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映画・演劇のレビュー

ドラマティック・カンパニー『不肖の畜生』

2007-12-27 19:59:04 | 演劇
 劇団ドラマティック・カンパニーの復活公演。なんて言いながら、別に特別なことはない。これではいつものdracomじゃないか、なんて僕は思う。一応セリフのある普通の劇にはなっているが、でも、彼らがふつうの会話劇なんかをするはずもない。  それにしてもこれはぐだぐだ喋っているだけで、何の意味もない芝居である。ストーリーのあるドラマではない。文字通り「ドラマ的」だが、「ドラマチック」ではない。ここには . . . 本文を読む
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『藍色愛情』ほか

2007-12-25 20:46:00 | 映画
 この1週間6本のDVDを見たが、全体的にはあまり面白いものはなかった。それぞれは決してつまらないわけではないが、何か物足りないのだ。ここでは簡単に感想を書いておく。  『山の郵便配達』のフォ・ジェンチィ監督の『藍色愛情』という未公開作品を発見して、レンタルしてきたのだが、「これでは劇場公開はないな」という作品だった。まず、ヒロインがわざとらしくてよくない。彼女に感情移入できないし、刑事もののス . . . 本文を読む
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2007年 キネマ旬報読者の会のためのベストテン

2007-12-24 21:01:40 | 映画
  日本映画               1 紀子の食卓(園子温)       2 バッテリー(滝田洋二郎)       3 天然コケッコー(山下敦弘)       4 幸福な食卓(小松隆志)       5 あしたの私のつくり方(市川準)       6 東京タワー、オカンとボクと時々オトン(松岡錠司)       7 夕凪の街、桜の国(佐々部清)       8 檸檬のころ(岩田ユキ)     . . . 本文を読む
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SE・TSU・NA『SANTA X CROSS』

2007-12-24 20:46:17 | 演劇
 とてもかわいらしいフライヤーが素敵なハートウォーミングだ。チラシにあるサンタの服を着た子供たちの姿が、実はこの芝居の種明かしにもなっているから、芝居を見終えた後、このチラシを改めて見たなら、なんだか微笑ましい気分になる。  4人のサンタ見習いたちが、とある子供の家の屋根の上で鉢合わせ。誰がその子にプレゼントを届けるかで争いになる、というお話。たわいないものだが、丁寧に作ってあり好感が持てる。9 . . . 本文を読む
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IsLand☆12『スクランブル・エッグ』

2007-12-24 20:16:19 | 演劇
 今年の4月にIQ5000によるオリジナルを今回の公演場所であるIST零番館で見ているので、ちょっと食指がそそられなかったが、STAGE21の福岡さんからお誘いを受けたので、ついつい見に行ってしまった。でも、見てよかった。これはある意味では、オリジナルの舞台を超えている一面もある。本番前日の公開ゲネだったのだが、もしかしたら本番以上に緊張感のあるステージだったのではないかなんて思わされるくらいに面 . . . 本文を読む
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『ラブデス』

2007-12-23 09:57:26 | 映画
 かなり楽しみにしていたから失望は大きい。何でこんな映画を楽しみにするんだか解らないという人は多いだろう。どうせバカバカしいだけではないか、なんてね。もちろんバカバカしいはずだ。そんなこと最初から解っている。しかし、これは北村龍平の置き土産である。心して見るべきではないか、なんてね。彼にはハリウッドでぜひ成功してもらって「あの世界のキタムラがこんな映画をかって撮っていた」なんていうお宝映画にこれを . . . 本文を読む
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酔族館『終わった恋を乗り越えるために不発弾にしてもいいことしてはいけないこと』

2007-12-23 09:15:15 | 演劇
 2時間10分の大作である。なのに、(というか「だから」だが)ラスト20分を見ずに劇場を後にすることになった。普通はそんな無茶なことはしない。最後までちゃんと見る。たとえ、死ぬほどつまらなくても、である。  もちろんこの芝居がくだらない、からではない。最後まで見たかった。だが、どうしようもない個人的な事情でこんな失礼な見方をすることになった。本来ならこのレビューも書かないのが筋だが、久々の酔族館 . . . 本文を読む
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『中国の植物学者の娘たち』

2007-12-20 23:31:44 | 映画
 この冬一番の期待作だったんだが、なんだか期待はずれの作品。主人公2人の気持ちが伝わってこない。この植物園で出会い、お互いに心惹かれていく2人の女たち。同性愛がタブーとされていた時代。それだけで死刑にされてしまうなんてことが、ついこの間の中国では充分に現実としてあったのだろうが、これはその事実を告発するための映画ではない。  ダイ・シージェ監督の前作『小さな中国のお針子』があんなにも感動的だった . . . 本文を読む
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覇王樹座『鵺の宿』

2007-12-20 22:19:04 | 演劇
 意味のない繰り返しが不気味に見えてきたならいいのだが、これではただの意味不明でしかない。方法が作品のスタイルとして定着していないから、ただの思い付きにしか見えないのである。しかも空間の作り方がユルユルなので、リアルとは程遠く、作品自体が本来孕み持つべき緊張感が全く生じない。そのため描かれている出来事を観客は「一体何事がここに生じているのか」と前のめりになって受け止めることが出来なくなる。本気にな . . . 本文を読む
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桃園会『追奏曲、砲撃』

2007-12-18 22:09:19 | 演劇
 夜の道頓堀川の川面を見つめながら、遠く離れた場所で今も生きている父親の幻影を見る。沖縄の島で、自分の知らない女性と暮らし、会ったこともない弟と3人で生きているはずの男。  今ここにいる自分がいつのまにか、父の居る島にいて、そこで血のつながりのない女や、血のつながりのある弟を見る。こことそこがひとつにつながっていく。すべては幻でしかない。だが、彼にとってはすべてが現実だ。  父親の声を聞くこと . . . 本文を読む
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クロムモリブデン『スチュワーデスデス』

2007-12-18 20:54:44 | 演劇
 かなり驚く。こんなにも単純な劇構造を持つクロムなんて、僕が知ってるクロムではない!なんて、叫んでしまいそうになる。ストーリーラインがとてもシンプルなのには確かに驚かされる。ラストなんて、いつのまにか犯人の妄想に取り込まれて大騒動になり、気付くと終わっている。なんだか騙された気分。大団円を絵に描いたような展開を見せる。  死刑囚(森下亮)を拉致してきて、監禁し、殺そうとする遺族たち。彼に殺された . . . 本文を読む
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『ミッドナイト・イーグル』

2007-12-18 20:13:13 | 映画
 これだけの大作なのに、どうしてこんなにもつまらないのだろうか。テンポがあまりに悪すぎるし、お話自体にも説得力がなさ過ぎる。これでは辛い。なぜこんなことになってしまったのか、気になる。  成島出監督は初めてこれだけの超大作を任されて、とても嬉しかったはずだ。このチャンスを活かし、自分の可能性を開きたいと強く思ったはずだ。なのに・・・ これは、肩に力が入りすぎて失敗したなんていう単純なことではない . . . 本文を読む
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HOCUS POCUS(ホーカス・ポーカス)『ジョセフィーヌの神に導かれた数奇な運命と(以下略)』

2007-12-18 00:04:14 | 演劇
 HOCUS POCUS(ホーカス・ポーカス)を見るのはほんとに久しぶりだ。最初にスペースゼロで見てからもう10年以上が経つはずだと、思っていたが山田さんに聞くと「そんなに経ってません」と言われた。あれはゼロの最後の頃のことで、あの後、ウイングでも見てるし(『シネマイム』)なんて少しずつ思い出してくる。最近は物忘れが酷い。  さて、今回の作品である。今回の作品の正式タイトルがまた長い。とりあえず . . . 本文を読む
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乾ルカ『夏光』

2007-12-17 22:48:12 | その他
 6つの短編集。身体の6つの器官をテーマにして紡がれたそれぞれのエピソードは、前半の3篇は過去の時間。後半の3篇は現代を舞台にする。目から始まり、口、顔、歯、耳、そして鼻。特別、これ見よがしに怖がらせようなんてしていない。ホラーと呼ぶのも憚られるくらいに静かなタッチで描かれる。  グロテスクな描写は必然性があるものだけに留め、扇情的なものは一切なく、しっかりと抑えたタッチが貫かれてある。不思議な . . . 本文を読む
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劇団ひまわり『クリスマス・キャロル』

2007-12-11 21:33:39 | 演劇
 俳優養成所のこういうステージを見るのはたぶん初めてだ。でも、発表会なら、何度か行っている。(そういえば、何度か、昔、担任したクラスの生徒がタレントを目指していて「見に来て!」と言われて行ったことがある)でも、これはもう少ししっかり作ってある。  僕が、何故見たのか、は実は謎である。まぁ、いろいろ理由はあるが、一番の理由は、江坂のシアターぷらっつの舞台で、90人以上のキャストでミュージカルをする . . . 本文を読む
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