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イタリア国債利回り「危険水位」7% 突破、11月9日のNYダウ389ドル安

2011-11-10 09:57:53 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



ベルルスコ―ニ、イタリア首相辞任表明は一時的な相場引き上げ効果に終わった。9日のNYダウは、イタリア国債の利回りが「危険水位」とされる年7%を超えたことを見て、前日比389ドル、3.2%急落したと10日付けのCNBC Asia Morning Brief電子版は記事冒頭に伝えた。

「ワールドWaveMorning」{経済情報}に出演した米国みずほ証券、大宮弘幸氏は「イタリア国債利回りが一時7.4%を付けドイツ国債との利回り格差が5%以上に拡大した。ベルルスコーニ辞任後、暫定内閣がいつできるのか、総選挙がいつ実施されるのか含めイタリア政局の混乱懸念が拡大し、NYダウ、ユーロが共に下落した」と話した。NY外国為替市場では、イタリア危機を嫌気してユーロが売られ、1ユーロ=1.35ドル台まで値下がりした。対日本円でもユーロは売られ、1ユーロ=105.35~41円で取引された。日本円は対米ドルでは小動き、1ドル=77.80~81円で取引された

NY原油{WTI}相場は、「原油、ガソリン在庫が共に予想外に減少したことIAEAがイランの核兵器開発懸念をレポートしたことから中東危機を材料に、一時、バレル97ドル台まで上昇した。しかし、イタリア国債利回り7%突破を材料に売られ、前日比バレル1.06ドル安、95.74ドルへ反落した」と大宮氏は解説していた。

9日付けのWSJ紙電子版はイタリア国債利回り7%超えをA4サイズで3ページ使い詳細にレポート、「イタリア国債利回り7%超えは、投資家がイタリアを見限った証である。イタリアは自力での構造問題解決は出来ない。イタリア財政は、ECBにIMFを加えての助けに依存せざるを得ない。1.9兆ユーロ(約200兆円)の借金を抱えたイタリア救済には2兆ユーロの EFSF(欧州金融安定化基金)も、あくまで個人投資家に安心感を与えるせいぜい「ニンジン」の役割程度しか期待できない」と書いていた。

英BBCもイタリア国債利回り7%突破を取り上げ「マーケットは、ベルルスコーニ辞任は単なるごまかしと受けとめた。欧州株は軒並み値下がりした。次期首相任命、暫定内閣樹立など混乱収拾に向けてイタリアに残された時間はほとんどない。ユーロ圏危機は新たな段階に入った」などと厳しく受け止めていた。午前9時前に放送された米ABCは「NY株価の値下がりでアメリカ人の年金資金は一日で一人当たり3,000ドル(約23万円)失われました。この先も株価の乱高下が続きそうです。」と解説していた。日本でも、株価が下がれば年金資金がその分失われると解説してほしい。

一方、ドイツZDFはギリシャ問題のその後をレポートし「ギリシャは徹底した緊縮財政実施を迫られている。次期首相に6人の候補が名前を連ねていたが、元ECB副総裁の名前はべニゼロス財務相により消された。ギリシャがEUから融資を受けられないと破たんする。しかし、ギリシャ破たんは避けなければならない。」と解説していた。

IAEA(国際原子力機関)が出したレポートをロシアRTRはトップで取り上げ「アメリカが画策したのではないか。この問題はもっと落ち着いた環境で議論する必要がある」とロシア外務省は冷静に対応するよう求めたと紹介していた。上海RTSもIAEA報告書を取り上げたが「誠意と柔軟性をもった対応が求められる」と中国報道官が語る様子を紹介していた。ロシアと中国はイランの核開発を容認している。イスラエルはイランの核開発には神経を尖らせていると伝えられる。NY原油相場は中東不安に敏感に反応するから目を離すことはできない。

10日朝の「ワールドWaveMorning」(世界の扉)でTPP(環太平洋パートナーシップ)への日本の加盟問題で賛成派(浦田秀次郎・早稲田大学教授)、反対派(鈴木宣弘東大教授)に分かれてそれぞれの立場から議論していた。米韓FTA問題では韓国議会で紛糾していると今朝の韓国KBSが紹介していた。野田総理は本日、日本のTPP加盟参加を表明すると伝えられる。アメリカに言われたからやるのではない。どこまでも日本の将来にとって利益になるかならないかを物差しにして行動してほしい。(了)

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