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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

自民党大勝・・・アベノミクスが正体を現す

2013-07-22 08:43:00 | 時事/金融危機
 

■ 参議院選挙で自民党が大勝、捩れ解消へ ■

参議院選挙は予測通り自民党が大勝しました。
アベノミクスによる景気回復の期待感が自民党の勝利を後押ししました。

これによって長らく続いた「捩れ国会」も解消し、
法案成立が容易になる事から、アベノミクスが本格的にスタートします。

■ 日銀の異次元緩和に助けられた勝利 ■

アベノミクスを掲げて自民党が民主党から政権を奪還したのが昨年の11月。

この時、安倍首相は、「金融緩和」「国土強靭化(財政出動)」「構造改革」を政策として掲げています。

さらには「TPP」参加には慎重姿勢を示していました。

これはの公約は明らかに選挙対策の口約束でした。

最初に破られたのは、「国土強靭化(財政出動)」でした。
補正予算では10兆円の上積みをしましたが、
13年度予算では、公共事業費はむしろ削られています。

次に破られたのは「TPP参加」の慎重姿勢です。
アメリカで日米首脳会談が開かれた途端、参加に前向きになってしまいました。

第三の矢である「構造改革」や「規制緩和」は、抵抗勢力の影響で骨抜きが続いています。

結局、安倍政権が実行した公約は日銀に大規模な金融緩和を実行させただけだと言えます。

日銀緩和を見越した外資の株の買上げと、消費税増税を織り込んだ円安によって
景気回復感が醸造された為、アベノミクスが景気回復に繋がると国民は誤解し、
マスコミがその誤解を後押しした結果が、今回の自民党の勝利に繫がりました。


日銀の異次元緩和の真の目的は、FRBの緩和縮小の下地作りでしょうから、
結局、自民党はアベノミクスの実績では無く、イメージの波に上手く乗ったと言えます。
いえ、マスコミを始めとして、そういうイメージ戦略が行なわれたのです。

■ 本当のアベノミクスが始まる ■

「国土強靭化」や「財政出動」に期待していたのは、麻生氏を始めとする自民党の土建利権です。
安倍首相は三橋貴明を持ち上げるなどして、彼ら土建屋を上手く取り込んでいます。

彼ら、古い自民党(吉田派・田中派)の生き残りの力は自民党内では弱体化しており、
しばらく選挙も無いので、自民党のばら撒き派もしばらくは選挙対策から開放されます。
「財政出動」の掛け声は、参議院選挙の勝利によって後退するでしょう。

一方で「プライマリーバランスの回復が信頼回復に繋がる」として、
安倍政権は、財政状況の改善を重視する姿勢を見せ初めています。

10月に消費税増税が決まるかどうかが注目されますが、
景気回復にグレーな数字が並んでも、増税を決行する様なら、
安倍政権は言っている事とやっている事が相反する内閣になります。

一方、衆参で過半数を獲得したので、
構造改革や規制緩和関係の法案が国会を通りやすくなりました。

今後は安倍政権の本当の目的である、「アメリカに市場を開放する政策」が実施されるでしょう。
自民党の清和会である安倍政権の本来の目的は、
小泉改革の総仕上げであるはずです。

中韓に対する挑発的な言動で「日本の為の首相」と騙されている国民が多いのですが、
これとて、小泉元首相と似た姿勢に他成りません。

■ どうして国民は簡単に騙されるのか? ■

明らかに「真っ黒クロ」な安倍氏ですが、国民の人気は高い。
どうして、国民に負担を強いるであろう首相がこれ程までに人気なのか?

それは、安倍氏が「甘い囁き」しかしていないから。

「成長無くして日本の復活はありません」は、
言い直せば「改革無くして成長は無し」と言った小泉改革のキャッチコピーと同じです。

しかし、小泉首相が国民に「痛み」を強いたにに対して、
安倍氏は国民の「利益」をことさら強調し、「痛み」を上手に隠蔽します。

金融緩和も、財政拡大も、構造改革も、リスクもありますし、損をする人も当然多い。
TPPなどは、不利益の方が明らかに大きい。

しかし、その「不利益」をあえて口にしない事で、
国民が勝手に安倍政権に期待を寄せています。

ここら辺が衆愚政治たる民主主義の限界なのでしょう。
困窮や不満が高まる程、国民は痛みを嫌い、利益だけを求める様になります。

■ 52.61%という投票率 ■

全国の参議院選挙の投票率は52.61%と戦後3番目の低さでした。

私の住んでいる浦安市では、50.2%と、ほぼ全国平均でした。

市内での投票率のばらつきは大きく、
かつての新興住宅地がそのまま高齢化した地域では60%を超える投票率です。
又、比較的裕福な市民が多い新浦安周辺でも60%を越えています。

一方、アパートや賃貸マンションの多い地域の投票率は最低の36%を始め軒並み30%台。
3人に2人が棄権しています。

これが現在の日本の政治の縮図です。
本当に行政のサポートが必要な人達は政治には興味が無く、
既得権者達は、権利を守る為にせっせと選挙に通います。

結果的に民主主義は、富める者により多くの富を与え、
貧しい者からは、その機会すらも奪います。

これは1970年代に、アメリカの経済学者のガルブレイズが既に言い当てています。

■ 自壊する民主主義 ■

貧富の差を拡大する民主主義は、次第に社会の格差を修復不可能なまでに拡大します。

既にアメリカではその兆候があり、先週の黒人達のデモはその先駆けとも言えます。

本来、絶対的多数の中間層によって効率的に機能する民主主義や資本主義は、
富や権利の局在化によって、その存在意味を失います。

民主主義に失望した人達は、やがて選挙や政治に興味を失いますが、
次の段階では、暴力的手段によって自分達の権利を主張し始めます。
こうして、社会の規範は徐々に崩壊し、限界に達した時、革命や暴動が始まります。

穏やかな日本人には予想すら出来ないかも知れませんが、
アメリカの最大の政治リスクは、暴動です。
これは、中国でも同じですし、ヨーロッパでも同様です。

結局、最後は民主主義的に数の暴力が国家を飲み込んで行きます。

アメリカがその結末に辿り着くまでに普通に考えれば、10年とか20年とかを要しますが、
金融崩壊が発生すれば、時間は一気に短縮されるかも知れません。

これも、「個人の利益の追求」という民主主義の本来の姿なのかも知れません。

アベノミクスの正体が分かるのは1年後かも知れませんが、
将来的にアベノミクスがもたらすものが、失意と諦めなのか、
それとも民主主義の純粋は発露なのか、興味は尽きる事がありません。

房総の最南端へ自転車でGO・・・「海女祭り」に遭遇

2013-07-22 03:30:00 | 自転車/マラソン
 

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■ 養老渓谷までの最速記録達成 ■




先週は気温35度を超える中、軽い熱中症で散々な目に合いましたが
20日の土曜日は、涼しい一日でした。
こういう日は自転車で遠出に限ります。

今回はカーボンのバイクが故障中なので、クロモリで出動です。
途中、幕張メッセで40km/hオーバーで他のチャリダーさんとバトった後、
そのままの勢いで、国道を35km/hペースで快走。

レイノルズ853はクロモリ(正確にはマンガン・モリブデン鋼)らしからぬ硬い素材。
下手なカーボンよりは、余程しっかりしています。
所謂ウィップという車体の捩れが推進力に変わるクロモリの味が少ないのですが、
30Km/hを超えると、自転車が勝手に走る感じが味わえます。
これもウィップの一種なのでしょうが、あまり漕がなくても勝手に脚が回ります。
35Km/hからでもスーとスピードが上がるのが一番の魅力。
はっきり言って、平地ではカーボンより楽にスピードが維持出来て、さらに早い。

そんなこんなで、結構アッと言う間に養老渓谷到着。

70kmを平均時速28.7Km/h(メーター読み)で到着。
これ、私個人の最高記録。

■ ネコの親子がまったりと遊ぶローカル駅 ■



養老渓谷の駅はネコが多い。
観光客にエサを貰ってうるのか、人慣れしていて、
尻尾をピンと立てて、すぐ近くに寄ってきます。

ホームを見ると、母ネコが授乳中でした。
すぐ近くまで寄っても逃げないので、パチリ。





丁度、電車が到着しました。
電車と書いてしまいましたが、正しくは気動車でディーゼル車です。
旧国鉄キハ20系を元に、小湊鉄道が1977年から導入した車両です。

自転車で2時間半ほど走れば、こんな昭和テーストが味わえる千葉は良い所です。

■ 清澄山に登る ■

先週は麻綿原でアジサイを満喫したので、
本日は養老清澄ラインで清澄山を目指します。
ダラダラと登りが続くので、前回バテバテになったコースです。
最近、脚が出来てきたので、本日はいかに!?

養老温泉郷を抜けた上り坂でコルナゴの後ろに付きます。
結構走りこまれている脚をされていて、
登りで一気に置いていかれました・・・・。
まあ、クロモリだから坂はちょっとね・・・と自分を慰めます。

それでも前回よりも良いペースで清澄山に到着。
最後の登りは、ヘロヘロでしたが・・・。



日蓮上人が得度開宗した、由緒正しきお寺ですが、
この時期は観光客もほとんど居ません。
みやげ物屋も暇そうにしています。



境内には、味のある案内板があります。



こちらは天然記念物の「清澄の大杉」。
人と比べると、その大きさに圧倒されます。



日蓮が朝日を見て得度した場所には、立派な銅像が立っています。



実はこの場所、日本一早い初日の出が拝める場所だそうです。



そこからの眺めはこんな感じ。
周囲は東大の演習林です。



今回は初めて仏舎利まで行ってみました。
結構立派な仏舎利です。

境内の水道で、顔をあらってサッパリした所で、鴨川を目指します。
ここからは一気に300mの下り坂。
風を切って気持ちよく下ります。
ふろメーターを見ると60km/h出てました。
クロモリは重いので重心が低くて安定しています。
気をつけないと、ついついスピードが出てしまいます。


■ 何と、野生のサルに遭遇 ■

清澄山を降りて、国道をしばらく走った所で、
何とサルに遭遇。
結構な街中なのですが、道の反対側の山に行く為に国道を横断。
始め、ネコの親子かと思ったのですが、良く見るとサルの親子。
毎回シカには遭遇しますが、サルは初めて。

三浦半島のサルは人馴れして、車の観光客からエサを貰ったりしていますが、
こちらのサルは野生そのもの。
でも、車が途切れるのを待って、さっさと渡る所など、結構賢い。


■ 海の家でエネルギー補給 ■




鴨川には11時に到着。
海水浴場は、もう結構な賑わいです。



太海の笹寿司さんで昼食にしようかと思っていましたが、
やはり夏は海の家で、ビキニを肴に一杯と行きたい。

液体燃料を補充して、一休みしたら、再出発です。

■ 多彩な表情を見せる房総の海 ■





ここからは海沿いを、ひたすら潮風を全身に浴びながら走ります。
(自転車が錆びそう・・・)

外房の海岸線は、岩場があったり、砂浜があったり変化に富んでいます。
岩場を堀り抜いて作られた古い船溜りは、今では子供専用プール。

白浜を越えれば、房総最南端の野島崎までは後一息。

■ 厳島神社のイチモツに仰天 ■



野島崎には厳島神社があります。

そこで、こんなモノを発見。



デカイ・・・。
なんでも、イチモツを擦るとご利益があるとか。
子宝と金運。
そりゃ、まあ、キンが付いてますから・・・・。
当然、全力で擦ってしまいました・・・。

■ 野島崎灯台に登る ■


野島崎までは浦安から136Km。
ここまで平均時速は、26Km/h



今回、初めて野島崎灯台に登ってみました。
結構階段がキツイのね。
最後は、ほとんどハシゴみたいな鉄の急な階段です。



これはナーンダ?
実は、灯台の回転部分でした。
光源は250Wのメタルハライドランプ。
体育館の天井の照明と同等で、ナーンダって感じもします。
昔は大型の白熱電球を使用していたので、それなりの迫力だったのでしょう。

でも巨大なフレネルレンズで集光して、遠くまで光が届きます。



野島崎灯台が出来たのは1870年。
上の礎石は、フランス語でした。

その後、関東大震災で壊れ、現在の灯台が再建されます。

その真っ白な容姿で、日本屈指の美しい灯台と言われています。

■ 眼前には太平洋!! ■



これが房総最南端の石碑。
そして背景に見えるのが、野島崎灯台。



そしてこれが太平洋。

■ 海女祭りが開催されていました ■





野島崎灯台の広場では、第49回の「海女祭り」が丁度開催されていました。



厳島神社の神輿も繰り出しています。
漁師町の神輿だけあって、担ぎ方は「行徳担ぎ」と似ています。

写真は「サシ」という担ぎ方で、全員で神輿を高く掲げます。
この他には「モミ」という、神輿を腰高でユサユサ揺らす担ぎ方もしますが、
厳島神社の神輿の「モミ」は、横棒方向に波の様にウェーヴさせます。
流石は海の男たちの神輿です。

■ NHKが「海女ちゃんコンテスト」の取材に来ていた ■

NHKのカメラが居るなと思ったら、ステージでは「海女ちゃんコンテスト」が始まりました。
司会は「ベイFM」でお馴染みのKOSAKUさんでした。
彼のライフワークであるゴミ拾い大会が午前中に開催され、
本日は南房総市の市長さんと助役さんもゴミ拾いに参加されたとか。

され、「海女ちゃんコンテスト」は子供の部から始まりました。
恥ずかしがり屋さんや、醒めた子が多い中で、5歳の子の元気さが光ます。



ドーモ君と記念撮影で大満足の出演者。
ところで、ドーモ君って喋るんですね。ビックリしました。
尤も、「ドーモドーモ」しか喋りませんが、
クイックなスピンターンなども披露して、意外にアクティブな一面を見せていました。

祭りは、この後、「海女ちゃんコンテスト」の大人の部、
そして、ハイライトである夜の「海女の海中大遊泳」へと進みます。
「松明を手にした海女さん達が、夜の海を泳ぐんだよ。」と帰宅後、家内が教えてくれました。
彼女と子供達は、以前、千倉に引っ越した保育園の先生の家に遊びに来た時、
このお祭りを見ていたのです。(初耳だぞ)

■ 東京湾の入り口、須崎灯台を超え、館山へ ■



海女祭りで、屋台で一杯引っ掛けてしまったので、
後は館山駅までノンビリ走ろう・・・そう思ったのですが・・・
結構脚も残っているし、浜辺の道は車通りも少なく快適です。
27Km/hをキープ。

東京湾の入り口の須崎の灯台には、遠くから眺めるだけにします。
ここからは、館山湾が一望出来るはずなので、次回の楽しみに取っておきます。




館山城が見えてきたら館山駅も直ぐです。
脚が少し残っているので、浜金谷あたりまで行って、
200Kmにチャレンジしようかと思ったのですが、
車が渋滞しているので、断念。

館山駅で本日のサイクリングは終了。

165Km 平均時速は26.1km/h

薄曇で、涼しくて、最高のサイクリング日和でした。





ちなみに、昨年の海女祭りの動画を発見したので紹介します。

[[youtube:oZAWwZ1bWh4#at=486]]



デトロイト市が財政破綻・・・債務は1兆円

2013-07-19 07:57:00 | 時事/金融危機
 



アメリカのデトロイト市が財政破綻しました。
債務は1兆円程。

自動車の街として、アメリカの工業の中心地であったデトロイトですが、
近年では、廃墟と化した旧市街が話題になるなど、
ある意味、アメリカを象徴する街として復権していました。

地方自治体の財政が破綻すると市民サービスが滞ります。

学校の先生が減らされる。
消防士や警察官が減らされる。
ゴミの収集が滞ったりする。
道路の補修や清掃が出来なくなる。

その他、様々な市民生活に支障を来たします。
特に治安の悪化は深刻な問題です。

市の職員の年金基金などが債権者に含まれますが、
債務整理が難航している様です。
これはGMなど民間企業の整理のケースでも似た様な問題にぶつかりました。


デトロイトの財政破綻は随分前からカウントダウン状態だと言われていましたので、
市場も冷静に受け入れていますが、これからアメリカの地方自治体の破綻が続くと・・・。


連邦政府は財政の崖問題が本質的に解決していないので、
地方自治体を救済する余力がありません。
合衆国が静かに崩れ始めています。

ネガティブな材料をポジティブに報道する・・・大本営発表は危険信号

2013-07-18 10:08:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカの6月の住宅着工件数が大幅に落ち込んだ ■

5月中旬頃から世界のマネーの動きに変化が現れています。
米国債の金利上昇の影響を受けて、債権市場の金利が上昇(価格は下落)しています。

長期金利の上昇の影響を受けやすいのは住宅市場です。
6月のアメリカの住宅着工件数が大幅に落ち込んでいます。


「UPDATE 1-米6月住宅着工件数、10カ月ぶり低水準 許可件数も予想外の減少」2013.07.17 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0FN2YJ20130717

<全文引用>

- 米商務省が17日発表した6月の住宅着工件
数は昨年8月以来の低水準に低下し、将来の建設につながる住宅着工許可件数も予想外の
減少となり、第2・四半期の経済活動の急激な鈍化を示す形となった。
 住宅着工件数は前月比9.9%減の年率83万6000戸となり、予想の95万9
000戸を大きく下回った。住宅着工許可件数は7.5%減の91万1000件。予想の
100万件を下回った。
着工、許可件数とも予想を下回る結果となったものの、6月の減少は変動が大きい集
合住宅が大幅に減少したことを反映したもので、住宅市場の回復が失速したことを示唆す
る内容ではなかった。
1戸建て住宅の着工は0.8%減の59万1000戸となり、2012年11月以来
の低水準となった。集合住宅の着工は26.2%減。
集合住宅の着工許可件数は21.4%減だったが、1戸建て住宅の着工許可件数は0
.6%増の62万4000件となり、2008年5月以来の高水準となった。
PNCフィナンシャル・サービシズのシニアマクロエコノミスト、ガス・ファウチャ
ー氏は、「1戸建て住宅の建設は2014年にかけて増加が見込める。これは住宅市場、
雇用、経済成長にとってポジティブだ」と述べた。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が前日発表した7月のNAHB/ウエルズ・ファ
ーゴ住宅建設業者指数は57と7年半ぶりの高水準となり、住宅市場の業況は改善してい
る。多くの住宅建設業者は労働力と資材の不足を訴えており、これが着工の減少につなが
った可能性もある。
米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れによって金利が低く抑えられていること
から、エコノミストは、足元の住宅ローン金利の上昇が住宅市場の回復を頓挫させること
はないと予想している。

<引用終わり>


■ 労働力と資材が不足? ■

多くの住宅建設業者は労働力と資材の不足を訴えており、これが着工の減少につながった可能性もある

ものは言い様です。

失業率が高止まりしている状況で、労働力が不足するでしょうか?
まして、流動性の高い建築分野の労働力です。

問題は投機資金が流れ込んで、供給が過剰気味だった集合住宅が、
調整段階に入った影響の方が大きいのでは無いでしょうか。

住宅投資では短期の資金を借りて、借り換えによって資金を繋いで行きます。
将来的な金利上昇が視野に入れば、当然、投資にも影響が出てきます。

住宅の需要が増え続けるのであれば、投資は続くかも知れませんが、
多分、アメリカの集合住宅は、投資バブル状態になっていると思われます。

■ 弱い指標からも、強い結果を導き出す市場は崩壊寸前 ■


アメリカの経済指標の多くは、実体経済の自律回復では無く緩和資金の依存を示しています。
バーナンキやFRBの発言に翻弄される不安定な経済状況が続いていますが、
最近目に付くのは、ネガティブな指標をポジティブ材料にする異常さ。

景気の先行きが曇れば、緩和継続としてポジティブ材料にします。

既に、実体経済などは、ポラティリティーの為の材料に過ぎず、
金融や株式や資産市場が勝手に盛り上がったり、盛下がったりしています。

はっきり言って異常な状況ですが、人々はその異常さにも慣れてしまっています。

そうして、市場が崩壊するその時まで、危機は巧妙に隠蔽され続けます。
賢い人達が、いち早く市場から撤退している事でしょう。

アベノミクスに淡い期待を寄せ、現実から目を背ける人達は、
確実に逃げ遅れることになります。

粛々と進む自衛隊の再編・・・本土防衛から離島防衛へ

2013-07-18 08:18:00 | 時事/金融危機
 



■ 「日陰者」だった自衛隊 ■

日本は平和憲法の元、戦争を恒久的に放棄しています。
しかし、その一方で、世界有数の軍隊である自衛隊を保有しています。

これは明らかに相反する事象で、普通の国家ならば憲法を改正するか、自衛隊を放棄します。

村山首相が自衛隊を容認するまで、日本の左翼は憲法を堅持して自衛隊を廃止せよと主張します。
この時代まで、自衛隊は「日陰者」の存在で、命懸けで日本を守る使命を帯びながら、
なぜか、同じ日本人から存在を否定されるという、信じられない立場でした。

この流れが変化し始めたのは「阪神大震災」からでは無いでしょうか。
震災で廃墟と化した神戸の街で奮闘し、炊き出しや入浴サービスを提供した自衛隊に対して
多くの日本人が、それまで持っていた偏見を廃し、彼の真の姿を見た事は確かです。

社会党の村山首相の判断が遅れ、自衛隊の出動要請に時間が掛かりました。
その間にも、火の迫り来る崩壊した瓦礫の下で人々は苦痛に耐えており、
出動要請を待つ自衛隊員達の焦燥がいかばかりかと想像するだけで、未だに複雑な心境です。

その後、新潟県中越地震や、東日本大震災などあいつぐ災害派遣によって、
自衛隊は国民の命と財産を守る集団であるという信頼が日本国民の間に定着します。
今では社民党や共産党であっても、自衛隊の存在を否定する事はありません。

■ 米軍のサポートとしての自衛隊 ■

戦後60余年の間に、自衛隊の活動内容も次第に変化すます。

朝鮮戦争の勃発により、日本を反共の橋頭堡としようとするアメリカに対して、
吉田茂は、軍備拡張よりも、経済成長を優先する政策をアメリカに納得させます。
マッカーサが授けた平和憲法が、自衛隊の拡張を抑制し、日本は経済発展を成し遂げました。

その間、警察予備隊としてスタートした自衛隊も徐々に戦力を増強しました。
東西冷戦の最中だったため、仮想敵国はソ連でした。
北海道を中心に、陸上自衛隊がソ連軍の侵攻を食い止めるというのが作戦の主眼でした。

中国の軍事力は、その当時は脅威とは言えず、
海上自衛隊の戦力も、潜水艦隊を始めとして、
ソ連海軍から米機動部隊を護衛する事に主眼置かれていました。

対ソ連戦の主戦力は米軍であり、自衛隊は本土決戦以外はサポート的な役割でした。

■ 「空母」を配備する自衛隊 ■

日本人の多くは、海上自衛隊が「空母」を保有している事を知りません。
何故なら、海上自衛隊の「空母」は「ヘリコプター搭載護衛艦」と呼ばれるからです。

その配備理由は「災害救助」とされています。

しかし、冒頭の写真を見れば明らかな様に、8月6日に進水式を迎える最新式の「2DDH」は
ヘリコプターを15機搭載可能な、明らかなるヘリコプター空母です。

多分将来的にはオスプレイを搭載する事になるので、
作戦行動半径もある程度確保されるでしょうし、
艦載型のF35(垂直離着陸)も搭載可能なはずです。

中国はこの様な自衛隊の変化にナーバスになっており、
日本が再び侵略主義に転じる兆候だと非難しています。

■ 本土防衛から離島防衛という変化は2010年以前から始まっている ■

尖閣問題以降、自衛隊の離島防衛能力の増強が主張されていますが、
既に、この様な「空母」が建造されている事からも、
2000年頃から日本の仮想敵国はソ連から中国になっていた事が伺われます。

離島防衛には、制空権の確保も需要ですが、離島に上陸して部隊を展開する能力も不可欠です。
短時間で部隊を輸送する為には、ヘリコプターによる空輸が必要です。

ヘリコプターの航続距離を考慮すれば、ヘリコプター空母の配備は当然と言えます。
日本は数多くの離島を抱えていますので、どこにでも展開できる機動力は空母に勝るものはありません。

■ 建前だけでは国家は守れない ■

私は、同じアジアの韓国や中国とは、仲良くすべきだと考えています。
あえて、相手を罵倒して危機を煽るのは、子供のする事だと思っています。

一方で、相手が一方的に侵略して来る可能性がゼロで無い限り、
それなりの防衛力の保持は、相手の侵略のハードルを高める上でも、平和に貢献します。

ですから、現在の自衛隊の再編や戦力増強を安易に否定出来ません。

充分な戦力を保有しながら、それを使わない様に最大限の努力を払うのが
現在の世界のスタンダードだとも言えます。

■ 参議院選の争点から隠された憲法改正 ■

参議院選挙の最大の争点は、本来は憲法改正であるはずです。

自民党が衆参両院で安定的な過半数を占めれば、憲法改正の気運が高まります。
自民党は憲法改正を、結党時の党是としていたので、これを非難する事は出来ません。
そういう政党を、民主主義の手続きによって、国民が選んだというだけの事です。

但し、憲法改正を前面に出して参議院選挙を戦う事は無いようです。
戦争アレルギーの日本において、たとえ右傾化しているとはいえ、
憲法改正を前面に出せば、老人票は確実に失われます。

■ アメリカ軍の再編に伴う日本の軍備増強 ■

アメリカは財政が逼迫しているので、既に世界の警察の重荷に耐えられません。
マッチポンプの様に戦争を捏造する時代は終わったのかも知れません。

太平洋の米軍は、グアム - サイパン - オーストラリアというラインまで退く予定です。
一部の軍産複合体はこれに抵抗している様で、韓国で哨戒艇撃沈事件を仕掛けたり、
北朝鮮に韓国を砲撃させたりと、色々と怪しい工作をしている様です。

しかし、米軍の縮小は粛々と進められています。
中東地域からも、徐々に撤退を進めるでしょう。

米軍が抜けた空白を誰が埋めるのか問題となりますが、
これは日本や韓国やフィリピンやベトナムといった当事国自身になるのでしょう。
当然、それぞれの国が単独では無く、集団で中国の脅威に対抗する事になります。

現在の日本国憲法のままでは集団的自衛権は違憲です。
ですから、新しい時代の共同防衛体制に参加する為には、
日本国憲法の改正が必須となります。

確かに現在の日米安保条約の拡大解釈的な集団的自衛権の獲得も在り得ますが、
法治国家としては、それはどうなの? って感じが否めません。

国民が自衛隊を軍隊として承認するのか?
集団的自衛権を良しとするのか?

白黒をはっきりつけなければ本来は民主主義と呼べないのです。

■ 好むと好まざるとに関わらず軍事費が増大してゆく日本 ■

アメリカの戦略は巧妙です。

従来は、米軍の費用を、直接的、間接的に日本に負担させてきました。
しかし、米国の予算の中で、米軍だけが特別扱いの時代は過ぎました。

ですから、軍産複合体は、日本やフィリピンなどの国の軍備拡張で、
縮小した分の売り上げを維持したいと考えるのは確実です。

それには、日本の平和憲法は邪魔になります。
ですから、彼らはどんな手を使っても憲法改正を実現するはずです。

政治は相手をジレンマに追い込めば勝ちです。

中国が軍事的存在感を高めれば高める程、
日本の政府と中国政府が対立を深めれば深める程、
日本は防衛力の増強を余儀なくされ、
TPPでいろいろと注文を付けられて、米国製の兵器を大量に購入する事になります。

石原氏にまんまと乗せられた時点で、
日本はこのジレンマから抜けられなくなており、
中国は中国で、多分裏ではアメリカと結託しながら、
日中友好という逃げ道を塞いでいます。

国際関係はシビアであると同時に、表面的な分かり易い敵対にはだいたいウラがあります。
それでも、それに乗らざるを得ないのが、核兵器を保有しない国の悲哀です。