続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

同好の士。

2013-11-18 06:51:45 | 日常
 相模大野での祖父母会の帰り、相模大野駅で「これは大和に行きますか」と女学生に尋ねた。「ハイ、行きます」と答えてくれたので安心して乗車した。

 にもかかわらず、もう一度三人掛けの右隣りにいた男の人に「これは大和に行きますか」と訊ねた。
 すると顔を捻り、反対側の耳をわたしに近づけ「耳が遠いもんでね」と言い、「行きますよ」と答えてくれた。

「ああ、良かった。以前間違えて海老名まで行ったことがあるので」と言うと、そのおじさんは、
「いや何、わたしも今日はポカをやりましてね。『歩こう会』の帰りなんですが、自転車の鍵と家の鍵の入った小銭入れを落しちゃったんです。何分にも耳が遠いもんで、放送があったらしいんですけど聞こえなかったんです。それで、大和まで取りに戻るんです。全く仕方ありませんよ」と笑った。

「この年になると何もすることがありませんからね、せいぜい『歩こう会』に参加してしているってわけです」
「100(歳)以上の方も沢山おられますから、頑張らないと」と、100歳以上の人口が5万人を超えたことを言ったら、

「そう、わたしなんかも、100を目標にしているんです。三日に空けずに出かけているんで、今年はすでに100回を超えましたよ」と笑った。
「わたしも『歩こう会』に入っていますけど、100回は・・・、すごいですね」
「いやぁ、あなたも『歩こう会』に入ってますか。ところで、青い紙のほうですか、白い紙のほうですか」と聞いてきた。
(ああ「神奈川歩け歩け」のことだなと思いながら、黙って笑っていると)
「わたしは、白い紙のほうです。今度一緒にに行きましょう」と、言ってくれた。

 全く他所の土地の見知らぬ人、それでも同好の士、同じ匂いがするのかもしれない。
 大和の駅で別れたおじさん、鍵は無事手元に戻ったかな。

『ポラーノの広場』153。

2013-11-18 06:42:52 | 宮沢賢治
 わたくしは臆せてしまってもう帰らうかとも思ひましたがさっきファゼーロたちにあんなことを云ったものですから立ってゐることも遁げることもできませんでした。

 臆せてはオクと読んで、億。
 帰らうはキと読んで、鬼。
 思ひましたはシと読んで、死。
 云ったはウンと読んで、運。
 立ってはリツと読んで、慄。
 遁げるはトンと読んで、屯。

☆億(数多い)鬼(死者たち)は、死の運(めぐりあわせ)に、慄(おそれおののき)屯/寄り集まっている。

『城』1448。

2013-11-18 06:03:47 | カフカ覚書
ペーピは、いかにももったいぶって、頭をうしろにそらし、いつも変らぬ微笑を浮かべ、自分の威厳を断固として意識した様子で、向きを変えるたびにおさげをわざとふりまわしながら、せわしげに行ったり来たりしてはまずビールを、つぎにはインキとペンをもってきた。

 微笑/Lachen→rachen/復讐する。
 ビール/Bier→Vier/人。
 インキ/Tinte→Titel/標題、要求権。
 ペン/Feder→Fehler/不正確、過失。

☆ペーピ(身分証明書)は、どうどうとして、記憶を後戻りさせ、永久にかわらない復讐心を見せた。自分の誇りを自覚し、向きを変えるたびに反論の余地のない旧弊の向きを変え、忙しく行き来していた。まず人の標題と過失を持ち出し、大群(大勢の死んだ人たち)の想像を広げていったのである。