(学校で教えてくれない経済学)
28日朝の「ワールドWaveMorning」(世界の扉)コーナーで、「米国で歯の治療を受けない人が増えているが、歯の治療を怠る結果、糖尿病や心臓病、さらに体重不足など深刻な影響が出て来ている」と専門医が語る様子を紹介していた。先日も書いたが、虫歯が内蔵の病気を予告しているという話は初耳だった。たかが虫歯と思っていたが実に浅はかだった。幸い筆者の場合、歯槽膿漏の気が全くないとご近所の歯科医から幸いにもお隅付きをもらって感謝している。
なぜアメリカで歯の治療を受けないひとが多いのか。経済的な問題が第1。さらに地理的な事情が第2だと解説していた。近くに歯科がない。基本的に歯科医が不足している。歯医者になる生徒が少ない。お金がかかるという点では、日本では歯の神経治療を受けると5,800円に対してアメリカでは6万8,000円かかるのだそうだ。アメリカでは4人に1人が支払い能力がない。格差社会がアメリカで、急速に拡大していることを象徴している動きかもしれないと当番組のキャスターがコメントしていた。
アメリカでは6人に1人しか歯の治療を受けられる保険に入っていないことも影響している。ただ、オバマ米大統領から始まったある一定の収入以下の人に適用されるメディケイド保険制度でも歯の治療を受けない人がいる。今朝の番組では、メディケイド制度では、詳しい説明はなかったが、同制度では20~70%が赤字になるのでやりたがらない学生が増えていると解説していた。
所得の低い人に対する制度であっても医者が赤字になるようでは論外だろう。お金儲けのためだけに歯医者になる学生はいない。しかし、赤字になるとはじめから分かっておれば、自然の成り行きとして、歯医者に成りたい学生が減ってくる現象も理解できる。日本では小児科や産婦人科の医者になる生徒が減っていると聞くが、歯医者は果たしてどうなのかとふと思った。
お金以前の問題として、そもそもアメリカ人は、歯医者には行かないと決めている人が多いと聞いて驚いた。それがアメリカでは一番問題のだと解説していた。一方、日本では歯医者にそもそもいかないという人はあまり聞かない。ただ、歯の治療を放置していると、糖尿病や心臓病になり易いと聞けば、日本でも歯医者さんに駆け込む人が意外に増えるのではないかと勝手に想像している。歯が、けなげにも内蔵の犠牲になって虫歯になっているという話は先日書いたが、笑いごとでは済まされまい。
外国人と話をしていると、彼らは、しばしば「相手の歯を抜く」という言葉をよく使う。狩猟民族ならではの表現だろう。日本ではどうか。「歯牙にもかけない。」と言って、相手を問題にしない時にこの表現を使う。「歯に衣着せぬ。」発言する人は日本では好まれない。「歯の浮いた話。」も歓迎されない。「歯が立たない。」相手だととはじめから分かっていればよかったと負けた後で言ってても後の祭りである。「歯ごたえのある。」話が最近少なくなった。自分のことは棚に上げて「歯を食いしばってガンバレ」と発破を掛ける人は信用できないなどと使う。
歯は本来、年を表す。日本で、いつのころからか年齢と書かないで年令と略して書くようになった。文字通り歯の抜けた話となる。歯を疎かにしていると病気になり易いのはなぜか。噛むという字をつらつら眺めて欲しい。噛めば噛むほど唾液が出る。歯を磨くのではない。歯茎を磨けば唾液が出る。唾液には殺菌作用がある。それが歯を長持ちさせるといわれる。噛めば噛むほど味の出る話をする人が少なくなったことが、一番淋しい。歯を大切して不景気を吹き飛ばそう。(了)
28日朝の「ワールドWaveMorning」(世界の扉)コーナーで、「米国で歯の治療を受けない人が増えているが、歯の治療を怠る結果、糖尿病や心臓病、さらに体重不足など深刻な影響が出て来ている」と専門医が語る様子を紹介していた。先日も書いたが、虫歯が内蔵の病気を予告しているという話は初耳だった。たかが虫歯と思っていたが実に浅はかだった。幸い筆者の場合、歯槽膿漏の気が全くないとご近所の歯科医から幸いにもお隅付きをもらって感謝している。
なぜアメリカで歯の治療を受けないひとが多いのか。経済的な問題が第1。さらに地理的な事情が第2だと解説していた。近くに歯科がない。基本的に歯科医が不足している。歯医者になる生徒が少ない。お金がかかるという点では、日本では歯の神経治療を受けると5,800円に対してアメリカでは6万8,000円かかるのだそうだ。アメリカでは4人に1人が支払い能力がない。格差社会がアメリカで、急速に拡大していることを象徴している動きかもしれないと当番組のキャスターがコメントしていた。
アメリカでは6人に1人しか歯の治療を受けられる保険に入っていないことも影響している。ただ、オバマ米大統領から始まったある一定の収入以下の人に適用されるメディケイド保険制度でも歯の治療を受けない人がいる。今朝の番組では、メディケイド制度では、詳しい説明はなかったが、同制度では20~70%が赤字になるのでやりたがらない学生が増えていると解説していた。
所得の低い人に対する制度であっても医者が赤字になるようでは論外だろう。お金儲けのためだけに歯医者になる学生はいない。しかし、赤字になるとはじめから分かっておれば、自然の成り行きとして、歯医者に成りたい学生が減ってくる現象も理解できる。日本では小児科や産婦人科の医者になる生徒が減っていると聞くが、歯医者は果たしてどうなのかとふと思った。
お金以前の問題として、そもそもアメリカ人は、歯医者には行かないと決めている人が多いと聞いて驚いた。それがアメリカでは一番問題のだと解説していた。一方、日本では歯医者にそもそもいかないという人はあまり聞かない。ただ、歯の治療を放置していると、糖尿病や心臓病になり易いと聞けば、日本でも歯医者さんに駆け込む人が意外に増えるのではないかと勝手に想像している。歯が、けなげにも内蔵の犠牲になって虫歯になっているという話は先日書いたが、笑いごとでは済まされまい。
外国人と話をしていると、彼らは、しばしば「相手の歯を抜く」という言葉をよく使う。狩猟民族ならではの表現だろう。日本ではどうか。「歯牙にもかけない。」と言って、相手を問題にしない時にこの表現を使う。「歯に衣着せぬ。」発言する人は日本では好まれない。「歯の浮いた話。」も歓迎されない。「歯が立たない。」相手だととはじめから分かっていればよかったと負けた後で言ってても後の祭りである。「歯ごたえのある。」話が最近少なくなった。自分のことは棚に上げて「歯を食いしばってガンバレ」と発破を掛ける人は信用できないなどと使う。
歯は本来、年を表す。日本で、いつのころからか年齢と書かないで年令と略して書くようになった。文字通り歯の抜けた話となる。歯を疎かにしていると病気になり易いのはなぜか。噛むという字をつらつら眺めて欲しい。噛めば噛むほど唾液が出る。歯を磨くのではない。歯茎を磨けば唾液が出る。唾液には殺菌作用がある。それが歯を長持ちさせるといわれる。噛めば噛むほど味の出る話をする人が少なくなったことが、一番淋しい。歯を大切して不景気を吹き飛ばそう。(了)