、
「坂道のアポロン」と比較すると、
やはり、管野よう子の非凡さただただ敬服するばかり・・・。
あの、瑞々しい楽曲は、やはり彼女にし書けないのかもしれません。

いずれにしても、2期が待ち遠しい作品です。

■ ワースト・・・ ■

ワースト作品って、見てないものは選べないので
惜しい作品と思って下さい。

第一位 「氷菓」

「京アニ」は技術に溺れ過ぎでは?
「インシテミル」の原作者の作品ですが、
話が全くドライブしないので、見るのが辛い。
ただ、舞台が家内の卒業高なので、
最初の数話を見てみましたが、
やはりツマラナイ。

第2位 「黄昏乙女xアムネジア」

いかんせん、原作の内容が希薄なので、
これを、どう料理したところで、
ゆとり世代のお話になってしまいます。

ただ監督の「大沼 心」の演出力は
次回作の「ココロコネクト」に期待出来る内容。

第3位 「アクエリオン EVOL」

オバカパワーで人気をはくした「アクエリオン」の続編。
岡田磨里がシリーズ構成ですが、
ちょっと見るに耐えないかな・・・・。

オバカのアクエリオンを、ゆとり世代用に翻訳しました・・これじゃあね・・・。
但し、管野よう子の楽曲のクオリティーは高い。
後半のOPの曲は、一度聞いたら耳に付きます。

ただ、どうも「マクロスF」と被っちゃう所が・・・・。

第4位 「Fate/zero」

大人の鑑賞に耐える作品ですが、
青木エイの演出は、どうも重過ぎる。
「餓霊/ZERO]でもそうでしたが、
リアルで思わせ振りな内容ながら、
その実、中身が薄いと感じてしまう。

キャラクターの心のはんの少しの動きみたいなものが
どうしても感じられない。

これなら、「這いよれニャル子さん」の方が優れているかも・・・。

第5位 「ZETMAN-ゼットマン」

かつてジャンプ連載に連載された「ウィングマン」で、
ヒーローのポストモダンを成し遂げた桂正和原作。

しかし、本作はむしろヒーロー物の王道に回帰しています。

ヒーロー物としては正統で、
改造人間の悲哀も十分ですが、
いかんせん、「タイガー&バーニー」の後では
既に、ヒーロ物というジャンル自体が変質してしまっています。
どうしても、「古臭さ」を感じてします。
泥臭い演出が、「古臭さ」を増大してしまった様な。

ただ、OPの一青窈の豹変ぶりにはビックリ。
小林武よ、一体何をやっているんだ??



という訳で、今期のアニメを勝手に、
そして極めて、独断的に評価してみました。
異論、反論をドシドシお待ちしております。

■ 来期の期待は「輪廻のラグランジェ」と「ココロコネクト」かな? ■

今期が豊作過ぎたので、来期は既に寒ーい雰囲気が漂っています。

とりあえずはこれに期待。
「輪廻のラグランジェ」の第2期。
バカトリオが存在感を発揮すれば、傑作になる予感。

ちなみに、第一期が期間限定でネット公開されています。
http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=3182&mvc=2_0_176125_1

そして、先行放送を見る分には
「ココロコネクト」に少し期待が持てそう。


二日連続のアニメネタ・・・・又、読者が減りそうだ・・・。