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映画・演劇のレビュー

長尾高校『カノン』

2024-11-16 14:03:00 | 演劇
コンクール(大阪府高等学校演劇研究大会というらしい)の大阪大会に来ている。長尾高校演劇部を見るために。見に来てよかった。とてもいい芝居だった。それに初めて府大会を見ることが出来たのも楽しかった。何度か予選は審査員を依頼されて見ているが、本戦を見るのは初めてだ。こんな感じなのか、と知れてよかった。時間の関係で3本しか見ることが出来なかったけど、貴重な体験になった。僕は参加はしなかったけど、公演ごとに . . . 本文を読む
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冨田倶楽部 『淡路怪談』

2024-11-10 16:16:00 | 演劇
こんな芝居があるなんて知らなかった。こんな劇場(たぶん、一応)も知らなかった。冨田倶楽部はほぼ毎月1本お芝居を上演している。この4月から来年春までの1年間に10本の公演をする予定らしい。凄い、と思う。たぶん軽い気持ちで酒の席のおしゃべりから始めたのかもしれないが、もう今回で第11回集会となる。参加者(加盟者)は18名。「メンバー不確定、作風未確定」と当日パンフにはある。先日偶然久々に石田1967さ . . . 本文を読む
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第2劇場『俺(たち)のシェアルーム』

2024-11-10 05:48:00 | 演劇
久しぶりの2劇である。コロナ禍後初の学外公演となるらしい。そうなんだ、あれからずっと一般劇場公演はなかったのか、と改めて思い返す。感慨深い。今回はまず音間哲の新作である。来年3月には満を持して阿部茂の新作も続くようだ。とても楽しみ。阪大の学内劇団というスタイルを貫いて60代になる阿部さんと音間さん率いる2劇団はずっと途切れることなく、入学してきた若い大学生たちと共に芝居を続ける。もうそれだけでも凄 . . . 本文を読む
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劇団白色『大莫迦者絵巻』

2024-11-09 17:56:00 | 演劇
今年もウイングカップがやってきた。なんと欠かさず連続15年である。ウイングフィールドのスタッフと若い演劇人たちの努力の賜物。ということで、これはその第1弾。劇団白色の芝居を見るのは2度目。大川朝也、渾身の一作。舞台美術は客席から舞台を横切る墨絵巻。圧巻である。ひとりの若者が雨やみを待っていた、という冒頭の設定は芥川龍之介の『羅生門』を思わせる。そこにナレーションがかぶさる。ここまで全編ナレーション . . . 本文を読む
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劇団往来『わさんぼん』

2024-11-09 14:27:00 | 演劇
今回の劇団往来はなんと3本立である。タイトルの『わさんぼん』は『話三本』。語りと狂言、そして物語。盛りだくさんの2時間10分だ。まずは一人語り「要冷蔵の愚行を繰り返す男」。座長の要冷蔵が自分の体験を語る。小話にすらならないくらいの短いお話を5.6本。(いや、もうちょっとあったかも)続く狂言『食道楽』は、男性キャストによる往来らしい狂言チックなコメディ。耳、鼻、目、口。さらには胃、手、心。キャラクタ . . . 本文を読む
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大阪府高等学校演劇コンクールB地区予選

2024-11-08 08:58:00 | 演劇
2年振りにコンクール審査に参加した。(11月3.4日。池田アゼリアホール)今は一応高校教諭をやめているから部外者として参加できるので気が楽だ。もちろん、ここに各作品の感想を書くつもりはない。審査会の講評で参加劇団の生徒たちの前でしっかり喋っているから、ね。   ただ、たまたま今朝、このブログの10年前の記述をチェックしてくれている人がいて、自分がコンクール審査のことをここに書いている . . . 本文を読む
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エイチエムピー・シアターカンパニー 『アラビアの夜』『メイド・イン・ジャパン』

2024-11-03 06:39:00 | 演劇
エイチエムピーがウイング再演大博覧會フィナーレを飾る。今回この2本を笠井友仁は語りをベースにした作品として同時上演する。装置は最小限に止める。2作品共通のシンプルだけど美しい舞台美術。もちろん笠井さんの手によるものだ。細部まであらゆる点にこだわるのも笠井さんらしい。まず『メイド・イン・ジャパン』を見る。ふたりの役者たち(高安美帆・岸本昌也)による語りとパーカッション(スティヴ エトウ)により構成す . . . 本文を読む
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マシュマロテント『みえない』

2024-10-27 21:18:00 | 演劇
武田操美、第30回「OMS戯曲賞大賞」受賞作品の凱旋公演。彼女はこんなにも怖い話をこんなにも厳しく、そして優しいタッチで語る。しかも、たくさんの笑いに包み込んで。 記憶を失くすくらいに怖い体験をした。親友を無くした七美(小石久美子)は夢の中で一子(武田操美)に逢う。1年間誰とも接することなく、過ごした。宇宙飛行士の訓練として。そんな夢を見ることから始まるこれはふたりの友情物語。どこまでが本気でど . . . 本文を読む
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劇団未来『サド侯爵夫人』

2024-10-27 05:54:00 | 演劇
2日に分けて見ることにしたのは正解だった。この重量級の2本を連続して見るのはかなり過酷ではないか。だけど、劇団は2作品連続鑑賞が出来るように便宜を図る。役者たち、スタッフは大忙しで準備している。朝の回が終わると30分後には昼の部が始まるからだ。今日で2日目。今週、来週の2週間の公演である。今の若い劇団未来はとことん攻める。さて、こちらは女性キャストだけで見せる作品。2時間半の戯曲を30分縮めて2時 . . . 本文を読む
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三俣婦人会『おまえのハンサムはギャグなのか』

2024-10-26 22:03:00 | 演劇
ゴン駄々吉が何をしてくれるのか。ドキドキする。毎回信じられないようなバカな芝居を誠実に全力投球して見せてくれるからだ。しかもこのタイトルだ。チラシも大胆。そこにはわけのわからない世界が展開するはず、と期待する。その期待は驚きになる。今までの作品だって呆れてしまうくらいにめちゃくちゃだったけど、今回は完全にタガが外れている。役者たちはもうどうとでもして、って感じでヤケクソに。冒頭、巨大な太陽が上がり . . . 本文を読む
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万博設計『夏の時間』

2024-10-26 17:56:12 | 演劇
深津篤史の初期作品である戯曲に橋本匡市が挑戦する。これは2020年2月に若手演出家コンクール決勝で上演された作品らしい。コロナ禍で無観客上演となった幻の作品。だから今回再演であるにも関わらず、観客は初めて劇場でこれを見ることになる。どうりでこんな作品を万博設計で見てないな、と思ったのは当然のことだった。僕が忘れていたわけではない。舞台美術は段差のある空間の和室。畳の部屋に置かれたちゃぶ台。それが段 . . . 本文を読む
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劇団未来『わが友ヒットラー』

2024-10-25 22:14:00 | 演劇
今回の劇団未来は三島由紀夫の2本立て公演。しかも2本を2週間に渡って1日3回公演で、各9回上演。怒濤の18ステージである。僕は初日にまず男性キャストだけで贈るこちらから見ることに。しまよしみち、演出。彼が久々に役者としても出る。渡辺舞による舞台美術が素晴らしい。斜めになっている白い3つの壁の組み合わせが彼らの揺れる心を視覚化している。これはヒトラーがヒトラー(しまが演じる)になるまでの物語。彼はふ . . . 本文を読む
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演劇集団よろずや『オー・マイ・リョーマ』(2024)

2024-10-25 17:36:00 | 演劇
もう何度目になるのだろうか。数えきれないほど見てきた(気がする)『オー・マイ・リョーマ』である。だけどやはりまた見たい、と思う。毎回違うヴァージョンで、新しいキャストで作られるけど、絶対にリョーマは寺田夢酔が演じる。そこだけは変えられないし、そこを変えるなら見ない。それは渥美清が演じない寅さんのようなものだから。さて今回は布施PEベースでの上演。幾分狭い空間に20人に迫るキャストが走り回って大騒ぎ . . . 本文を読む
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ウイングカップ15  前夜祭

2024-10-23 05:55:00 | 演劇
今年もウイングカップが開催される。コロナ禍も含め15年連続途切れることなく、続いている。ウイングフィールドも32年を数えて今絶賛、再演大博覧會も開催中である。とうとう完成した30周年記念誌(30周年の記念なのに32年目まで完成しなかった!)も刊行された。リニューアルされたウイングフィールドはこんな時代だからこそ、小劇場演劇にしか出来ない戦いに挑む。 ウイングカップでは毎回前夜祭が開催され、そこで . . . 本文を読む
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京都芸術劇場プロデュース『朗読劇 蒲田行進曲』  

2024-10-20 18:08:00 | 演劇
初めてつかこうへいを見たのは今は無きSABホールの『広島に原爆を落とす日』だ。衝撃的な芝居で忘れられない。主人公、ディープ山崎を演じた風間杜夫が素晴らしかった。ラストのひとり芝居には震えた。ヒロインのかとうかずこはまだ若くて声がちゃんと客席まで届かない。だけど美しさだけで作品を大きくリードする。平田満が作品全体を支える。歴史的傑作。 あれから40年以上の日々が過ぎた。つかが亡くなってからも、もう . . . 本文を読む
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