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日本の新聞記事はなぜつまらないのか?ニューズウイーク日本版最新号が答えている

2011-01-13 07:00:38 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「だから新聞はつまらない」というタイトルで、近着のニユーズウイーク日本版が駅の売店に並んでいた。「思考停止に陥った記者による報道の「構造劣化」が進んでいる」と全く容赦なしだ。記者諸氏の多くもじゅくじたる思いで記事を読まれたのではなかろうか。

40年前の古い話で恐縮だが、日本の新聞に掲載されたワシントン発の記事がほぼ2日遅れでワシントンに送られてきた。各紙まるで特徴がないではないかと減らず口を特派員記者の一人にぶつけたことがあった。さすがに敵も大人である。一業界団体の若造の駐在員をまともに相手にしなかったことを今も記憶している。

ホワイトハウスに限らず財務省、商務省など米国の役所はプレスリリースを決まって用意する。公のペーパーだから誰でも手に入れることが出来る。各紙夕刊の締め切りに間に合すためにはワシントン時間朝11時までに日本へ送らねばならない。公衆電話から件のペーパーをネタに記事を送る記者の姿を目撃した。他紙に遅れを取ることは絶対に許されないからだ。

今回のニューズウイークの特集記事の中で「新聞記者のほとんどが、異なる視点での分析や洞察力の深さを読者に提供するということよりも、いかにライバル記者を出し抜いてスクープをとるかということに心を奪われている。そこで意識するのは、読者ではなく同業他社だ。」のくだりが一番印象に残った。

【日本の記者は他社と「同じ土俵」で戦う事でしか勝ち負けを判断できない。「同じ土俵」で戦っている限り思考力は要らない。」と毎日新聞エルサレム支局長の言葉を紹介していた。「各紙と同じ見出しだと、妙に安心する。これが日本の新聞をつまらなくさせている元凶だ。】と大手メディアのデスクの発言も併せ紹介していた。鋭く核心をついた発言だと我が意を得た次第である。

横一線で並んでいる時に一人飛び出すことは自殺行為に等しいケースが日本では多い。これはメディアにかぎらない。敢えて言えば、それは日本の文化であり、日本人の美徳であるとする見方が日本に広く行き渡っている。日本人の血液の中に流れるご先祖さんから脈々と受け継がれた遺伝子のいたずらなのかもしれない。

日本の新聞記事が全てそうであると言うわけではないが、海老蔵さんとなるとテレビ、ラジオ、新聞全て朝から晩まで海老蔵さんであるところにもよく出ている。他社が取り上げて一紙のみ取り上げないと「なぜ、お前とこは載せないのか!!」と抗議の電話が殺到するという話はよく聞く。

日米のメディアに詳しい北海道大学大学院の渡辺将人準教授の「日本の取材力が個性的な記事に向けば、日本のジャーナリズムは大きく飛躍する。ただ、それを判断するのは,記者や新聞社でない。今までの硬直化したメディア環境を当り前のようにしてきた読者側にもある。」という発言を今回の特集記事の結びに使った。



読者のレベルが上がらないと新聞も向上しない。政治家が日本国民の鏡であることとその点はよく似ている。(了)

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