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パパンドレウ首相、12月5日にギリシャ支援を問う国民投票実施を発表、大事に至らぬことを祈るのみだ

2011-11-03 11:04:10 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



ロシアRTRの日本時間今朝11月3日の番組を見ていたら、先日ロシアでの離陸時に起きた事故でパイロットが加速ペダルを踏まず後輪のブレーキペダルを踏んだことが原因だった。当のパイロットは強度の神経症を2000年以来患っておりそのため治療薬を常用していた。ロシアの法律で禁止されている時間内での操縦だったと当局が発表したと伝えていた。アクセルとブレーキを踏み間違えたという、ぞっとする話であることに変わりない。

ギリシャのパパンドレウ首相が、先日まとまったばかりのギリシャ支援策を国民投票にかけると11月1日のギリシャ議会で発言した。カンヌで3日開催のG20直前の「国民投票」発言に対して、フランスサルコジ大統領は驚き、ドイツ、メルケル首相は、怒りをあらわにしたと今朝のフランスF2,ドイツZDFは番組のトップで報道していた。

メルケル首相は先日決めた案通りドイツは実行する。それはユーロのためでありドイツのためだと演説していた。フランスのフイヨン首相は、2日のフランス議会で演説し「ギリリシャはユーロ圏での地位を捨てるのか捨てないのか明確にすべきだ」と語った。フランスF2は、EU議会のユンケル議長は、ギリシャ支援の80億ユーロは既に凍結されたと語った。2日、サルコジ大統領とメルケル首相は、パパンドレウ首相をカンヌに呼び出したが、今朝8時台のNHKBSニュ-スは、パパンドレウ首相は、ギリシャは12月4~5日にギリシャ支援の是非について国民投票を実施すると正式に伝えたと報じていた。

一方、これに先立ち開かれた11月2日、NY株式市場は、バ―ナンキ米FRB議長が、記者会見で、具体的に時期と規模は明言しなかったが金融緩和政策継続を示唆したことを材料に、前日比178ドル、1.5%上げ、11,836ドルで取引を終了したと2日付けのWSJ紙電子版は伝えた。一方、バ―ナンキ議長は、2012年の米 GDPは当初見通しの2.9%増を2.5%へ、失業率を当初の7.8%~8.2% を8.5%~8.7% へ引き上げた。WSJ紙によれば、この日のNYダウは、EUとIMFがギリシャの国民投票が終わるまではギリシャ支援を留保すると伝えらえられたあと値下がりに転じたと解説していた。

ギリシャへの輸血が止まればギリシャは自力では生きていけないとされる。英BBCはギリシャが破たんすれば、次はどこかとマーケットの動揺が広がる。今回のヨーロッパ金融危機はギリシャ破たん危機から始まった。アイルランド、ポルトガル、スペイン、ベルギーそしてイタリアへ波及する気配が出て来た。イタリアの財政赤字はGDPの120%である。イタリア国債の利回りは5%と既に極めて高い。イタリアに飛び火すればEFSF(欧州金融安定化基金)は1兆ドルだが2兆ドルでも足らない。ユーロ圏が混乱する。イギリスにとっても他人ごとではないと解説していた。


パパンドレウ首相がアクセルとブレーキを踏み間違えたかどうか即断できない。しかし、少なくとも欧州金融危機が、フランス、ドイツ両首脳中心に政治生命を掛けてまとめた対策だった。ギリシャ国民が賛成する可能性は残されてる。しかし、投資家の多くは12月4,5日まで待つ勇気はないであろう。

欧米ではMusical Chairs、日本ではイス取りゲームと呼ぶゲームがある。音楽が止まるとイスがひとつずつ減って行くゲームである。G20が間もなく開かれる。参加者はパーティーの食事ものどを通らないであろう。銀行から振り込みがあるかないかを心配しながらの演奏など聴けた代物でないことだけははっきりしている。大事に至らないことをひたすら祈るのみである。(了)

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