続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

友達?

2013-11-27 06:59:19 | 日常
 サークルの仲間であるTさんと美術館のイベントに参加した時のこと。
 わたしたちを見て、何気なく先生は
「お友達?」と聞いたのである。

 少し間をおいて「はい」と応えたわたし・・・ハタと考えてしまった。疑問を持たれるほどに不釣合いな二人だったのではないかと。

 Tさんとは昭和からのサークル・メンバーだから四半世紀以上のお付き合い。ずっと、さらりとした関係。
 彼女はおしゃれで可愛らしくスタイルもいい。それに引きかえ、わたしはドン臭い田舎のおばさん風であるから、(この二人が友達であるはずがない)そう思ったに違いない。
 だから「はい」と肯定するとき、若干の抵抗があった。だからといって「いいえ、友達なんて親しい関係じゃありません。むしろわたしは彼女に憧れを持って見ているファンにすぎません」と、ここまで謙っては、場の空気を壊しかねない。
 ではなぜ、一緒にイベントに参加したのかというと、
「わたし葉山の美術館で、吉行和子さんを見たの」と興奮気味に話したら「あらっ、わたし葉山の美術館に一度行ってみたいと思っていたの、今度誘ってね」と言われたことが、ずっと残っていたから、その約束を果たしたというわけなのである。

 サークルが終ると右左に別れる地域に住んでいるのでお互いの事情もほとんど知らない。ただおしゃれで堅実な彼女が、「わたし人参をベースにした野菜ジュースを毎日飲んでいるの」と聞けば、棚にしまったきりのジューサーを引っ張り出し真似をしてジュース(彼女はスムージーと言ったかもしれない)を飲むようになったりと、彼女の技を盗もうとしていることだけは事実である。

 思うにTさんは、わたしの心のリーダーであって、いつまでも一緒の仲間であって欲しい人。
(友達でもいいの?)聞いてみるのも恥ずかしい。

『ポラーノの広場』162。

2013-11-27 06:51:38 | 宮沢賢治
「はい。」テーモはおじぎをしてそれからそっとファゼーロに云じました。
「ファゼーロ、何だって出て来たんだ。早く失せろ。帰ったら立てないくらゐ引っぱたくからさう思へ。」
 ファゼーロはまた後退りしました。


☆運(めぐり合わせ)は化(形、性質を変えて別のものになる)で推しはかる。
 記(書きしるす)の双(二つ)の質(中身)が基(根本)であるという律(きまり)が隠れている。
 死の講(話)は他意(もう一つの他の考え)である。

『城』1457。

2013-11-27 06:16:02 | カフカ覚書
 ところが、お内儀は、突然耳をそばだて、じっと聞き入るように空を見つめた。Kも、ふりむいたが、なにも特別な物音は聞えなかった。ほかの人たちも、なにも聞えない様子であった。しかし、お内儀は、爪さきだちで中庭に通じる臆のドアのところまで大股で走っていくと、鍵穴からのぞいたが、やがて眼を大きく見開き、顔を紅潮させてほかの連中のほうをむいて、こちらへ来るようにと指で合図をした。

 大きく/grossn→Glosse/辛辣な批評。
 鍵穴/Schlusselloch→Schluss loch/終(決定)、牢屋(巣穴、窮屈な場所)。

☆言葉はじっと聞き入り、すっかり無心になり、一心に耳を傾けた。Kもふりむいたが、特別でないように思った。しかし、言葉はハロー(死の入口)の皮肉な基準から企み(計画)は辛辣な批評で継続され、終(死)の牢屋(窮屈な場所)を覗いてみると、原則を強め、死の方を向き、受け止めるように手招きをした。