ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

米金利据え置き、原油60ドル、NYダウ72ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2006-09-21 07:49:23 | 経済学
米FOMCによる金利据え置き決定、原油相場60ドル、IBMなどのハイテク企業好業績を材料に、9月20日のNYダウは72ドル高、11,613ドルで取引を終了した。

2回続けての利上げ見送りには、声明文に見られるように、住宅需要の冷え込みが米FRBの決め手になった。さらにこのところの原油、ガソリン相場の値下がりによって、利上げ見送りを米FRBにやり易くさせたものと見られる。

WSJ紙のGreg Ip記者は、今回の利上げ見送りの決定で、利上げ打ち止めの可能性がさらに高まったとレポートしている。ただ、声明文では、再利上げは、インフレと景気見通次第であると述べ、データ次第では利上げもありうるとの含みを残すことを忘れていない。

前回利上げを見送ったときの声明文には、住宅需要は、「徐々に(gradually)冷えてきている」という文言があった。今回は『徐々に』の文言が落ち、単に「住宅需要の落ち込み(a cooling ofhousing market)との表現に変わった。

さらに声明文では、「コアインフレ率は上昇しているが、エネルギー価格から受けるインフレ圧力が低下しつつある」と述べ、8月以降の原油、ガソリンの値下がりが、住宅需要冷え込みに加えて、利上げ見送り判断の2番目の材料になったことを示している。

株式市場では、年末まで利上げなし、2007年年半ばに5%、年末にかけて4.75%へ利下げされるとの見方が増えてきているとGreg Ip記者はコメントしている。これを裏付けるように、6月に5.25%だった米10年物国債の利回りは、現在、4.73%台まで低下している。

9月20日のNY原油先物市場で、米エネルギー局が、原油在庫が減少したとの発表にもかかわらず、バレル1.20ドル値下がり、60.46ドルで取引された。半年振りの安値である。

NY為替市場では、利上げ見送りから、ドルが売られ、一時、1ユーロ=1.2678ドル、1ドル=117.25円で取引された。方向感は依然不透明のまま推移している。

米10年物国債の利回り低下は、米住宅需要の更なる落ち込みから米国景気はFRBの予測以上に鈍化すると予見している。ドイツ、日本、中国の景気にも鈍化の兆しが出てきている。その結果、世界的な金余りから米債券へ資金が流れ込み、米債券価格は上昇、利回り低下は、FRBの予測以上に長期間続くとの専門家の見方をGreg Ip記者は紹介した。

金の切れ目は縁の切れ目。政治と経済は無関係と某国の首相は臆面もなく発言した。政治と経済は一体で動くことは世界の常識である。安倍新政権の舵取りを注目したい。(了)

江嵜企画代表・Ken



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする