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米雇用統計予測どおりで、NYダウ83ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2006-09-02 07:03:28 | 経済学
ECB(欧州中央銀行)が政策金利を現行の年3.0%据え置きを発表した。欧州主要株式市場はこれを歓迎して英国、フランス、ドイツの株式市場ではいずれも値上がりした。ただ、Jean-Claude Trichet総裁はインフレ圧力が強まれば10月会合では利上げすると発言した。

欧州主要国の景況感は低下しており、ユーロ経済のほぼ1/3を占めるドイツの7月の小売高が1.5%減少し、失業率が10.6%にとどまっていることがECBの利上げ見送りに影響した。

為替市場では、ECBの今回の利上げ見送りでこのところ上昇一途だったユーロ相場は、1ユーロ=1.2830ドルと一服感が出ている。ユーロの対円相場も、一時1ユーロ=149円台へ低下した。ただ、ドルの対円相場は、1ドル=117円台でまちまちの動きで推移している。

一方、米労働省は、8月の米非農業部門の雇用数が128,000人増、失業率は4.7%、平均賃金伸び率が0.1%増と発表した。雇用数、失業率はエコノミストのほぼ予測どおり、米FRBの金利政策に影響のある平均賃金伸び率は予測の0.3%増を下回った。

NY株式市場は、雇用統計の発表を素直に好感して、NYダウ、S&P500指数、ナスダック指数ともに値上がりした。NYダウは83ドル高、11,465ドルで取引を終了した。米債券相場も堅調な地合いを継続、長期金利の利回りは年4.7%台の低位で推移している。

NY原油先物相場は、イランが濃縮核開発凍結に同意しない姿勢を堅持しているが、ハリケーンの影響が目先遠退いたとのコロラド大予測が出て、1.19ドル下げ、再び69ドル台へ低下した。ただ、対イラン制裁に積極的な米英、消極的な中国、ロシアとイランをめぐる駆け引きは依然続いている。原油相場は高値波乱の状態が続くと予測される。

米国景気は良くもないが、さりとて悪くもない。ソフトランディングの可能性を秘めながら、世界景気の鈍化を織り込みつつある。ECB、米FOMC、日銀ともに追加利上げが難しくなる流れのようだ。特に日本では、消費者物価の予想外の低下が引き金となって、日本の長期金利は1.6%へ急落している。

為替市場では、米利上げ見送りも、日銀も年内利上げ見送りを予測する向きは多く、日米間の金利差は変わらなければ、目先、1ドル=120円も視野に入って来るかもしれない。

金利低下の流れは歓迎だが、原油高止まりでの円安の流れは、日本にとっては、手離し歓迎できない。JALに続いて全日空も国際線運賃値上げを運輸省に正式申請した。全国各地のバス、タクシー業者も相次ぎ値上げ申請を予定している。企業も家計も、自己責任で、来年にかけて続く値上げラッシュへの抵抗力をつけておくことが必要になりそうだ。(了)

江嵜企画代表・Ken


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