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ユーロ金融不安続き、米銀行株売られ、NYダウ74ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2011-11-15 10:22:28 | 経済学
自宅マンションの窓から見えるくっきりと晴れた六甲の山並みを眺めていると日本はつくづく平和な国だなと思う。ところが今朝も「ワールドWaveMorning」を見ているとシリア情勢が刻一刻と緊迫の度を高めていることやタイ、バンコクでは一部日本企業の操業再開の二ユースが伝えられる中、新たに堤防が決壊のニュ-スが伝えられる。

経済関連のニュースでは、15日付けNBC Asia MorningBrief電子版は、ユーロ圏経済の地盤沈下を報せる言葉で始まり、それがアメリカの銀行株価を押し下げたと書いていた。前日14日付けWSJ紙電子版は「ユーロリスク、銀行に打撃」の見出しで、ユーロ不安が欧州のみならずアメリカの銀行にもダメージを与えている様子をかなりのページを割いて伝えていた。同記事によればJPMorgann、GoldmanSachsが、ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシア、スペインの国債を大量に抱えている。MorganStanleyはそれに加えてフランス国債が多い。そのため株価はここ3週間で初となる100ドルを割ったと書いていた。

「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した三井住友銀行、森谷亨氏は「ベルルスコーニ、イタリア首相が辞任し暫定内閣が成立した。ギリシャもパパデモス新首相が誕生した。政治懸念が薄れた感はある。しかし、マーケットはイタリア国債が売られ、利回りが上昇したことを嫌気して、週明けの14日のNYダウは74ドル安、12,078ドルで取引を終了した。NY外国為替市場では、ユーロが対ドルで一時、1ユーロ=1.36ドル割れ、対円でモユーロが売られ、1ユーロ=105円割れもあった。引き続きイタリア含めヨーロッパ情勢から目を離せない」と話していた。

日本時間15日朝の英BBCは、「ヨーロッパは、第二次世界大戦以来、最もつらい時期を迎えている」とドイツ、メルケル首相は語ったと放送の冒頭で紹介,「ギリシャ、イタリアに新首相が誕生したが、彼らは金融の専門家であるが、政治問題が彼らの行方を阻むだろう。ユーロ危機は今も続いている。10年物のイタリア国債の利回りは6.7%台で高止まりしている。ユーロ相場安定が課題である。」などと解説していた。

豪ABCは、APECハワイ会議に出席したオバマ米大統領は、中国、胡錦濤主席と会談「20~30年前,中国は数々のルール違反を犯していた。その中国は今や成熟した国となった。責任をもって正しいプロセスを踏んで欲しい。特に通貨問題では、通貨が意図的に抑えられている。人民元切り上げを求める。誰もが従えるルールの中での熾烈な競争が必要だ」と語り、中国を激しく非難したと紹介していた。一方、中国CCTVは「人民元は公正に評価されている。アメリカ経済の不況は人民元のせいではない。中国は為替改革を確実に進めている」とオバマ・胡会談に直接触れず淡々と中国の考え方を流していた。

一方、シリア情勢が緊迫してきている。カタール、アルジャジ―ラは、シリアは四面楚歌の状態だ。トルコのダウド―ル大統領は、「シリア政府は信用できない」と語ったと伝えた。英BBCはヨルダン大統領とのインタビューを報じ、「シリア、アサド大統領に退陣圧力がかかっている。EU,アラビア連合が調査団を送った。アサド後を見据えた動きである」と解説していた。国連安全保理事会では、ロシアと中国が拒否権を発動した。シリアは「虎の威を借りるキツネ」の様相を益々強めている。

ロシアはガガーリン宇宙飛行50周年を迎え、メドベージエフ、ロシア大統領は「宇宙開発なしにはロシアの将来はない」と語る映像を今朝のロシアRTRは紹介していた。中国CCTVは宇宙船「神舟8号」と「神舟1号」とのドッキングの話題を大きく取り上げ、ロシア、中国共に国威高揚に努めていた。金融で世界をリードして来たアメリカの象徴的存在だった銀行株が急落している。メルケル首相が両手を激しく振りかざしながら「いまこそユーロ団結を」と呼び掛ける姿には悲壮感が漂っていた。それにつけても日本は平和である。(了)

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