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コットン(綿花)急騰から学ぶことは多い:綿花相場は南北戦争以来の高値?!

2011-01-26 12:22:59 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)




「コットン(綿花)相場が『風と共に去りぬ』でも日本でもよく知られているアメリカの南北戦争以来の高値ポンド170セントと並んだ。その結果、合成繊維の相場が値上がりしている。合繊メーカーは炭素繊維が話題だが、綿花が上がれば本業の業績にもプラスになる。正に「風が吹けばおけ屋が儲かる」ということになるかもしれない。」と今朝のテレビ東京系の番組「モーニングサテライト」で,あるコメンテーターが話していた。

ジーンズが一本1980円で買えるという世の中は前々からおかしいと思っている。ジーンズと言えばコットン。その原料であるコットンが最安値ポンド30セントの4倍も5倍にもなれば、ジーンズに限らず異常な安値で放置されていたシャツや肌着、ガーゼ、脱脂綿などの医療品、身近な綿棒など綿花が使われている製品にじわじわと綿花高の影響が出て来るだろう。

綿花高騰の引き金はパキスタンで起こった大洪水である。コットンが農産物であることを今の学校で教えているのだろうか。神戸でも明治の初めころまでは綿花を栽培していた時代があった。綿花が農産物であるがゆえに小麦、大豆などが投機資金が流入する。綿花高もその延長線上で起こりうる典型的な動きとして受け止めて置いた方がいいかもしれない。

25日付けのWSJ紙でBricBellman記者、AlexFrangos記者連名で「EmergingNationsTackleFoodCosts(開発途上国、食料品値上がりと格闘)」のタイトルで、インド、中国、インドネシアなどでこのところ食料品価格が急騰し、特に家計の中で食費の比率が半分近い低所得層への打撃が大きく、それが政情不安の火種となる怖れが出て来ている」と書いていた。

WSJ紙によれば、シカゴ商品取引所では、大豆相場はここ半年で46%値上がりした。砂糖相場は34%値上がりした。インドネシアでは、小麦、コメ、玉ねぎの値上がりが厳しく、小麦、大豆、肥料、家畜飼料を含む50品目の輸入関税を撤廃、その一方で、パ―ム油の輸出関税を20%から25%へ引き上げると発表したと書いていた。

インドは食料品相場急騰を抑えるために輸出禁止品目を拡大した。中国は食料品中心に価格監視を強化した。韓国も輸入関税引き下げに動き、インドネシアでは唐辛子の栽培の奨励を始めた。インドネシア政府は3兆ルピア(3億3,100万ドル)の特別予算を組んで価格抑制を始めた。インドのMariPangestu貿易相は「いずれわが身に降りかかってくることは分かっている。しかし、ここまで値段が上がると避けようがない」と語ったとWSJ紙は紹介していた。

WSJ紙はゼロ金利政策を続ける米、欧、日で資金を調達、それが米、砂糖、綿花、原油などの商品市場での投機資金として流れていると指摘していた。ゼロ金利を継続しながら、欧・米・日がお金を垂れ流す。開発途上国はそのあおりを食う。物価急騰にブレーキををかけようと彼らは利上げに走る。高利回りを求めてお金が開発途上国に集まる。それがインフレを刺激する。

日本ではデフレオンパレードである。近い将来コットン急騰で安値では綿製品が手に入らなくなってくるだろう。物がなくなってはじめてさすがの日本人も世界でインフレの影が忍び寄って来ていることに気付くのだろう。(了)

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