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原油63ドルで、空運、化学株上げる:米国株式ー学校で教えてくれない経済学

2006-09-15 08:54:03 | 経済学
米国株式市場では、このところのエネルギー価格の下落を受けて、エネルギーコスト上昇に伴う値上げ、客離れを嫌気して売られていた空運、化学関連銘柄が買われ、小売、住宅株まで連想買いからか、買戻しの動きが出ていると今朝のWSJ紙は紹介している。

9月14日、NY原油先物相場は、ガソリン在庫が予測以上に増加したとして、バレル75セント値下がりし、63.22ドルで取引された。高値の78ドルから見て15ドル以上下げた計算になる。天然ガス相場も前日の5.44ドルから36セント下げ、2年来の安値の5.05ドルで取引された。

投資家心理というものはおよそ予測がつかない動きをする。劇場の舞台のかぶりつきで熱狂してエネルギー・ショーを楽しんでいた観客が突然出口に向けて殺到している姿をイメージすれば分かり易い。動物の世界で言う一方向に走るStampede現象の典型であろう。

今米国はハリケーンシーズン真っ只中にある。イラク核疑惑の国連舞台裏での駆け引きも依然として霧の中、イスラエル・ヒズボラ紛争も目鼻がついていない。各地で自爆テロが頻発し、北朝鮮の動きもさっぱり読めないにも関わらず原油相場が値下がりしている。

エネルギー相場の下落を受けて、NY金先物相場は前日比10ドル下げてオンス576ドルで取引された。金が下がれば、銅、錫、アルミ、プラチナもと軒並み値下がりした。金相場などは中国買いをはやして、オンス800ドルは間違いないと専門家は真顔で予測していた。

一方、米株式市場では、エネルギーその他資材価格が下がれば、その恩恵を受けるとして、空運、小売株が値上がりしている。米空運各社はコスト上昇を理由に運賃を値上げしたから、燃料コストが下がれば利益が逆に出るとの投資家の読みであろう。

米化学最大手のDuPont株が値上がりした。製紙大手のInternational Paper株も値上がりした。いずれも石油が上がれば、原燃料コストが伴い上昇する。コストの急激な上昇は、売り値アップとのギャップ拡大で業績低下必至の代表的業種である。

空運株、化学株の値上がりを冷ややかに眺めている向きもある。エネルギー価格の値下がりは景気鈍化が現実の問題として浮かび上がって来た結果に過ぎない。景気が鈍化すれば客足も遠のき、売り値転嫁も期待できないと反論している。

ところが、景気鈍化を見越して、米10年物国債の利回りが念4.77%台へ低下した。長期金利の低下は米住宅ローン金利に連動するから住宅需要が年末までに息を吹き返すと期待している向きも結構多い。見方はいろいろある。見たてを間違わないことが肝心だろう。(了)

江嵜企画代表・Ken



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