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ガザ空爆材料にNY原油40ドル、ドル安進む(学校で教えてくれない経済学)

2008-12-30 11:12:03 | 経済学
 パレスチナ自治区のガザに対するイスラエルの攻撃が3日目を迎え、エスカレートしてきた。今朝のWSJ紙は、中東における緊張の高まりを材料に、NY原油(WTI)先物相場が前日比バレル2.31ドル上げ40.02ドルで取引されたと報じた。
 2006年イスラエル内で起ったイスラエル・ヒズボラ紛争を引き金にOPECとイラン間の軋轢を生み、石油相場がバレル78ドルまで急騰した。
 原油相場が7月に史上最高値のバレル147ドルまで上げたそもそものきっかけは、中国の原油大量買いである。ただ石油専門家のPaul Ting氏は、「2009年の中国の石油需要は、過去最低の伸び率の年2~3%程度まで下落する」と指摘したとWSJ紙は紹介している。
 石油相場がここ一年、急ピッチで上げた背景の一つにユーロが対ドルで急騰した事実が指摘される。石油相場はドル建てのためドル相場が下がると上がり易い。ヘッジファンドがドル安を材料に使って、原油はじめその他の商品相場を入れ上げした経緯がある。
NY外国為替市場で、12月29日、ドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4281ドルまで下げた。米FRBは事実上ゼロ金利体勢に入り、加えて金融の量的緩和政策に踏み切った。「強いドルは国益」と米国が口にしなくなった。米国はドル安を容認したのかもしれない。
今朝のWSJ紙は、「ひとつ面白い話がある」と前置きして、米FRBバーナンキ議長は、2002年の演説で、「33年34年におけるドル安とマネーサプライ急増により米国のデフレは急速に姿を消した」と語っていたではないかと、結構本気で古証文を紹介していた。
バーナンキ議長は「大恐慌」をテーマに、ハーバード大学の卒業論文をまとめた。「大恐慌」の二の舞だけは避けたいとこころに決めていてもおかしくない。ドル安容認が真実味を帯びてきたゆえんである。日本はアメリカの意に逆らって円売り介入を強行できないだろう。
リーダーの資質を一つ挙げろと言えば方向を決める能力に長けていることだと思う。西も東も分からないようなリーダーをいただくと国も企業も不幸である。相場の世界では特に方向感覚が求められる。米国がドル安の方向で決めているとなると投機資金がつけこむだろう。
その象徴が金相場である。NY金先物市場で、12月29日、前日比オンス8.60ドル値上がりし875ドルで取引された。原油も金もドル建てである。ドルが値下がりするとなれば投機資金が金市場へ流れる。「有事の金」でガザ地区空爆もこれ幸いと材料にされた。
昨日、年賀状を書きながら、たまたまテレビ東京の番組を見ていたら、商品相場ならこの方と言われる丸紅の柴田氏が出ていた。「一時的に商品相場は落ち着いているが、資源は有限である。相場は必ず持ち直す。中でも金相場は値上がりするだろう」と指摘しておられた。
世界の中央銀行の外貨保有で金が一番多い国は米国で77%を占める。日本は2%、中国は0.9%といずれも極端に少ない。金の代わりに、米国債を中国は1兆9000億ドル、日本も1兆ドル保有している。ドル相場が下がれば日本の財産は確実に目減りしていく。
News Week(08年12.24号)に面白いマンガが載っていた。左から「ウオール街」、「米政府」、「ヨーロッパ」、「アジア」各人が鼻歌を歌いながらポケットに突っ込んでいき、最後5番目の男(日本)に全損を負担させようとしている。世界は今回の金融危機でも日本にババをつかまそうとねらっている。この事実に目覚めないと日本は丸裸にされるだろう。(了)

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