(学校で教えてくれない経済学)
今朝の「おはよう世界」(経済情報)(NHK・BS)が「21日のNY外国為替市場で、1ドル=82.54~59円、1ユーロ=112.39~50円で取引された」と伝えていた。当の番組に出演した大和証券キャピタルマネジメント、シュナイダ―恵子氏は「ドイツの景況感が改善し、ユーロが値上がりした」と解説していた。
21日付けのウオールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の電子版をクリックしたところ、「ドイツの景況感を示すIfoの1月指数が、12月の109.8から110.3へ上昇した結果、1ユーロ=1.345ドルから同1.3617ドルへユーロが対ドルで急騰した。つれてドルは対円でも値下がりし、1ドル=82.54円で取引された」とWilliumL.Watts記者が書いていた。
Watt記者は「ドイツのIfo景況感指数は、景気の先行きを判断する指標の中で最も信頼できる指数と考えられている。Ifoの6ケ月先行指数は12月の106.8 が107.8へ増加した。これをとらえて、民間調査機関CapitalEconomicsエコノミスト、JonathanLoynes氏は、1月の指数は2011年のドイツのGDPの5%増を予見していると語った。」と書いていた。
一般の感覚では、Ifoがどうなろうと細かい数字などどうでもいいとなるが、こと為替で飯を食っている専門家にとっては許されない。なぜこの日ユーロが急騰した説明が必要なのである。その場合Watt記者が書いているようにIfoが「最も信頼できる」指標でなければならないのであろう。
ヨーロッパには、ドイツのような元気な国ばかりでない。問題を抱えたギリシャもポルトガルもある。現在のドイツ経済はユーロ安のお陰で輸出が大きく伸びた。設備投資がふえ関連企業は伸びつつある。それが小売や雇用増加にまで広がるかまだまだ未知数な面を残しているとWatt記者は指摘していた。
このままの調子でヨーロッパ経済が好転し、つれてユーロも値上がりを続ける保証はない。ドイツと言う「心臓」が強いということは心強い。しかしギリシャは盲腸のようなもので問題でないという言うひともいるが、それは大きな間違いで虫垂炎で命を落とすケースも多い。ポルトガル、スペインという「臓器」もかかえているから油断できない。
21日付けのWSJ紙に、胡主席訪米中に、中国が人民元切り上げの速度を速めるとの感触を得たと米政府高官の談話を紹介していた。人民元高はドル先安を予見している。その意味ではユーロ高というよりドル安かもしれない。
Ifoが上った下ったと細かいことを言うなと言う人もいる。しかし、血圧計や万歩計を忘れずに持ち歩いていて、最低血圧がどうで、最高がどうだった、1万歩以上歩いた、歩かなかったと真剣そのものの人もいる。経済指標と血圧と同列で議論するのは不謹慎だと叱られそうだが、人それぞれの世界がある。ストライクゾーンを広くして日々暮らすことが大事だろう。
経済とからだの健康は似たところが多い。健康に留意しながら、笑顔を忘れず、日々の足元の生活を大事にして、人生をエンジョイしたい。(了)
今朝の「おはよう世界」(経済情報)(NHK・BS)が「21日のNY外国為替市場で、1ドル=82.54~59円、1ユーロ=112.39~50円で取引された」と伝えていた。当の番組に出演した大和証券キャピタルマネジメント、シュナイダ―恵子氏は「ドイツの景況感が改善し、ユーロが値上がりした」と解説していた。
21日付けのウオールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の電子版をクリックしたところ、「ドイツの景況感を示すIfoの1月指数が、12月の109.8から110.3へ上昇した結果、1ユーロ=1.345ドルから同1.3617ドルへユーロが対ドルで急騰した。つれてドルは対円でも値下がりし、1ドル=82.54円で取引された」とWilliumL.Watts記者が書いていた。
Watt記者は「ドイツのIfo景況感指数は、景気の先行きを判断する指標の中で最も信頼できる指数と考えられている。Ifoの6ケ月先行指数は12月の106.8 が107.8へ増加した。これをとらえて、民間調査機関CapitalEconomicsエコノミスト、JonathanLoynes氏は、1月の指数は2011年のドイツのGDPの5%増を予見していると語った。」と書いていた。
一般の感覚では、Ifoがどうなろうと細かい数字などどうでもいいとなるが、こと為替で飯を食っている専門家にとっては許されない。なぜこの日ユーロが急騰した説明が必要なのである。その場合Watt記者が書いているようにIfoが「最も信頼できる」指標でなければならないのであろう。
ヨーロッパには、ドイツのような元気な国ばかりでない。問題を抱えたギリシャもポルトガルもある。現在のドイツ経済はユーロ安のお陰で輸出が大きく伸びた。設備投資がふえ関連企業は伸びつつある。それが小売や雇用増加にまで広がるかまだまだ未知数な面を残しているとWatt記者は指摘していた。
このままの調子でヨーロッパ経済が好転し、つれてユーロも値上がりを続ける保証はない。ドイツと言う「心臓」が強いということは心強い。しかしギリシャは盲腸のようなもので問題でないという言うひともいるが、それは大きな間違いで虫垂炎で命を落とすケースも多い。ポルトガル、スペインという「臓器」もかかえているから油断できない。
21日付けのWSJ紙に、胡主席訪米中に、中国が人民元切り上げの速度を速めるとの感触を得たと米政府高官の談話を紹介していた。人民元高はドル先安を予見している。その意味ではユーロ高というよりドル安かもしれない。
Ifoが上った下ったと細かいことを言うなと言う人もいる。しかし、血圧計や万歩計を忘れずに持ち歩いていて、最低血圧がどうで、最高がどうだった、1万歩以上歩いた、歩かなかったと真剣そのものの人もいる。経済指標と血圧と同列で議論するのは不謹慎だと叱られそうだが、人それぞれの世界がある。ストライクゾーンを広くして日々暮らすことが大事だろう。
経済とからだの健康は似たところが多い。健康に留意しながら、笑顔を忘れず、日々の足元の生活を大事にして、人生をエンジョイしたい。(了)