ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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「植物になって人間を眺めてみると」(緑ゆうこ著)は面白い(学校で教えてくれない経済学)

2011-01-24 10:45:11 | 経済学
「植物になって人間をながめてみると」(緑ゆうこ著、紀伊国屋書店発行)という本にたまたま出くわした。「植物人間」という半ば蔑称と思われることばを一体誰が使い始めたのか。この本を読み始めて益々人間と言う生き物はなんと傲慢な輩かという思いを強くした。今日本ではやりの「草食系男性」ということばも草食動物の代表であるソウが聞いたら笑う話かもしれない。

なにかにつけて人間の都合だけで物事を決めつける世の中であるが、時間の許される方であれば、本屋さんで立ち読みでもいいから一読いただければありがたい。

この本はどのページから読み始めても面白い。「渇く人間、潤される植物」というコーナーでは、「増産のため、植物を潤し、肥やす。この行為を続けてゆけば、人間は自分で自分の首をしめてゆくことになる。」と書いてあった。それが現代の話だと思っていたら「過去、メソポタミヤ文明も塩害で滅んだ。」のくだりを読むと、いまにはじまったことでないんだな、ということも教えられた。

メソポタミヤの話の次のページに「デッドゾーン」という言葉が出て来る。畑に撒かれた化学肥料が水に溶け、川から海に流れ出すと、最終的に窒素やリン酸がたまって濃縮された海域が出来る。酸欠状態になって、魚など海洋生物は住めなくなるので「デッドゾーン」と呼ばれる。

これでおしまいだと話は面白くない。デッドゾーンで空っぽになった海水の中に、藻やプランクトンが大発生している。人間の目から見れば災害だが、植物の目から見れば、光合成の大勝利で、魚は死んでも、イルカが死んでも、太陽を食って生きている植物だけは今日も元気なのだと書いてあった。

忙しい方は、「おわりに」のページだけでも読んで欲しい。植物好きだったチャールズ・ダ―ウインが出てくる。ヒマな彼がある日ケント地方の自宅界隈を歩いていた。その時道ばたのヘッジ・パセリと自宅の花の色が違うことに気付いた。それが進化論「種の起源」へ発展した。「働くのをやめてヒマができると、アイデアがわく。」と著者の緑ゆうこさんは書いていた。

「植物人間」ということばも気になるが、「草食系男性」「肉食系女性」という言葉も気になる。人口減少の背景を無理やり説明しようとして言いだしたのではないかと勝手に想像している。草食動物は子孫を残せないのか。とんでもない。草食動物の代表のゾウが聞いたら人間と言う動物はおかしなことを言うものだと笑っているかもしれない。

昨日から今朝にかけて鳥インフルエンザウイルスが宮崎県のさる養鶏場で検出されニワトリが大量に殺処理されたという話で大騒ぎしている。昨年は牛豚が口蹄疫感染で殺処理された。

渡り鳥が原因だと言われている。渡り鳥には国境がないから起こるべくして起こった事件かもしれない。どちらにしても殺される立場からすれば迷惑な話だろう。ドイツのダイオキシン事件も人間の都合で起こった事件である。

人間の都合で事件を起こしておきながら人間以外のせいにする風潮が昨今特に多過ぎるように思えてならない。時に「植物の立場にたって人間をながめてみる」ことも無駄ではなかろう。(了)

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