続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)綿虫や。

2020-12-03 07:14:06 | 飯島晴子

   綿虫や母の枕に石つめむ

 うっとおしい綿虫、朦朧としている母・・・思わず非情な態度や言葉を発してしまいそうになる気持ちを、そっと枕に封じ込めた娘の心情。

 綿虫はメン・チュウと読んで、綿、誅。
 母の枕はボ・チンと読んで、暮、沈。
 石つめむ(石詰)はシャク・キツと読んで、責、吃。
☆綿(細く長く続く)誅(罪を責め咎める)暮らしは沈(気分がしずむ)。
 癪(腹立ち)を吃(身に感じている)。

 綿虫はメン・チュウと読んで、綿、註。
 母の枕はボ・チンと読んで、簿、珍。
 石つめむ(石詰)はシャク・キツと読んで、釈、詰。
☆綿(こまかく)註(意味を書き記す)簿(ノート)は珍しい。
 釈(意味を解き明かすこと)を詰(つめ込んでいる)。


R.M『選集』

2020-12-03 06:46:36 | 美術ノート

   『選集』

 何が選ばれているのだろう。
 リンゴ、葉、馬・・・黄金のリンゴ、月桂樹、ペガサスの馬…神話の総括。
 空の彩雲、地上の岩(石)。

 空想の世界、精神界のオンパレード。人の考えだした世界であるけれど、現実(現世)には決して存在しないような時空である。
 第一、リンゴから馬は生えないし、巨大なリンゴもない。馬が極小なのかリンゴが巨大なのか、通念を打破する構築は奇怪である。

 不条理、代々語り継がれてきた神話に対するオマージュだろうか、ここにこそ深淵なる真実があるのだと・・・。まことしやかな神話に入っていくときの心地よさ、願望の異世界は現実の手垢とは無縁の奇抜奇異の世界である。山の上、最も天上に近い場所にある記念碑的『選集』に違いない。


 写真は『マグリット展』図録より


『城』3549。

2020-12-03 06:32:11 | カフカ覚書

彼女は、いまやこのコネを利用しはじめたのです。それを利用するチャンスを彼女にあたえたのは、あなたです。あなたは、彼女のそばについていて、監視をするどころか、ほとんど家にいず、方々をほっつき歩いては、あちこちで話こんでしまいます。

☆彼女はこのつながりを利用し始めたのです。その可能性を与えたのはあなたです。あなたは傍にいて、見張ることなく現世や来世の周りを彷徨っているだけです。