続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』3242。

2019-08-08 07:19:38 | カフカ覚書

この部屋は、見る影もなく荒涼としているようにおもえた。こうなってしまったのか、もとからこうだったのかは、彼にもわからなかった。二度とこんなところで眠ったりはできない。


☆言葉に言い表せない荒涼が、このテーマにある。こうなったのか、昔からなのか、彼も知らないに違いない。先祖の傷痕、再びここで警戒心を失くすようなことがあってはならない。


🈞デュシャン『各階に水とガス』

2019-08-08 06:40:56 | 美術ノート

   『各階に水とガス』
 ロベール・ルベル著「デュシャン伝」豪華版の拍子に取り付けられたエナメル版。

「デュシャン伝」の表紙、これが《わたくし》であると添付されたメッセージである。
 水とガス・・・水と気体・・・水と空気、生命保持のための必須な条件。
 水惑星である大気に被われた地球、この条件が生物を生み進化させてきた根幹である。
 換言すれば、全ての生き物に等しく与えられた恩恵である条件である。わたし達はこの条件なしには一日も生きることは出来ない。

 余談であるが、昔見たドラマに ♪水道完備、ガス見込み~わたしの町です、若い町~♪というフレーズがあった。新興住宅、何もない新しい町にまず(水とガス)と歌っている。

《水とガス》の共通点は、一定の形や体積を持たずに流動し、圧力により縮小する物体ということである。「各階に水とガス」のガスは燃料用を指しているが、広い意味での気体と考えていいと思う。

『各階に水とガス』とは、わたし達はこの恩恵のもとに等しく生きているという表明である。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク(www.taschen.com)より


『セロ弾きのゴーシュ』76.

2019-08-08 06:28:29 | 宮沢賢治

それもまるで聞こえるか聞こえないかの位でしたが毎晩のことなのでゴーシュはすぐ聞きつけて「おはいり。」と云ひました。すると戸のすきまからはひって来たのは一ぴきの野ねずみでした。そして大へんちひさなこどもをつれてちょろちょろとゴーシュの前へ歩いてきました。そのまた野ねずみのこどもと来たらまるでけしごむくらゐしかないのでゴーシュはおもはずわらひました。


☆文を分ける意(考え)は、毎(そのたびに)番(組み合わせて)文を運(巡らせている)。
 図りごとに頼み、逸(隠す)也。
 他意は全て夜の礼(儀式)也。