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米国、事実上ゼロ金利時代に突入でNYダウ359ドル高、ドル88円、原油44ドル

2008-12-17 08:54:23 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



 米FRBは、12月16日のFOMC(公開市場委員会)において、短期の目標金利を現行の年1.0%から「ゼロから0.25%幅で」実施すると発表した。
声明文で、はじめて「当面の間」という文言を入れゼロ金利政策を継続することを明記した。さらに長期国債や住宅担保証券の買い入れを付記した。米金融当局が、なりふり構わず景気と金融両面から問題解決に真正面から取り組む姿勢を天下に示したといえる。
NY株式市場は、FOMCの発表を好感、NYダウは前日比359ドル、4.2%上昇、8924ドルで取引を終了した。S&P500は5.1%,ナスダック5.4%それぞれ大幅に値上がりした。金融セクター株が11%値上がりして相場全体をリードしたと今朝のWSJ紙は解説している。
NY債券市場では、ゼロ金利政策が当面続くとの評価から、債券相場が軒並み上昇、利回りは、2年物0.65%、10年物2.29%、30年物2.81%とそれぞれ大幅に低下した。
NY外国為替市場で、ドルが売られ、一時、1ユーロ=1.41ドル、1ドル=88.25円で取引された。ただ、日本円は対ユーロでは、1ユーロ=125円台まで値下がりした。
NY金先物市場で、事実上のゼロ金利政策発表を受けて、ドル売りが加速した結果、安全パイとして金が買われ、トロイオンス当たり前日比21ドル高い857ドルで取引された。
原油以外の商品相場は軒並み値上がりした。プラチナ、銀、銅はじめ小麦、トウモロコシ、大豆など穀物相場も上昇した。いずれも下げ過ぎの反動高と見られている。
NY原油(WTI)先物相場は、サウジアラビア石油相の「OPECは日量200万バレルの減産を検討している」との発言を嫌気して一時バレル42ドル台まで急落した。あと44ドルまで持ち直したが「この程度の減産では世界の需要減少をカバーできない」との空気が支配した。世界景気悪化はむしろこれからが本番だと原油相場の戻りの鈍さが教えている。
米商務省は、12月16日、11月の米新規住宅着工件数が前月比18.2%減、62万5000件と発表した。米労働省は、11月の消費者物価指数が前月比1.7%減少したと発表した。原油の値下がりでエネルギーセクターの17%の下落が影響した。
米国経済の実態は日々刻々悪化している。NYダウは今朝は急反発したが、このまま急上昇を続けるとの見方は少ないようだ。むしろ、NYダウ8200ドル程度までの下げも十分ありうると今朝のブルームバーグニュースで紹介していた。
今朝のNY外国為替市場で、ユーロが対ドルで値上がりした。しかし、ユーロが対ドルで買われ続ける保証は全くない。ユーロは来年1月1日に10周年を迎えるが新たにスロバキアが参加、メンバーは16ヶ国となる。まともな国はドイツのみとの極論もあるほどだ。
昨日のWSJ紙は、ユーロ加盟の条件として各国の財政赤字額をGDPの3%上限を設けているが、イタリア、ギリシャの財政は既に破綻している。多くのメンバー国がECB(欧州中央銀行)による一律の金融政策を受け入れられないと警戒感を露にした記事を載せていた。
日本人を揶揄した有名なジョークがある。豪華客船が沈没を始めたので客に避難を呼びかけなければならない。日本人には「皆さん、飛び込んでいますよ」と言えば必ず成功するというのである。自分で物事を考える習慣が子供の時から身についていないからだろう。
米国が事実上ゼロ金利時代に突入した。いよいよ日本のリーダーの資質が試される。(了)

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